残念ながらというか案の定というか。1月30日の正式出荷開始を待たずして、RC版を使った海賊版がすでに中国の市場に出現していた。ご存じのように、Windows Vistaには4つのEditionが用意されているが、海賊版パッケージには「Windows Vista Enterprise 2007」「Windows Vista Professional 2007」といった謎のエディションが存在する。今回は、この「いかにも怪しい」海賊版のWindows Vistaをもうすこし詳しく紹介してみたい。
筆者が滞在している街の電脳街で確認したところ、なんとWindows Vistaのパッケージとして9種類(!)のEditionが存在していた。
これらをよく見てみると「Windows大家族2007」を除いてすべてのパッケージが統一したデザインになっている。「Windows大家族」以外は「世紀之星数碼科技有限公司出品」というメーカーらしき名称も書いてある。この文言をそのまま信用するとすれば、「世紀之星数碼科技有限公司」は、Microsoftすら準備していない未知のEdition「ばかり」全8種類のパッケージを堂々とリリースしていることになる。
面白いのは、通常の海賊版ソフトではあまたある個人企業がそれぞれ独自に生み出したパッケージを店頭に並べているのだが、筆者が情報を収集した街において、Windows Vistaの海賊版だけは限定されていて、店頭に並んでいるパッケージはみな統一された同じテイストのデザインにそろえられていたのである。
その海賊版の正体はいかに。9つものEditionを1枚1枚チェックしていくのかと思うと、やるほうも読むほうも憂鬱になってくるかもしれない。しかし、後述する「思わぬ理由」から実はサクッと終わってしまうのである。ということで、まず1枚めの「Windows Vista Ultimate 2007」のメディアを試験用のPCに挿入して見るとこのような画面が表示される。
この画面から察するに、Windows Vista “Ultimate”ではなく、Windows Vista “MSDN配布版”のインストールができるようだ。さらにWindows Vistaだけでなく、過去に登場したWindowsのバージョンが選択してインストールができるようにも思える。
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