Intel、欧州委員会の異議告知書に反論

» 2007年07月28日 07時47分 公開
[ITmedia]

 欧州委員会は7月27日、米Intelに対し、同社が独占的地位を不正に利用したとする異議告知書(Statement of Objections)を送付したと正式に発表した。Intelが、主要な競合企業である米AMDをx86プロセッサ市場から排除するため、不正な事業慣行を行ったとするもので、この主張が確認されれば、Intelに対して罰金を科す可能性があるという。Intelは10週間以内に異議告知書に対応する必要があり、対応後、口頭審理を求める権利を有する。

 欧州委員会は文書の中で、独禁法違反に当たるとされるIntelの行為を3点挙げている。1点目は、コンピュータメーカーに対するリベートの支払い。CPUの「すべて、もしくは大部分」にIntel製品を採用したコンピュータメーカーに対して、Intelが「著しい額の」リベートを支払ったとしている。2点目は、AMD製CPU搭載製品の発売延期や中止を促すために、Intelがコンピュータメーカーに対して金銭を支払ったとするもの。3点目は、サーバ分野で「戦略的(に重要な)顧客企業」をめぐり、AMD製品と対抗する場面で、Intelが原価割れの入札を行ったとするもの。

 これに対してIntelは27日、法務責任者ブルース・スーウェル氏の声明を発表。「マイクロプロセッサ市場は正常に機能しており、当社の行為は合法かつ競争促進的であり、消費者の利益になるものだと確信している」としている。また、「今回のケースは、顧客企業や消費者によるものではなく、直接の競合企業による苦情に基づくもの」と、欧州委員会の主張の根拠に疑問を呈する一方、文書を受け取ることで「同委員会の懸念に直接対応できる機会を得た」としている。

 一方のAMDは、欧州委員会の文書を「(Intelの)事業慣行に対する徹底的な、複数年にわたる調査から得られた証拠に基づくもの」と、その正当性を主張。2005年には日本の公正取引委員会がIntelに排除勧告を出したほか、韓国でも調査が進んでいるとして、「欧州委員会の決定は、Intelの不正な事業慣行に対する、一連のグローバルな調査における最新の動きだ」とコメントしている。

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