生まれ変わったデルのスタンダードノートPCに迫る――「Inspiron 1520」ダイレクトPC最前線(1/2 ページ)

» 2007年07月05日 11時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

銀+黒+αが選択可能になったボディカラー

 デルのInspiron 1520は、国内で売れ筋となっている15.4インチワイド液晶ディスプレイ搭載のメインストリームに位置づけられるノートPCだ。6月27日に行われた同社の個人向けPCラインアップ刷新にあわせて登場した新モデルで、“Santa Rosa”の採用やボディデザインの一新など見どころの多い製品に仕上がっている。すでに発売が開始されており、お得なキャンペーンも展開中だ。

 詳細はこちらの記事に譲るが、型番こそ“1520”と従来のエントリーモデルInspiron 1501を想起させるものの、実際はメインストリームのInspiron 6400を継承する。ボディサイズは358.7(幅)×269(奥行き)×37.3〜45(厚さ)ミリと、Inspiron 6400の356(幅)×265.5(奥行き)×36(厚さ)に比べて一回り大きくなっているが、重量は約2.88キロ(Inspiron 6400は2.8キロ)とそれほど変わらない。

 外観は銀と黒のツートーンカラーを引き継ぐものの、キーボードが黒から銀に変更され、パームレストの縁を彩っていた白が省かれたことで、液晶ディスプレイを開いた状態は銀一色とすっきりした印象になった。また、液晶天板部分を8色から選択できるようになり、従来機に比べカラフルに仕上げることも可能だ。ボディの素材にマグネシウム合金を採用することで、見ための安っぽさが一掃されたのもポイントと言えるだろう。

15.4インチ液晶ディスプレイを搭載したInspiron 1520(写真=左)。天板のカラーを8色から選択できるようになった(写真=右)

多彩な解像度を選べるも光沢タイプは映り込みが目立つ

評価機は1680×1050ドット表示の液晶ディスプレイを搭載していた。液晶の明るさは8段階に調整可能だ

 液晶ディスプレイは15.4インチとInspiron 6400/同1501と同じだが、画面解像度は1680×1050ドット/1440×900ドット/1280×800ドット(いずれも光沢タイプ)に加え、1280×800ドット(非光沢タイプ)から選べるようになった。これはInspironシリーズの中で最多の選択肢であり、3つの解像度から決められるのは好ましい。ただ、1680×1050ドット表示の評価機は輝度がそれほど高くなく、左右の視野角もやや狭かった。光沢液晶ゆえ画面への映り込みも避けられず、黒い壁紙を表示させると蛍光灯などの映り込みが目立った。このあたりが気になるならば非光沢タイプを選択したいところだが、そうすると解像度は1280×800ドットのみとなるのがもどかしい。

 細かいところでは、本機から液晶ディスプレイ上部に200万画素のWebカメラを内蔵できるようになった。気軽にビデオチャットを楽しめるのは魅力だが、そのスペースを確保するために上部の額縁部分が広めになり、少々アンバランスなデザインになる。また、黒と白以外の天板カラーを選択するとWebカメラが必ず内蔵される点も覚えておきたい(差額は0円だが)。

キー配列が一新された日本語キーボードを採用する

 一方、キーボードにも手が加えられている。まず前述したように色が黒から銀になり、配列も改められた。具体的には、以前の7段配列から6段配列になり、それにともなってEnterキーの右側にHomeやPageUp/PageDownキーが位置し、コンテキストメニューキーがカーソルキーの左隣に配置されるようになった。Enterキーの右横に並ぶキーは一見するとミスタッチを誘いそうだが、キーの間が4ミリ空いているので慣れてしまえばミスタイプの回数は減らせそうだ。カーソルキーも従来機のように一段下に並べて欲しかったところだが、本機ではキーを強く押下してもユニットがしなることもなく、がっしりとしたつくりになっている。なお、新キーボードのキーピッチは19ミリで、キーストロークは約2.7〜3ミリだ(正式な値は現時点で未公表)。

 タッチパッドはシンプルな2ボタンタイプだが、多機能なSynaptics製ドライバが導入ずみなので機能面で不足は感じない。ただ、左右のクリックボタンはストロークがやや深めで慣れるまで違和感を覚えた。なお、旧Inspironシリーズと同じように本体前面部分にメディア操作ボタンがあり、メディアファイルの再生/停止/早送り/巻き戻し/音量調節がワンタッチで行える。

液晶ディスプレイ上部に200万画素のWebカメラを内蔵可能(天板が黒と白以外は標準内蔵)だ(写真=左)。標準装備のWebcam Centerの画面(写真=中央)。ExpressCardスロットに収納できるリモートコントローラ(Consumer IR)は標準で付属する(写真=右)。USBマウスはBTOオプションだ

タッチパッドのドライバ画面。USBマウスを接続したときにタッチパッドを無効にする設定も可能だ(写真=中央)

インタフェースは従来機を継承

 光学ドライブが左側面から右側面に移動した点を除けば、インタフェースの構成に変更はなく、Inspiron 6400と共通だ。前面中央に赤外線、メディア操作ボタン、ステレオスピーカが、背面はバッテリーと2基のUSB 2.0、S-Video出力、FAXモデム、DC入力、左側面にはExpressCard 54/34スロットにサウンド端子、排気口、無線LANの電源スイッチ、右側面は光学ドライブ、8in1のメモリカードスロット、4ピンのIEEE1394、アナログRGB出力、100BASE-TX/10BASE-T対応の有線LAN、2基のUSB 2.0が並ぶ。

 実際に使ってみたところ、有線LANを接続したり、アナログRGB経由でデュアルディスプレイを利用している場合は、ケーブルがじゃまをして右側面奥にあるUSB端子が使いにくく、メモリカードスロットも底面側にあるのでアクセスしづらかった。

 本機からの改良点としては、電源やHDDのアクセスランプ、無線LANやBluetoothのランプがキーボード右脇に設けられ、液晶ディスプレイを閉じた状態でも右側面から動作状況を確認できるようになった。

Inspiron 1520のインタフェース。評価機は9セルの大容量バッテリーを装着しており、背面にバッテリーが20ミリほど出っ張る

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