CESの開催直前に発表されたのがSanDiskの1.8インチHDDサイズのSSDデバイスだ。SSD(Solid State Drive)では、ノートPCのデータ用ストレージデバイスをHDDの代わりにフラッシュメモリストレージデバイスを利用することになる。日本のユーザーにはNAND型フラッシュメモリを搭載したVAIO type U “ゼロスピンドル”モデルが有名なところだが、2007年のCESでは、このイベントにあわせてSSDを発表したSanDiskのブースで、SSDデバイスの実物が展示されている。
SSDは、フラッシュメモリのチップを載せたボードをシステム基板に差すか直接フラッシュメモリを基板に実装するが、SanDiskのSSDは1.8インチHDDと同じ形状でインタフェースにSerial ATAを用意しているのが特徴だ。従来は基板側の対応と作業が必要だったので、工場の生産ラインでしかゼロスピンドルPCは生み出せなかったが、SanDiskのSSDを使えば、ノートPCに搭載された1.8インチのHDDとこのまま換装できる。エンドユーザーが店頭でSanDiskのSSDを購入できるようになれば「工場でなければ組み込めない」ノートPCのゼロスピンドル化がユーザーでも可能になる。
データストレージデバイスの耐衝撃性能の向上や動作時における消費電力の削減、データアクセス速度の向上などが、ノートPCのHDDをSSDに置き換えるメリットとしてよく言われている。SanDiskの資料には、1.8インチHDDと1.8HDDサイズのSSDで比較したところ、データの読み出しで約3倍、書き込みで約2倍、それぞれ速くなり、Windows Vistaのブート時間が約2.5倍短縮されたとある。また、消費電力はデータアクセス時で1ワットから0.4ワットへ、アイドル時で0.4ワットから0.2ワットでそれぞれ削減されている。ほかにも、動作時の耐衝撃性能が500G/2.0ミリ秒から1500G/0.5ミリ秒になっている。
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