期待されながらなかなか普及しないインタフェースの1つがBluetoothだ。熱心なファンを抱える一方で、Bluetoothに対応した周辺機器、標準搭載したノートPCのラインアップはまだまだ限られている。同じワイヤレス規格でも、無線LANがアッという間に広まったのとは、やや対照的な展開になっている。
そのような中、マイクロソフトがBluetoothに対応したマウスを同時に2モデル発表した。1つはデスクトップPC向けのWireless Laser Mouse 8000、もう1つがノートPC向けのWireless Notebook Presenter Mouse 8000だ。同じ型番(8000)で分かるように、共通点の多い両製品だが、プレゼンテーション機能を拡張した後者は、ひとひねりを加えた製品となっている。
なお、いずれもBluetooth 2.0対応(EDRには非対応)でClass 2デバイス(電波の到達距離が約10メートル)に準拠したトランシーバーが付属する。これにはマウスを含めて最大7デバイスを接続可能だが、サポートするプロファイルが下の表のように限定される点には注意が必要だ。
添付のBluetoothトランシーバーとドライバ(プロトコルスタックがサポートするプロファイル) |
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Human Interface Device(HID) |
Hard Copy Cable Replacement(HCRP) |
Dial-up Networking(DUN) |
Object Push(OPP) |
Personal Area Networking(PANU) |
Serial Port(SPP) |
※オーディオ(A2DP)やハンドセット関連(HFP/HSP)のプロファイルの公式サポートはない |
まずデスクトップPC向けのWireless Laser Mouse 8000だが、見た目はごく一般的なサイズのデスクトップPC向けマウスだ。左右対称のデザインで、チルト動作をサポートしたスクロールホイール(ホイールボタン)を含めて、5つのボタンを備える。両サイドに用意された2つのボタンは、初期設定で「戻る」と「拡大鏡」に割り当てられているが、従来の6000シリーズに比べボタンの位置が手首寄りに後退している。とくに、外側のボタンを押すのは、かなりの慣れが必要だと感じた。このボタン配置はWireless Notebook Presenter Mouse 8000も共通だが、好き嫌いが分かれそうだ。
底面には、名称の由来の1つとなっている1000dpi/6000fpsのレーザーセンサが設けられている。レーザーセンサの右側が電池ケースで、本機は付属の単三形ニッケル水素充電池1本で駆動する(最大約4週間の利用が可能)。マイクロソフトのマウスで使い捨ての乾電池ではなく、最初から充電式のバッテリーが標準添付されるのは、これが初めてではないかと思う。レーザーセンサの下側にある接点は、内蔵電池の充電用で、本機を付属の充電台に乗せて充電する。レーザーセンサの上にある丸い溝は、充電台に乗せた際の位置決め用だ。
マウスとしての機能は、ごく標準的で特筆することはあまりない。ホイールは、クリック感のないスムーススクロールタイプ。試用したマウスは、どうもホイールの調子が悪いようで回転が渋かったが、これは試用した固体の問題だと思われる。
一方、ノートPC向けのWireless Notebook Presenter Mouse 8000だが、従来のWireless Notebook Laser Mouse 6000よりわずかに小さい。マウスとしての基本的なスペックであるレーザーセンサや、チルト可能なスムーススクロールホイールは、Wireless Laser Mouse 8000と同等だが、添付される電池は2本の単四形アルカリ電池で、充電式ではない。
従来のノートPC向けモデルでは携帯性を考慮して、底面にワイヤレスレシーバーを取り付けることができたが、このPresenter Mouse 8000にその機能はない(代わりにレシーバーとマウスをいっしょに持ち運ぶ透明のプラスチックケースが付属する)。レシーバーを取り付ける代わりに、本機では底面にプレゼンテーション機能をコントロールするためのボタンが用意される。このボタンを使うことで、PowerPointのスライドショーにおいて、スライドを前後に送ったり、BGMの音量を調整したりできる。さらに、マウスの前部にはレーザーポインタが内蔵されており、底面のボタンを押すことでプレゼンテーションを指し示すことも可能だ。
マウス/プレゼンテーションモードの切り替えは上面中央にあるボタンで行う。マウスモードでは底面のプレゼンテーションキーが無効になり、プレゼンテーションモードではマウス操作が無効になる。また、PowerPointの操作はスライドショーの実行まであらかじめ行っておく必要があるほか、PowerPoint非起動時はOSに割り当てられたメディアプレーヤーの起動/操作ができる(Windows Media Player 10のほか、iTunes 7も操作が可能だった)。
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