今回のチップスが使えるエディションは? | ||||
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エディション | Home Basic | Home Premium | Business | Ultimate |
対応状況 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Windows Vistaは、新しくJISで制定されたJIS2004(JIS X 0213:2004)に対応したフォントを利用している。JIS2004に対応しているフォントは、「MSゴシック」「MS Pゴシック」「MS UI Gothic」「MS明朝」「MS P明朝」「メイリオ」の6つだ。従来OSのWindows XP/Server 2003は、JIS90に対応したフォントを利用している。
JIS2004では文字コードや字形が一部変更されているため、VistaとWindows XPでは同じ文書でも表示される漢字の形が異なることがある。また、JIS2004には既存の第1水準と第2水準の漢字に加えて、第3水準と第4水準の漢字が大幅に追加された。このため、Vistaで作成した文書に第3水準と第4水準の漢字が含まれていると、Windows XPで正しく表示できないという問題も発生する。
この問題を解決する方法として、マイクロソフト社から「JIS2004対応MSゴシック & MS明朝フォントパッケージ」がWindows XP/Server 2003向けに提供されている。フォントパッケージは、Windows Updateで入手可能なほか、マイクロソフトのサイトからも情報を入手可能だ。
これは、従来のOSに新しいフォントをインストールすることによって、Vista側に環境を合わせる方法だ。しかし、「JIS2004対応MSゴシック & MS明朝フォントパッケージ」のフォントを使うと、Windows XPが標準で表示する漢字と異なる環境になるため、違和感を覚える人も少なくないだろう。また、現時点でWindows XPを利用しているすべての人に、Vistaの新しいフォントを強要するのは現実的ではない。
一方、Vista上からWindows XPで表示できない第3水準および第4水準の漢字を入力する場合、変換候補の横に「環境依存文字(unicode)」と表示されるため、入力の手助けにはなるが、上の写真で挙げたような字形の違いは判別されず、漢字によっては異なる字形が表示されてしまう。
Vista側で従来OSの環境に合わせるには「JIS90互換MSゴシック・明朝フォントパッケージ」をインストールすればよい。フォントパッケージは、マイクロソフトのサイトからダウンロード可能だ。
ただし、JIS90互換フォントのインストールは、環境移行のために用意されている方法でマイクロソフトが推奨しているわけではない。字形も完全にWindows XPと一致するわけではなく、.Net Framework 3.0を利用しているアプリケーションには対応しない点にも注意が必要だ(JIS2004のフォントで表示される)。
なお、JIS2004を利用するように戻す場合は、「コントロールパネル」の「プログラム」をクリックし、「プログラムと機能」から「インストールされた更新プログラムの表示」を選択。一覧から「MS Gothic and MS Mincho JIS90-Compatible Fonts(KB927490)」を右クリックし、アンインストールを選択すればよい。
「JIS90互換MSゴシック・明朝フォントパッケージ」が対応しているフォントは、「MSゴシック」「MS Pゴシック」「MS UI Gothic」「MS明朝」「MS P明朝」の5つだ。この5つのフォントを利用している場合はJIS90の字体になる。ただし、メイリオは用意されていないため、メイリオを使う場合はJIS2004の字体になる。
また、フォントをインストールしても、第3水準と第4水準の文字を入力してしまうと従来OSでは見えなくなってしまう。Microsoft IMEを利用している場合は、プロパティの設定でJIS2004にのみ存在する文字の入力を制限できるため、Windows XP環境との互換性を求める場合は試してみるとよいだろう。
過去に紹介したVistaチップスと各エディションの対応状況 | ||||
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内容 | Home Basic | Home Premium | Business | Ultimate |
16枚め:Internet Explorer 7のタブ機能をカスタマイズする | ○ | ○ | ○ | ○ |
15枚め:Internet Explorer 7のユーザーインタフェースを改造する | ○ | ○ | ○ | ○ |
14枚め:Vistaのジャンクションを理解する | ○ | ○ | ○ | ○ |
13枚め:Vistaでユーザー用フォルダの参照先を変更する | ○ | ○ | ○ | ○ |
12枚め:Vistaでファイルやプリンタを共有する | ○ | ○ | ○ | ○ |
11枚め:Vistaの詳細ブートオプションを利用する | ○ | ○ | ○ | ○ |
10枚め:Vistaの便利な機能を有効に、不要な機能を無効にする | ○ | ○ | ○ | ○ |
9枚め:VistaにXP用ドライバを手動でインストールする | ○ | ○ | ○ | ○ |
8枚め:ファイルとレジストリの仮想化を理解する | ○ | ○ | ○ | ○ |
7枚め:「システムの復元」と「以前のバージョン」で使う領域を変更する | △ | △ | ○ | ○ |
6枚め:WindowsメールにOutlook Expressの環境を取り込む | ○ | ○ | ○ | ○ |
5枚め:非対応のWindowsヘルプを利用可能にする | ○ | ○ | ○ | ○ |
4枚め:間違って削除したファイルを復元する | − | − | ○ | ○ |
3枚め:「ファイル名を指定して実行」をスタートメニューに加える | ○ | ○ | ○ | ○ |
2枚め:アプリケーションを管理者として実行する | ○ | ○ | ○ | ○ |
1枚め:ユーザーアカウント制御を使いこなす | ○ | ○ | ○ | ○ |
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