AMDとIntelのCPUに価格改定が入ることは、3月から噂されていた。おおよその予想どおり、AMDは9日、Intelは22日入荷分から、大幅なプライスダウンが敢行された。
Athlon 64 X2は最上位の「6000+」が約2万円下がり、3万円前後で買えるようになった。最下位の「3600+」は1万円を切る魅力的な値段に。3月には、高性能なオンボードグラフィックスを搭載しつつ、1万円前後の低価格を実現している「AMD 690」搭載マザーが登場しており、AMD系で自作する敷居がグッと低くなったといえる。
21日のアキバイベントに登場した“兄貴”こと、日本AMD 土居憲太郎氏も「割安で高性能なPCが組めるだけでなく、色々と遊べるのが重要です。予算がかけられない人にも、自作の楽しさを感じてもらえたら」と話す。
一方のIntelは、AMDから2週間遅れての価格改定を実施。売れ筋のCore 2 Duo E6600が、約1万円下がって3万円弱になるなど、こちらも大幅なプライスダウンが見られた。また、改定と同じタイミングで、2次キャッシュを4Mバイト搭載した「Exx20」シリーズも投入されている。
今回の価格改定で特異な点は、改訂直前にCore 2 Duoを売り切ったショップが多かったことだろう。CPUは1個売ってもショップにとって数100円の利益にしかならないため、CPUを不用意に残していると、簡単に赤字になるのだ。このため、ショップは価格改定前に極力在庫を減らす努力をする。今回は街に噂が流れる前から在庫調整していたショップが多かったようだ。「お客様には申し訳ないのですが、価格改定はショップにとって一大事。利益を確保するためには、一旦在庫をゼロにするのが理想的です」(某ショップ)とのこと。
なお、一部のショップが価格改定前の20日から低価格でCore 2 Duoの予約販売を始める手法をとり、在庫を残したショップの反感を買う場面もみられた。
在庫を残したあるショップは「ちょっとヒドいですよね。自社の利益は重要ですが、電気街全体のメリットを考えて欲しい」と訴える。予約販売を敢行したショップは「たしかに不満の声も出てくるでしょう。ただ、利益率の低いCPUを効率的に売るのは、色々なアイデアを実践していかないとなりません」と語っていた。
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