MSIは、Intel P35 Express搭載マザーを始めとした新製品を紹介するイベント「MSI P35夏祭り」を、秋葉原UDXのAKIBA_SQUAREで開催した。2007年1月のキックオフイベントを「めいどinじゃぱん」で行うなど、会場の振り幅がなにかと大きいMSIだが、「AKIBA_SQUAREで開催できたのは協賛企業のおかげです。こんな大きな会場は単独では無理っす」(MSIスタッフ)とのことで、今回は同社としても大規模なイベントとなっているようだ。
会場にはIntel 3チップセットを搭載したマザーボードや、まもなくの登場が噂されているRADEON HD 2600シリーズ搭載カード、6月末にようやく出回り始めたSanta Rosa対応ベアボーン「MS-1637」などが並べられていた。
その中でも、最も注目を集めていたのは、通常よりも3倍程度の面積を持つ巨大なグラフィックスカード「RX2600 Geminium」だ。RADEON HD 2600を2基搭載するうえ、CrossFire用コネクタも備えるなど、マニアックな作りになっている。COMPUTEX TAIPEI 2007でも話題をさらった製品で、ごく少数ながら国内に流通する可能性が高いという。時期は未定だが、1枚10万円以上の高嶺の花になるとのことだ。
そのほかの未発売の製品は、おおよその出荷時期が決まっている様子だった。通常のRADEON HD 2600 XT/PROを搭載したグラフィックスカードは7月中旬、Socket P搭載のSanta Rosa対応マザーは8月中に登場する可能性が高い。また、Intel 3チップセット最上位のIntel X38 Express搭載マザーは秋ごろになるようだ。
メインステージでは、“神様”ことインテルの天野氏によるプレゼンテーションが行われ、クアッドコアCPUとSanta Rosa対応マザーについて現状と特徴を語った。このイベントのサブタイトルが「Ready for PC2008」とあって、来年の動向を見据えた内容を盛り込んでおり、駆けつけたユーザーが熱心に耳を傾けていた。
天野氏によると、2008年には製造プロセス45ナノメートルの新CPUが登場するという。L2キャッシュは6Mバイトになる見込みで、エントリーからメインストリームまでラインアップをそろえる予定だ。早ければ2007年末に登場する可能性もあるとのことだが、「クアッドコアも含め、2007年は求めやすい価格のモデルを充実していきます」(天野氏)。
その後に行われたトークセッションでは、天野氏とMSIの石岡氏に加え、マイクロソフトの森洋孝氏が登場。石岡氏が提示する「P35と私」「クアッドコア」「Vista」などのテーマに沿って、それぞれの立場で展望を語った。
その中で、Vistaがいまひとつ普及しきれていない現状に話題が及び、森氏は「(Vistaは)最低でも5年は使われることを想定して設計しています。これから、“Vista対応”ではなく、“Vistaネイティブ”のソフトや機能が登場して盛り上がってくると思います。1〜2年後には、いいOSだと評価されているはずです」と話した。
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