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はじめての“Vistaマシン”をできるだけ長く使いたい――「Endeavor MT7800」(1/2 ページ)

» 2007年02月16日 13時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 エプソンダイレクトの「Endeavor MT7800」は、スタンダードなマイクロタワー筐体を採用し、高い汎用性とコストパフォーマンスを追及したデスクトップPCだ。同社のデスクトップPCでは「MR」や「AT」シリーズとパフォーマンスレンジが重なっているが、これらはサイズを優先したスリムタワーであり、本機は拡張性の面で有利な位置にある。また、価格もWindows Vista選択時で6万円台から、XPなら5万円台からと、安価にまとめられるのも魅力だ。

 今回投入されたMT7800は、Windows Vistaの登場に合わせてMT7700をリファインした後継モデルにあたり、CPUの選択肢にはCeleron/Pentium 4/Pentium Dのほか、新たにCore 2 Duoが加わった。具体的には、Core 2 DuoのE4300〜E6700が選択可能になっている。Celeron D/Pentium4/Pentium Dまで合わせると計9種類とCPUの選択幅は非常に広い。また、グラフィックスカードでは新たにOpenGL対応の「NVIDIA Quadro FX1500」搭載の製品も追加され、Core 2 Duoと合わせてより本格的な3Dグラフィックス利用にも対応可能になった。

 ゲーム用途であればミドルレンジの「NVIDIA GeForce 7600GT」、安価にデュアルディスプレイ利用ならDVI出力を2系統備えつつリーズナブルな「NVIDIA GeForce 7300GS」も選択できるし、もっとリーズナブルにデュアルディスプレイを実現したい向きは、選択肢としてオンボードグラフィックスにDVI出力を追加するアドオンカードも用意されている。いわゆるゲーマー向けのハイエンドモデルこそ選択できないが、BTOで選択可能なCPUとグラフィックスカードだけでも本機の多用途性は理解できるだろう。

 これら以外にもメモリが256Mバイト〜4Gバイト、HDDが40Gバイト〜400Gバイトで最大3台、光学ドライブはDVD-ROMドライブからBlu-rayドライブまで選択でき、同社製品で最も柔軟に構成を選べる製品と言える。

基本性能をさらに向上

エクスプローラでファイルコピーした場合のLANの通信速度グラフ。コピー先はAthlon64 3800+でオンボードにPCI-Express接続のギガビットLANを備えたの自作PCだ。平均して300Mbpsを余裕で超えており、USB 2.0接続の外付けHDDを利用する場合とほとんど変わらないスピードだ

 マザーボードはMicroATX規格で、チップセットにグラフィックス機能を内蔵するIntel 945G ExpressとICH7の組み合わせを採用する。メモリスロットは4つ、拡張スロットはPCI-Express x16スロットと3本の32ビットPCIスロットを装備する。このうち2本のPCIスロットにはボード長312ミリのフルサイズPCI拡張カードが装着可能だ。このほか、5.1チャンネル対応のサウンド機能、シリアル/パラレルのレガシーポート、そして前面2基/背面4基の計6つのUSBポートを備える。

 オンボード機能で目を引くのは、有線LANがギガビット対応になった点だ。ギガビットLANが必須という状況はまだ多くないとは思うが、すでにハブなどの価格は十分こなれており、環境として普及段階にある。

 また、ギガビットLAN機能自体は拡張カードで比較的安価に導入できるものの、一般的な32ビットPCIカードではギガビットの本領を発揮できないことが多く、実スループットは理論最大値1/5程度の200Mbpsにすら達さない場合が多いのだ。従って本機のようにオンボードで内部バスに直結(PCI-Express)されているメリットは大きい。LANチップにもIntel製のものを採用しており、信頼性とパフォーマンスの両面で不安はない。

Intel 945G Express+ICH7のMicroATXマザーを採用(写真=左)。評価機はCore 2 Duo E4300と1Gバイト(512Mバイト×2)メモリの構成(写真=右)

サイズと拡張性のバランスが抜群

 同社のデスクトップPCといえば非常に凝った作りのケースを採用したEndeavor Pro4000を思い浮かべる人も少なくないだろう。本機のマイクロタワーケースはそれに比べるとベーシックだが、多彩な用途に対応すべく非常にバランスの取れた作りになっている。

 前述したように、本体の奥行きを406ミリに抑えながらフルサイズPCI拡張カードを2枚装着可能な点は特徴の1つだ。フルサイズのPCI拡張カードがたわまないよう、ケース奥にはカードサポートを用意し、内部のケーブルとの干渉も最小限になるようにレイアウトされている。フルサイズのPCI拡張カード自体一般向けにはほとんど見かけなくなったが、業務用にはまだまだ多いし、ビデオ編集向けの拡張カードなどはフルサイズとまではいかなくても長尺なカードが多い。幅広い用途に対応するためには重要なポイントだ。

 ドライブベイの5インチ×2、3.5インチ×4(内フロントアクセス×1、HDD専用×3)という内容は特筆すべきことではないが、HDD専用ベイは隣り合ったドライブ間に十分空間を確保しており、HDDを複数台搭載した場合でも放熱に問題がないように配慮されている。実際、発表時の資料やスペックシートによれば、SATA2対応HDDを3台まで問題なく内蔵できる。オンラインBTOではHDDを2台までしか選択できないが、3台以上の搭載も窓口対応でオーダー可能だ。最大で400Gバイト×2台のRAIDキットも用意されており、ちょっとしたサーバー用途にも十分対応できる。

 ケースに関しては堅牢さも評価したい。メンテナンス時には両側面のパネルだけが外せる構造だが、両側面のパネルを外してもまったく強度は落ちない。つまり側面パネルを強度確保に利用せず、フレームでしっかりと強度を保っているのだ。もちろん、その分重量はあるが、逆にHDDや光学ドライブが共振して、不快な振動や動作音が発生することがない。メンテナンスの面では、ドライブ類の固定が一般的なネジ止めになっており、Pro4000のような贅を尽くしたケースとは言えないものの、製品の位置付けをそのまま反映したような基本がしっかりしたケースである。

本体正面(写真=左)/左側面(写真=中央)/背面(写真=右)

 なお、MT7700からの変更点は、カラーリングが同社のイメージカラーであるホワイトベースにライトグレーを組合わせた明るいツートンカラーになり、オフィスなどで机上に置いても、より違和感のないイメージになった。

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