Vista Home Premium×Core 2 Duo T7200で15万円台のワイドノートPC――Gateway「MT6827j」米国牛ノートの逆襲(1/3 ページ)

» 2007年03月07日 11時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

コストパフォーマンスに優れたVista Home Premium搭載ノート

Gateway MT6827j

 2004年12月の日本再上陸以来、コストパフォーマンスの高さに定評があるPCを投入し続けてきたGateway。その姿勢は2007年1月末に発売されたWindows Vista搭載モデルでも変わらない。

 今回紹介するGateway「MT6827j」は、TVチューナーや豊富なアプリケーションなどの付加機能を省くことでコストを抑えながらも、基本性能に注力したスタンダードな構成のノートPCだ。OSはVista Home Premiumをプリインストールしている。低価格だからといってWindows AeroやWindows Media Centerが利用できないVista Home Basic搭載PCには物足りなさを感じるというユーザーに強くアピールするだろう。

 Vista Home Premiumを採用するとあって、基本スペックは充実している。CPUは4MバイトL2キャッシュのCore 2 Duo T7200(2.0GHz)、メインメモリは1GバイトのPC2-4200 DDR2 SDRAM、HDDは160Gバイト(5400rpm)のSerial ATA HDDを装備。液晶ディスプレイは、1280×800ドット(WXGA)表示に対応した光沢仕様の15.4インチワイド液晶パネルを使用している。

 グラフィックス機能はチップセット内蔵型ではなく、Intel 945PM ExpressチップセットとグラフィックスチップのATI Mobility Radeon X1400(128Mバイトメモリ搭載/最大384MバイトHyperMemory)を組み合わせたシステム構成だ。チップセット内蔵のグラフィックス機能を上回る3D描画性能を確保しており、Windows Aeroが軽快に動作するのはもちろん、高度な3Dグラフィックス性能を求めるものでなければ、ゲームのプレイも可能だ(現状ではゲーム側がVistaに対応していない場合も少なくないが)。また、ATI独自の画質向上技術Avivoにも対応しているため、DVD-Videoなどの動画コンテンツを通常より高品位に再生できる。

Windowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアは3.8だが、CPUやメモリ、HDDは4.5〜4.9と高い

 Windowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアは3.8とまずまずだ。モバイル用グラフィックスチップのため、グラフィックス関連の項目こそ3点台になっているが、CPUは4.9、メモリは4.5、HDDは4.7と高いレベルにまとまっている。PCMark05などのベンチマークテストの結果については、本記事の最後を参照してほしい。

 このようにMT6827jは、国内メーカーのノートPCではメインストリームからハイエンドに属する機種に相当する基本スペックを持ちながら、エントリーモデル並に値頃感の強い価格が設定されていることに注目したい。MT6827jは、ビックカメラ、ジョーシン、ソフマップ、九十九電機、ヨドバシカメラといった家電量販店で販売されているが、ポイントなしの場合、15万5000円前後で購入できる店もあるのだ(2007年3月7日現在)。予算の関係から、Vista搭載PCの導入を諦めていた人にとっては、新マシンの購入ががぜん現実味を帯びてくるに違いない。

 なお、GatewayはMT6827jを含めてノートPCのラインアップを5モデル用意している。Core 2 Duo T7200(2.0GHz)と160GバイトHDD、17インチワイドWSXGA+液晶を搭載したフラッグシップモデル「MX8707j」、Core 2 Duo T5500(1.66GHz)と120GバイトHDD、15.4インチワイドWXGA液晶を搭載したMT6827jの下位モデル「MT6826j」、Celeron M 520(1.6GHz)と120GバイトHDD、15.4インチワイドWXGA液晶搭載の「MT6221j」、Celeron M 430(1.73GHz)と80GバイトバイトHDD、14.1インチワイドWXGA液晶搭載の「MT3105j」といった陣容だ。MX8707jとMT6826jはメモリ容量が1GバイトでOSはVista Home Premium、MT6221jとMT3105jはメモリ容量が512MバイトでOSはVista Home Basicとなっている。

シンプルかつ質感が高いデザイン

天板は細かな凹凸があるマットな質感で手触りがよい。メーカーロゴのレリーフが印象的だ

 価格とスペックの絶妙なバランスが目を引くが、MT6827jのもう1つの魅力はボディデザインにあるように思う。低価格のPCにありがちな不満点は、見た目があからさまに安っぽい、またはデザインがあか抜けないことではないだろうか。デザインの好みは個人の主観に大きく依存する要素ではあるが、MT6827jはシンプルな中にもデザインへのこだわりが感じられる。

 MT6827jの外装は細かな地模様が入ったダークグレーの天板の中央にメーカー名とロゴをかたどったシルバーのレリーフがある以外は、これといった装飾が施されていない。側面もあっさりとしたデザインで、両サイド中央から後方にかけて切り返しが入っていて、手前がダークグレイ、後方がブラックのツートーンになっている。ボディの四隅は適度な丸みを帯びてはいるが、部位によって厚みや幅が異なることはない。落ち着いたシンプルなデザインだ。

 液晶ディスプレイを開いても、ダークグレイの液晶ベゼルにブラックのキーボードとタッチパッドという組み合わせにより、落ち着いた雰囲気は変わらない。ただ、パームレスト部にはヘアライン加工が施されたガンメタリックの金属素材が貼り込まれているほか、電源ボタンの周囲と各種インジケータに青色LEDをあしらい、マウスボタンと本体の左右に光沢ブラックのパーツを配することで、高級感を演出しているのが心憎い。合成樹脂製の天板を指で押すとたわむのがやや気になるものの、この価格帯のPCとしてはなかなか高級感があるデザインと言えるのではないだろうか。

 本体サイズは358(幅)×264(奥行き)×36(高さ)ミリ、重量は約2.9キロで、液晶パネルのサイズ相応の大きさにまとまっている。インタフェースは左側面にDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブとS-Video出力、右側面にTypeIIのPCカードスロット、4in1(SDメモリーカード/メモリースティック/メモリースティックPRO/マルチメディアカード対応)のメモリカードスロット、4ピンのIEEE1394、4つのUSB 2.0ポート、イーサネット、FAXモデムが並ぶ。前面にはヘッドフォン出力とマイク入力、ステレオスピーカー、背面にはアナログRGB出力とバッテリーが配置されている。搭載するワイヤレス通信機能は、IEEE802.11a/g/b準拠の無線LANとBluetooth 1.2の2種類だ。

左から、前面、背面、左側面、右側面。ほとんどのインタフェースは右側面に集中している。PCカードスロットのカバーはシャッター式だ

 右側面にUSB 2.0とIEEE1394がすべて集中しているうえ、イーサネットとFAXモデムの両脇をもっとも使用頻度の高いUSBポートが2つずつ挟み込むレイアウトになっているため、有線LANやモデムの接続時は、特に本体奥のUSBポートが使いにくい。インタフェースが片面に集まっているのは見た目にキレイだが、内部設計に厳しい制限があるモバイルノートPCではないだけに、左側面や背面に端子を分散させるなどして使い勝手を高めてほしかったところだ。

 なお、左側面の排気口から発生する排気音は低音域で不快には感じないが、Webブラウズなど比較的低負荷な作業中でも断続的に停止と回転を繰り返すのでそれなりに耳につく。また、動画のエンコード時など高負荷時にはかなり風切り音が大きくなる。

ACアダプターはやや大ぶり、バッテリーはリチウムイオンで容量11.1ボルト 4800mAh(写真=左)。ネジを回して底面のカバーを外すと、メモリスロットやHDDにアクセスできる。CPUやチップセットの熱はヒートパイプで冷却ファンに運ばれ、左側面の排気口から排出される(写真=中央)。HDDは9.5ミリ厚のSerial ATAタイプを搭載する(写真=右)

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月16日 更新
  1. 「JBL Tune 310C USB」レビュー USB Type-C接続×ハイレゾ対応でAndroidスマホやiPhone 15シリーズにもお勧め! (2024年04月15日)
  2. Amazonのタイムセールが「スマイル SALE」に変更 4月19日からゴールデンウィークセール開催 (2024年04月13日)
  3. アキバでは散りはじめた桜 それでも桜デザインが注目を集める理由 (2024年04月15日)
  4. Googleが生成AI向け独自CPU「Google Axion」プロセッサを発表/Intel N100を採用した超小型コンピューティングモジュール「LattePanda Mu」 (2024年04月14日)
  5. Synology「BeeStation」はNASより便利な一面も 家族の“秘密”も守れるストレージ、共有リンクや写真管理もある (2024年04月16日)
  6. これを待ってた! ロープロ版GeForce RTX 4060搭載カードがASUSから登場! (2024年04月13日)
  7. 玄人志向、M.2 NVMe SSDを2枚装着可能なUSB外付けスタンド クローン作成も可能 (2024年04月15日)
  8. 自宅の「スマートロック」にありがちな誤解 家から締め出されないために心掛けている実践的な5つのこと (2024年04月12日)
  9. 8コア16スレッドのRyzen 9 7940HS×Radeon 780M搭載! 片手で握れるミニデスクトップPC「GEEKOM A7」の“強さ”をチェック! (2024年04月10日)
  10. 「SwitchBot ハブ2」と「ハブミニ(Matter対応)」のMatter機能がアップデート 多くの同社製デバイスがホームアプリで操作可能に (2024年04月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー