こうした旧MacBookとの差分だけ見ても十分に魅力的だが、これだけ見たのではMacBookの本来の良さは見えてこない。ここからは旧MacBookから変わらない「製品の良さ」もいくつかあらためて振り返ってみたい。
まずはその素晴らしいデザインだ。MacBookといえば、白または黒のポリカーボネート素材を使った余計な起伏のないシンプルな1枚板のデザインが特徴的だ。
ちなみに旧MacBookでは、このポリカーボネート素材のせいなのか、極めて無線LANの受信感度がよく、ほかのPCで見えない無線LANアクセスポイントがたくさん見えるという強みで、ユーザーに大きな優越感を感じさせていた(もちろん、見えたからといって、必ずしもつながるとは限らないが……)。そしてこの特徴は新MacBookでも健在だ。
なお、MacBookが搭載する無線LANモジュールには、Artheors CommunicationのAR5008Eチップセットが採用されている。このチップは100Mbpsを達成するIEEE 802.11nのドラフト仕様に対応しており、将来ファームウェアアップデートで、この次世代無線LAN規格に対応できる可能性がある。
ボディデザインに話を戻そう。米国の小中学校で鍛えられた頑丈なボディも自慢で、素材や配色の影響もあって正面からみるとたっぷりした厚みをもっているように見えるが、これが側面から観ると、意外にも薄いことに驚かされる。
また、ポート類はすべて本体向かって左側に集められ、右側面から見るとさらにすっきりとした外観になっている。差し込んだUSBケーブルなどが、手のひらにあたるノートPCもあるが、MacBookでは、ポート類が集められた左側でも、ユーザーに不快感を与えないようにポート類は、すべてキーボードそのものより奥側に配置されている。
ユーザーにとってPCで一番大事なのは画面の中の世界。液晶画面もキーボードも余計な装飾は一切なく、色も本体色とキートップと本体ロゴの刻印に使われている白(白モデルではグレー)のみ。黒モデルではベゼル上側に内蔵のiSightカメラもほとんど目立たない。開いた姿のMacBookは究極のシンプルさを貫いた世界だ。
そのシンプルな世界の中の無視できない特徴がタイルのようなキーボードだ。一見、おもちゃ的にも見えるが、実際に使ってみると、これが予想外に打ちやすい。タイプする指がキートップの真ん中に落ちた場合はもちろんだが、キートップの端っこスレスレのところにひっかかるような状態でも、しっかりとしたクリック感をともなって静かに真下に沈んでくれる。
2本指操作にあわせて、横長になったトラックパッドも使いやすい。Macのノートブックは、ご存知の通り、指1本で操作をすると通常のマウスカーソルの操作、指2本を置いて上下左右に動かすと、その方向へのウィンドウスクロールの操作になる。マウスホイールのような上下だけ限定の動きでなく、360度好きな方向にスクロールできるこの操作は、解像度を超える大きな画像などを扱っている時に特に重宝する。
また、システム環境設定次第で、パッドに指を2本置いた状態でトラックパッドボタンをクリックすると右クリック操作になる。これら2本指系の操作は、使い始めると快適さが病み付きになるはずだ。ちなみに最新版BootCampでは、Windows環境でもこれらの操作をサポートしている(また、キーボードの日本語/英語入力切り替えもサポートした)。さらに最新Boot Campでは、iSightカメラなどもサポートしており、Windows XP利用時にもMacBookのさまざまなハードウェア機能を余すことなく活用できるようになりつつある。もちろん、Windows Vista RC1も利用可能で、AeroなどのGUIも余裕で楽しめる。
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