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具だくさんな無線LANルータを賞味した――ASUS「WL-700gE」iTunesもBittorrentもOK(3/3 ページ)

» 2006年12月11日 08時00分 公開
[織田薫,ITmedia]
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ファイルの転送速度はまずまずの成績

 検証中にファイルのコピーを行うと、若干遅いように感じたのでファイルサーバとしてのベンチマークテストを簡単に行ってみた。対象としたのは、Windowsのファイル共有機能を利用した場合だ。転送速度を期待して購入する製品ではないだろうが、ファイルサーバとして利用するのであれば速いほうがよい。ベンチマークテストにはFDBENCH 1.01を利用したが、結果は4〜5Mバイト/秒程度の速度だった。内蔵のHDDと比較すると1/10程度の速度で、一般的なNASより少し遅いくらいだ。多くのユーザーで共有するには向かないが、家庭内に置いて数人でアクセスするくらいなら十分実用的だろう。

ベンチマークテストの結果(Kバイト/秒)
項目 WL-700gE 内蔵HDD
ReadWrite 4820 52671
Read 5520 62976
Write 4129 87297
Random Read 4773 12247
Random Write 4857 48165
Copy 2527 33178
2k 93 894
32k 1196 11462
256k 3771 43468
Variable 5048 76889
テスト環境
CPU Xeon 2.4GHz
マザーボ−ド ASUSTeK PC-DL Deluxe
チップセット Intel 875P
メモリ PC2700 2Gバイト(512Mバイト×4)
HDD Serial ATA 240Gバイト(7200rpm)
グラフィックス ATI Radeon 9600
ビデオメモリ 128Mバイト

NASと考えると割高だが、盛りだくさんの機能は魅力

 以上のように、WL-700gEには実に多くの機能が搭載されており、ダウンロードマスターやiTunesオーディオサーバ、USBオートコピーのようにかゆいところに手が届く部分も多い。設置性の高さも魅力だ。本体サイズは無線LANルータより少し大きめの241(幅)×161(奥行き)×45(高さ)ミリ、重量約1.4キロ。電源ユニットは内蔵しているため、ACアダプタは不要だ。HDDを搭載しているにもかかわらず、ファンレス設計で動作音が気にならないのもうれしい。ブロードバンドルータやNASは、24時間稼働させるものなので、静粛性も使い勝手の1つと考えられるからだ。

 しかし、残念ながらマニュアル類は充実していない。とくにiTunesオーディオサーバとDLNAサーバの機能は記述がなく、利用可能かどうかをチェックするのも難しい。またWebカメラサーバ機能は、利用可能な機種が限られているので注意が必要だ。

 WL-700gEの購入層として想定しているのは、ブロードバンドルータに加えてNASやメディアサーバを活用している個人もしくはSOHOのユーザーだ。複数の機能を1台でまかなえるので、場所や電気代を節約できるメリットがある。4万円前後という実売価格については、160GバイトのHDDを内蔵したNAS+無線LANルータと考えると高めに思えるが、自動ダウンロードなどの付加価値があるため、妥当な価格設定と言える。実際の利用シーンに照らし合わせて、こうした機能面に価値を感じるユーザーはチェックしてみるとよいだろう。

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