ビル・ゲイツ氏とともにマイクロソフトの創業者の1人として知られるポール・アレン氏は、2002年にFlipStart Labsという会社を設立。2007年3月に同社最初の製品となるモバイルPC「FlipStart」を発売した。このFlipStartは、ポール・アレン氏の要望に応じて開発された製品という。
FlipStartはFlipStart Labsのサイトで購入できるが、当然ながら販売されているのは英語版のWindows(XP/Vista Business)をプリインストールしたモデルに限られる。国内ではブルレー(Brule)が、Windows XP Professional英語版と日本語MUIを導入した日本語対応版を7月下旬より発売する予定だ(Windows Vistaモデルも発売予定)。今回は、ブルレーによるWindows XP Professionalモデル(英語版OS+日本語MUI)の試作機を入手したので、写真とともに製品を紹介しよう。
基本スペックは、CPUが超低電圧版Pentium M 733(1.1GHz/Dothanコア)、メインメモリが512Mバイト、HDDが30Gバイト(1.8インチUltra ATA)、グラフィックスがIntel GMA 900(チップセット内蔵)だ。インテルの最新UMPC(Ultra-Mobile PC)向けプラットフォーム「Intel Ultra Mobile Platform 2007」ではなく、既存のモバイルノートPC向けプラットフォームを採用している。
ボディは両手で握って親指で操作することを前提に設計されており、キーボードの上部にポインティングデバイスを配置している。右手の親指でポインタを操作し、左手の親指で左右のクリックボタンを押すというのが、基本的な操作方法だ。スティックとタッチパッドの2種類のポインティングデバイスを用意しており、状況に応じて使い分けられる点は、このサイズのPCでは珍しい。
キーボードはスタンダードなQWERTY配列を採用。日本語配列のキーボードは用意されないが、左右に1つずつ「Shift」「Ctrl」「Fn」のキーを設けていたり、ズーム表示やウィンドウ切り替えのショートカットボタンを追加するなどして、操作性を高めている。各キーはプチプチとしたクリック感があり、キーの間隔も広めにとってあるので、親指で連続して押しやすい。
本体のサイズは150(幅)×114(奥行き)×41(高さ)ミリ、重量は約794グラムで、バッテリー駆動時間は約6時間だ。バッテリーは本体底面に装着する形状のいわゆる座布団型で、オプションのスリムバッテリー(ブルレー販売価格は2万5000円前後の予定)を装着した場合、本体の高さを34ミリ、重量を約680グラムに抑えることができる。ただし、バッテリー駆動時間は約3時間になる。ボディの材質は、天面、底面、キーボード面が金属製、本体の周囲を囲む黒いパーツが樹脂製だ。全体的にしっかり作り込まれており、剛性感がある。
FlipStartでユニークなのが、天板に搭載された1.8インチ(220×176ドット)のサブディスプレイ機能「InfoPane」だ。液晶ディスプレイを閉じたスタンバイモードの状態で、サブディスプレイを見ながらOutlookのメールやカレンダー、連絡先などにアクセスできる。本体右側面のジョグダイヤルと戻るボタンを利用して、各機能を直感的に扱うことが可能だ。ただし、InfoPaneは日本語表示に対応していない。
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