SideShow対応ノートPC「W5Fe」の魅力を語る――ASUS×マイクロソフト特別対談(1/2 ページ)

Windows Vistaの最新機能であるSideShowに対応したノートPC「W5Fe」が日本で発売された。SideShow対応ノートPCの製品化は、世界初となる(2007年3月9日現在、ASUS調べ)。SideShowという2つめのディスプレイを手に入れたノートPCは、いままでと何が変わるのだろうか? マイクロソフトのWindows本部 コンシューマWindows製品部 シニアプロダクトマネージャである森洋孝氏と、W5Feを発売したASUSTeK Computerのアジア太平洋地区ゼネラルマネージャーであるベンソン・リン(Benson Lin)氏に話を聞いた。

» 2007年06月11日 10時00分 公開
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ASUSとマイクロソフトの思いが形になったW5Fe

ITmedia SideShow対応ノートPCであるASUSTeK Computer(以下、ASUS)の「W5Fe」が、いよいよ日本でも登場しましたが、ご覧になっていかがですか?

マイクロソフト Windows本部 コンシューマWindows製品部 シニアプロダクトマネージャ 森洋孝氏

 SideShowはWindows Vistaに搭載されたまったく新しい技術で、まだ生まれたばかりです。この度、エンドユーザーの手に触れるSideShow搭載ノートPCをはじめて製品化していただいたASUS様には、大変感謝しております。

 W5Feに搭載されたSideShowのハードウェア部分は、NVIDIAのPrefaceプラットフォームを採用していますが、このハードウェアの作りも非常によくできています。たとえば、ノートPCの液晶ディスプレイを開けたり閉じたりする動作に合わせて、画面の表示が180度回転したり、バッテリーを共有して使っているので、電源オフの状態でもSideShowの機能が使えるのはいいですね。ハードウェアとしてのクオリティも高いので、ユーザーはまったく新しいノートPCの使い方ができると思います。

ITmedia SideShow搭載ノートPCをいち早く製品化した理由は?

ベンソン Windows VistaにはSideShowの技術が新たに搭載されると知り、いち早くその先進的な技術を生かせるノートPCを投入すべく、製品の開発に着手しました。ASUSはこれまでマイクロソフトと非常に良好な関係にあり、ソフトウェアの検証やハードウェアの開発などで互いに協力してきたため、今回も他社に先駆けてチャレンジしたわけです。

 1つの例を挙げると、ASUSはノートPCだけではなくマザーボードも展開しています。マザーボードは世界市場で1位のシェアを確保しており、2006年に出荷したマザーボードは全世界で5500万枚にものぼりました。それだけの規模でPCハードウェアの生産を行い、ロードマップを実現しつつ、ユーザーに満足していただける製品を届けるには、Windowsを提供するマイクロソフトとの関係性が非常に重要です。

ASUSTeK Computer アジア太平洋地区 ゼネラルマネージャー ベンソン・リン(Benson Lin)氏

 こうしてできあがったW5Feは、世界で初めてのSideShow搭載ノートPCとして多くのユーザーに満足していただけると思います。日本で最も高い山と言えば富士山ですが、2番目に高い山の名前を言える人は多くないでしょう。1番目ということは、プロモーションで非常に重要だと考えています。

 SideShowも含めて、Windows VistaではOSの新しい機能であったり、ハードウェアやソフトウェアのソリューション的な技術も提供しています。ハードウェアのソリューションとしてSideShowやハイブリッドHDDがある一方で、ハードウェアのスペックに頼らずに、ほかのテクノロジーで使い勝手を高める技術も数多くあります。

 マイクロソフトとしては、これら新しい技術の集まりがユーザーの手に渡ることで、いままでにない便利なPCの使い方を実現できるに違いないという信念を持って、Windows Vistaを開発してきました。SideShowに限らず全部そうなんですが、“より便利に、より簡単にPCを使ってほしい”ということ、それがすべての開発の発端ですね。

 とは言うものの、こうした考えもハードウェアとして製品を出されるパートナー企業がいなければ、実際の製品になりません。SideShowに関しては、国内のPCメーカーとも継続して話をしているところですが、各社の戦略などもあり、すぐに採用というわけにはいきません。W5Feは現時点でSideShowの機能を使える唯一のノートPCになりますし、世界初のSideShow対応ノートPCということで、マイクロソフトとしてはもちろん、個人的にもすばらしい製品だと思います。

天板にSideShow対応のサブディスプレイを搭載したW5Fe(写真=左)。メインディスプレイは、1280×768ドット表示の12.1インチワイド液晶だ(写真=右)

SideShowでノートPCはより便利に進化する

ITmedia SideShowを使うメリットは何でしょうか?

ベンソン 液晶ディスプレイを閉じたままSideShowで音楽を聴いたり、写真を見たりできるのは、これまでなかった新しい体験です。W5FeのSideShowデバイスには、1GバイトのNAND型フラッシュメモリが搭載されていて、PC本体のHDDから音楽や写真のデータを転送することで、独立したメディアプレーヤー代わりに使えます。

 ノートPCのバッテリー残量を手軽に確認できるのも便利でしょう。また、息抜きにソリティアのゲームも付いていますし、電車の中など狭い場所でも手軽にメールチェックができる機能も持っています。

 SideShowは新しい技術なので、専用ソフトウェアのSideShowガジェットはまだ数が少ない状態です。しかし、開発環境が提供されているので、可能性は無限に広がります。今後は、ユーザーのさまざまなライフスタイルに合わせたSideShowガジェットが登場してくると考えています。

W5FeのSideShow機能は、音楽再生(写真=左)や写真のスライドショー再生(写真=右)に対応する

 やはり、これまでWindowsで利用してきた機能をより簡単かつ便利に使えるようになるのが、SideShowのメリットですね。SideShowは非常に注目度の高い技術ですが、現状でユーザーが手に入れられるハードウェア製品は、ノートPCのW5Feとマザーボードの「P5B Premium Vista Edition」しかなく、どちらもASUS様の製品です。そういった意味でも現時点でのユーザーメリットは大きいと思います。

 ただ、SideShowの使い勝手は実物を見ないとイメージしにくいかもしれません。ぜひ1度店頭でW5Feに触れて、その便利さを体験してほしいですね。

個人でも開発できるSideShowガジェット

ITmedia SideShowガジェットは個人でも開発できるそうですが、現在どのような開発環境が提供されていますか?

 SideShowガジェットは大きく分けて、2種類の作り方があります。1つめはアプリケーションとして制作するもので、具体的にはC++などでDLLを書くことになります。必須となる環境のWindows SDKは無償でダウンロードできるので、プログラムの知識があるユーザーならば、個人でもSideShowガジェットを開発できるでしょう。プログラムといっても、基本的にはテンプレートがあり、ユーザーはそのテンプレートの中身を変えることで開発が可能なので、それほど高度なものではないと思います。これが、SideShowガジェットで主流となる開発環境です。

 2つめとしては、Windowsサイドバーのガジェットにリンクを張るというSideShowガジェットの作り方があります。サイドバーのガジェットをSideShowデバイスに表示させるというものです。このタイプのSideShowガジェットであれば、サイドバーのガジェットと同様、JavaScriptなどで開発できます。スクリプト言語で開発できるため、こちらのほうが比較的容易ですが、サイドバーのガジェットが動作している状態でないとリンクしたSideShowガジェットが使えないなどの制限もあります。

 このようにして開発されたSideShowガジェットは、弊社のギャラリーサイト「Windows Live Gallery(Beta)」で公開中です。ここでは、SideShowガジェットのほか、サイドバーガジェットとWindows Liveガジェットもダウンロードできます。現状ではまだまだ数が少ないですが、このような開発環境とダウンロードサイトを用意しているので、将来的には多種多彩なSideShowガジェットの登場が期待できるでしょう。

ベンソン Windows Vistaのコントロールパネルには、SideShowガジェットを制御する設定メニューも用意されています。今後、新しいガジェットを次々に追加しても、SideShowデバイスに表示する機能を取捨選択できるので、手軽に使えるでしょう。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年6月25日