検証中にファイルのコピーを行うと、若干遅いように感じたのでファイルサーバとしてのベンチマークテストを簡単に行ってみた。対象としたのは、Windowsのファイル共有機能を利用した場合だ。転送速度を期待して購入する製品ではないだろうが、ファイルサーバとして利用するのであれば速いほうがよい。ベンチマークテストにはFDBENCH 1.01を利用したが、結果は4〜5Mバイト/秒程度の速度だった。内蔵のHDDと比較すると1/10程度の速度で、一般的なNASより少し遅いくらいだ。多くのユーザーで共有するには向かないが、家庭内に置いて数人でアクセスするくらいなら十分実用的だろう。
ベンチマークテストの結果(Kバイト/秒) | ||
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項目 | WL-700gE | 内蔵HDD |
ReadWrite | 4820 | 52671 |
Read | 5520 | 62976 |
Write | 4129 | 87297 |
Random Read | 4773 | 12247 |
Random Write | 4857 | 48165 |
Copy | 2527 | 33178 |
2k | 93 | 894 |
32k | 1196 | 11462 |
256k | 3771 | 43468 |
Variable | 5048 | 76889 |
テスト環境 | |
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CPU | Xeon 2.4GHz |
マザーボ−ド | ASUSTeK PC-DL Deluxe |
チップセット | Intel 875P |
メモリ | PC2700 2Gバイト(512Mバイト×4) |
HDD | Serial ATA 240Gバイト(7200rpm) |
グラフィックス | ATI Radeon 9600 |
ビデオメモリ | 128Mバイト |
以上のように、WL-700gEには実に多くの機能が搭載されており、ダウンロードマスターやiTunesオーディオサーバ、USBオートコピーのようにかゆいところに手が届く部分も多い。設置性の高さも魅力だ。本体サイズは無線LANルータより少し大きめの241(幅)×161(奥行き)×45(高さ)ミリ、重量約1.4キロ。電源ユニットは内蔵しているため、ACアダプタは不要だ。HDDを搭載しているにもかかわらず、ファンレス設計で動作音が気にならないのもうれしい。ブロードバンドルータやNASは、24時間稼働させるものなので、静粛性も使い勝手の1つと考えられるからだ。
しかし、残念ながらマニュアル類は充実していない。とくにiTunesオーディオサーバとDLNAサーバの機能は記述がなく、利用可能かどうかをチェックするのも難しい。またWebカメラサーバ機能は、利用可能な機種が限られているので注意が必要だ。
WL-700gEの購入層として想定しているのは、ブロードバンドルータに加えてNASやメディアサーバを活用している個人もしくはSOHOのユーザーだ。複数の機能を1台でまかなえるので、場所や電気代を節約できるメリットがある。4万円前後という実売価格については、160GバイトのHDDを内蔵したNAS+無線LANルータと考えると高めに思えるが、自動ダウンロードなどの付加価値があるため、妥当な価格設定と言える。実際の利用シーンに照らし合わせて、こうした機能面に価値を感じるユーザーはチェックしてみるとよいだろう。
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