イーブック・システムズは1月19日、FlipBook形式の電子ブックコンテンツを集めた図書館サイト「Flib」(フリブ)を同日オープンしたと発表。国内メーカー数社のWindows Vista搭載PCにFlibと連動するサイドバーガジェットとFlipBookのビューアソフトを付属することも明らかにした。
FlipBookとは、同社が2004年7月に国内に導入し、推進している電子ブックの独自インタフェース。Windows上もしくはMac上で電子化された書物を見開きページで表示できる。実際の書物と同様の凝ったレイアウトを再現できるうえ、音声や動画を埋め込んだり、Webサイトのようにハイパーリンクを設定したコンテンツの作成が可能だ。
FlipBookの特徴は、紙の書物に近い操作性を実現していること。ユーザーはマウスのクリックで「ページをめくる」、ドラッグ&ドロップで「ページをつまんでめくる」、連続してクリックで「ページをパラパラめくる」といった操作が行える。イーブック・システムズ代表取締役社長の岡崎眞氏は、FlipBookの優位性について「ページをパラパラとめくれる。ページをめくると見開き左右ページの厚さが変わる。Webと異なりダイナミックに広告を挿入でき、新たな広告市場を作れる」と語る。
FlipBookを採用したコンテンツとしては、すでにマルチメディア絵本「おはなし絵本クラブ」、無料で閲覧できるマルチメディア雑誌「Manyo-万葉」、企業パンフレット、カタログなどがあり、FlipBookの閲覧に必要なビューアソフト「FlipViewer」はWindows版(Windows 2000/XP/Vista対応)とMac版(Mac OS X 10.3.9以上)が無償で公開されている。出版社向けにはFlipBook作成用ソフトを用意。コンテンツには閲覧期間を設定したり、コピーやプリントスクリーンを禁止するなどのDRM機能を持たせられる。
今回、同社が開設した電子ブック図書館のFlibは、オンライン上でFlipBookコンテンツが閲覧できるサイトだ。スタート時では、雑誌、小説、絵本、総合図書の4つのカテゴリーが用意され、同社が提供しているコンテンツを無料で閲覧できる(ただし、コンテンツの途中までを収録した立ち読み版もあり)。コンテンツの検索機能やRSS配信にも対応している。今後は各出版社にも働きかけて、有料コンテンツの追加も視野に入れ、規模を拡大させていく計画だ。
また、同社は1月30日より発売される国内メーカー数社のWindows Vista搭載PCにFlibと連動するサイドバーガジェットとFlipViewerを付属することを明らかにした。NECパーソナルプロダクツ、富士通、日本ヒューレット・パッカード、日立製作所、シャープの製品にプリインストールもしくはバンドルされる(全製品に搭載されているわけではない)。
また、他社についても交渉を続けており、4月以降発売のPCで搭載されることが決定したメーカーもあるという。「Windows Vistaに限らず、もちろんWindows XPにも搭載可能で、企業向けPCへの導入も検討している。3年後に2000万人のプラットフォームに成長させるのが目標」(岡崎氏)
なお、FlipViewerは「Certified for Windows Vista」ロゴを取得している。これは、Windows Vista搭載PCと組み合わせて使った場合、Windows Vistaの機能を最大限利用できることを示すマイクロソフトの認定ロゴだ。
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