毛色の違う2つの19インチ液晶を見比べる――デル「SP1908FP」「SE198WFP」光沢スクエアか非光沢ワイドか(1/3 ページ)

» 2007年05月22日 16時30分 公開
[前橋豪,ITmedia]

デルの最新19インチ液晶ディスプレイ2モデルを試す

 PC用液晶ディスプレイ市場において、いま最も注目を集めているのは高解像度に対応した20インチ超の大画面モデルだが、実際に数多く売れているのは19インチや17インチのモデルだ。19インチや17インチのモデルは、価格、設置性、画面サイズのバランスが取れているため、ビジネスユースはもちろん、パーソナルユースでも主流となっている。

 この夏に液晶ディスプレイを購入するなら、最初に検討すべきは高解像度の大画面モデルと言えるが、すでに使用中のディスプレイと組み合わせてマルチディスプレイ環境で使いたい、導入コストを少しでも抑えたい、机上を広く使いたいといった場合には、19インチや17インチのモデルを選ぶのも手だ。今回は5月14日にデルから発表されたばかりの19インチスクエアモデル「SP1908FP」と19インチワイドモデル「SE198WFP」を入手できたので、2台まとめてチェックしてみた。

左から、19インチスクエアのSP1908FP、19インチワイドのSE198FP

 SP1908FPは、1280×1024ドット(SXGA)表示の19インチスクエア液晶ディスプレイ。意外に思えるかもしれないが、デルの液晶ディスプレイとしては初の光沢パネル搭載機だ。同社は、ノートPCに採用している光沢パネルに「TrueLife」というブランド名を付けており、SP1908FPも「TrueLife」採用製品とされている。価格は3万3000円で、TrueLifeによるプレミアムが加えられるものの、19インチスクエアモデルとしては安価なほうだ。

 一方のSE198WFPは、最近製品数が増えて人気も出てきた1440×900ドット(WXGA+)表示の19インチワイド液晶ディスプレイ。こちらは、エントリークラスのSEシリーズで初めてワイドパネルを採用した製品となっている。液晶パネルは非光沢仕様だ。価格は2万7000円で、数ある19インチワイドモデルの中でもプライスパフォーマンスは高い。

 これら2モデルの主なスペックは下表の通りだ。

SP1908FPとSE198WFPの主なスペック
SP1908FP SE198WFP
液晶パネル 19インチスクエア(TN) 19インチワイド(TN)
液晶タイプ TrueLife(光沢) 非光沢
表示領域(水平×垂直) 380×300ミリ 408×225ミリ
ドットピッチ 0.294×0.294ミリ 0.285×0.285ミリ
解像度 1280×1024ドット 1440×900ドット
輝度 300カンデラ/平方メートル 300カンデラ/平方メートル
コントラスト比 800:1 1000:1
視野角 上下160度/左右160度 上下160度/左右160度
応答速度 5ms 5ms
PC入力 DVI-D 24ピン(HDCP対応)×1、D-Sub 15ピン(ミニ)×1 DVI-D 24ピン(HDCP対応)×1、D-Sub 15ピン(ミニ)×1
USB 2.0ハブ ダウンストリーム×4
スピーカー オプション オプション
外形寸法(幅×奥行き×高さ) 410.1×145.7×420.5ミリ 446.72×147.65×366.21ミリ
重量 約5.4キロ(スタンド含む) 約5.8キロ(スタンド含む)
昇降調整
チルト調整 上21度、下4度 上21度、下4度
スイベル調整
フリーマウント(VESA規格) 100×100ミリ 100×100ミリ
保証期間 3年間 3年間
発売日 2007年5月15日 2007年6月中旬
価格 3万3000円 2万7000円

 液晶パネルのサイズと解像度、表面が光沢か非光沢かという違いはあるが、基本スペックは似通っている。いずれも輝度は300カンデラ/平方メートル、視野角は上下160度/左右160度、応答速度は5msで、コントラスト比はSP1908FPが800:1、SE198WFPが1000:1といった仕様だ。映像入力はDVI-D(HDCP対応)とD-Subの2系統を備えており、SP1908FPのみUSB 2.0のハブ機能も持つ。2万円台から3万円台前半で購入できる液晶ディスプレイとしては、不満のない仕様と言えるだろう。ちなみに2モデルともCertified for Windows Vistaロゴを取得している。

シンプルなスタンドを採用した剛性感の高いボディ

 それでは、実際に製品を確認していこう。まずは設置性だ。ボディの基本設計は共通化されており、いずれも上21度、下4度のチルト調整に対応する。左右のスイベル調整は行えないが、重量が軽いため、左右の角度合わせも苦にならないだろう。高さ調整、縦画面表示の機能はないものの、背面にはVESA規格準拠のネジ穴(100×100ミリ)が用意されており、ボタン1つでスタンドを取り外せるので、別途フレキシブルアームを取り付けての運用も容易だ。

SP1908FPの側面(写真=左、中央)と背面(写真=右)。USB 2.0ポートは、液晶パネル部の左側面と背面に2つずつ用意されている。背面をシルバーとブラックで塗り分けた凝ったデザインだ。アーム部分にはケーブルを通す穴が用意されている

SE198WFPの側面(写真=左、中央)と背面(写真=右)。こちらはUSB 2.0ポートを備えていない。SP1908FPと同様、アーム部分にはケーブルを通す穴が用意されている

 実際に標準的な事務机に置いてみたところ、どちらも奥行きが15センチ以下と短いため、壁面に寄せてすっきりと設置でき、机上のスペースを広く使えた。19インチワイド液晶パネルを搭載したSE198WFPは横幅が446.72ミリと長めになるが、それでも20インチ以上のワイドモデルを置いたときのような圧迫感はない。限られたスペースでデュアルディスプレイ環境を構築しつつ、机上に書類やほかの備品も置きたい、といったニーズにも十分対応できそうだ。

 カラーはどちらもシルバーとブラックのツートーンカラーを採用するが、SP1908FPのほうがシルバーの面積が多く、2台並べると上位クラスの製品らしい高級感がある。また、写真では伝わりにくいが、ボディはどちらも剛性感があり、スタンドのがたつきやチルト機構の不安定さなどはない。カッチリと頑丈に作られたボディは、デルの液晶ディスプレイ全般に言える魅力の1つだ。

SP1908FPの液晶パネル部背面(写真=左)と、SE198WFPの液晶パネル部背面(写真=右)。いずれもHDCP対応DVI-DとD-Subの映像入力、電源のコネクタを備えているほか、オプションのスピーカーを装着することが可能だ。SP1908FPのみUSB 2.0ハブ機能を持つ

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