製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは編集部が使用した製品のものであり、すべての個体にあてはまるものではありません。
工人舎が11月7日に発表したミニノートPC「SA1Fシリーズ」の試作機を入手できたので、まずは気になる中身をチェックしよう。
詳細なスペックはこちらの記事を参照してほしいが、最大のポイントはフルWindowsが動くサブノートPCを8万9800円という低価格で購入できることだろう。
プレスリリースによるとタイピングにストレスを感じさせずに極限まで小型化したキーボードを目指し、ここを一番最初に開発を行なったという。その結果、ほぼA5サイズのコンパクトボディにキーピッチ16.8ミリ、キーストローク1.5ミリのキーボードを搭載している。キー数が77と少なく不規則な配置のため快適なタッチタイプには慣れが必要だが、それでもこのクラスのPCでは扱いやすいキーボードに仕上がっている。
また、HDDにミニPCで採用例の多い1.8インチドライブではなく、2.5インチドライブを搭載しているのも見逃せない。2.5インチHDDは性能面で1.8インチHDDより有利なほか、メーカーの保証対象外となるがいざとなればドライブの換装が比較的容易に行える。本機には4200回転のUltra ATAドライブが実装されており、本体をほぼ全部分解する必要があるものの、ドライブを交換するのも夢ではない。
7インチのワイド光沢パネル付き液晶は、画面解像度が800×480ドットと小さい(プレビューモードで1024×600ドットの表示が行えるが実用的とは言い難い)。もっとも、液晶パネル部分を時計回りに180度回転させて折りたたむことで、タブレットPCライクに利用できる。パネルの左側にスティックポインタが、右側にクリックボタンとスクロールボタンが並んでおり、タブレットPCのような操作感(もちろん、液晶はタッチパネルではない)で扱えるのもユニークだ。
低解像度の液晶ディスプレイと並んで本体価格の引き下げに貢献しているのが、CPUのGeodeである。本機に採用されているのは、シンクライアントや組み込み用途に開発された「Geode LX 800@0.9W」だ。Mobile Athlon XP-MをベースにしたGeode NXほどのパフォーマンスは持たないが、そのぶん低価格かつ低消費電力で動作する。
もっとも、800という数字はモデルナンバーであり、実際には動作周波数500MHzで動く。また、0.9ワットもTDPではなく、CPUだけの平均消費電力を抜き出したものだ。ちなみに、チップ自体の最大TDPは3.9ワット、平均では1.8ワットだ。それゆえ冷却ファンは搭載されず、薄型のヒートシンクだけが装着されており、システムに負荷をかけてもほぼ無音に近いのは魅力だろう。試しにシステムに高い負荷をかけてみたが、部分的に40度前後まで上昇する部分もあるが手を触れて不快感を覚えることはなかった。このあたりの操作感などはレビュー記事を参照してほしい。
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