デザイン一新、ワンセグ搭載の売れ筋ノートPC――NEC「LaVie L LL590/KG」2007年PC秋冬モデル(1/2 ページ)

» 2007年08月21日 11時00分 公開
[兼子忍,ITmedia]

ワンセグチューナー内蔵の新モデルが追加

デザインを一新しワンセグチューナーを内蔵した「LaVie L LL590/KG」

 NECのノートPCで、メインストリームに位置付けられるモデルが「LaVie L」シリーズだ。これまで、店頭モデルはボディの形状やスペックが異なる上位の「アドバンストタイプ」、下位の「ベーシックタイプ」に分かれていたが、今回登場した「LaVie L スタンダードタイプ」は、「LaVie L ベーシックタイプ」の後継にあたる。

 詳細はこちらの記事を参照してほしいが、名称を改めることでOSがWindows Vista Home Basicであるという誤解(実際はVista Home Premiumを搭載)を解消するとともに、よりメインストリームらしさを獲得したとも言えるだろう。また、名称の変更だけでなく、ボディデザインを一新してラインアップを拡充するなど意欲的な取り組みが目立つ。ここでは9月上旬に発売予定となる、LaVie Lシリーズで初めてワンセグチューナーを内蔵した「LL590/KG」を中心に見ていく。

 従来のベーシックタイプに対し、LaVie L スタンダードタイプではデュアルコアCPU搭載の上位モデル「LL570/KG」とシングルコアCPU搭載の下位モデル「LL550/KG」という構成を引き継ぎつつ、新たにワンセグチューナー搭載モデル「LL590/KG」を追加した3モデルで店頭販売が行われる。なお、Celeron Mを採用した最廉価のLL370/JDの後継モデルは、現時点で発表が見送られている。

 LL590/KGという型番を見る限り、LaVie L スタンダードタイプの最上位に位置する製品となるが、CPUはシングルコアのMobile Sempron 3400+(1.8GHz)にとどまり、性能面ではデュアルコアCPUのTurion 64 X2 TL-52(1.6GHz)を備えたLL570/KGに軍配が上がる。もっともLL570/KGは、ワンセグチューナーを省くことでLL590/KGと同じ実売17万5000円前後という価格を実現しており、基本性能とエンターテインメント機能のいずれかの選択となる。もう1つのLL550/KGは、LL590/KGと同じMobile Sempron 3400+(1.8GHz)を採用しつつワンセグチューナーを省いたシンプルなモデルながら、店頭でもパウダーホワイト/ガーネットレッド/ベリーブルー/リーフグリーン/シュガーピンクのカラーバリエーションが用意されるのがポイントだ。

 さらに同社直販のNEC Directでは、限定カラーのグロスブラック(クリーニングクロス付き)が用意され、より選択肢が増えている。ちなみに、NEC Directにおける本機の名称は、「LaVie G タイプL スタンダード(s)」となるので注意したい。

こちらは店頭向けでカラーバリエーションの展開が行われるLL550/KGで、左からパウダーホワイト/ガーネットレッド/ベリーブルー
同様にリーフグリーン(写真=左)とシュガーピンク(写真=右)

ノートPCの原点に立ち返った新デザインを採用

 注目の新ボディを見ていくと、キーボード両側面を軽くえぐり取ったようなデザインが目を引く。これは紙のノートをモチーフにしたもので、ノートPCの原点に戻って紙の自然の流れを取り入れた結果という。キーボードの両側面に緩やかなへこみを持たせ、タッチパッドのボタンもちょうネクタイのような意匠を盛り込むなど、直線と曲線をうまく組み合わせた個性的なデザインに仕上がっている。キーボードの右側に縦一列で電源ボタンと5つのワンタッチボタンを配置したレイアウトもユニークだ。これまでのモデルとは見ためが大きく異なっており、これから登場するであろう新モデルを占う意味でも興味深いデザイン変更と言えるだろう。

 一方のボディカラーは、パウダーホワイトと呼ばれるツヤ消し白を中心に底面部分が灰色のツートーン仕様で、アクセントとしてキーボードの周囲を銀色で縁取っている。光沢感には欠けるが、逆に指紋や手の脂などが目立たず、全体的に落ち着いた印象を受ける。ボディサイズや重量は、これまでとほぼ同レベルの360(幅)×267.5(奥行き)×38(高さ)ミリ、約3.1キロを維持している。

「Stream Design」と呼ばれる側面の形状(写真=左)。キーボードは不規則な配列がなく、キーピッチ19ミリ/キーストローク3ミリとクラス標準のもので、入力時もカチャカチャという耳障りな音はしない

縦一列に並んだワンタッチボタンを搭載

 ボディカラーと同色のキーボードは、15.4インチワイド液晶ディスプレイ搭載機としては一般的な19ミリのキーピッチ/3ミリのキーストロークを備える。スペースバーが51ミリと少々短めな点が気になるものの、不規則な配列はなく、BackSpaceキーとEnterキーには十分な大きさが割り当てられている。ただ、キーボードユニットの剛性はそれほど高くはなく、キーを強く叩くとキーボードの沈み込みが若干見られた。試作機ゆえの問題かもしれないが、キータッチが強めのユーザーは店頭で実機の具合を確認するとよいだろう。

 タッチパッドには、一体になった左右のクリックボタンと、中央の上下スクロールボタンの合計4つのボタンを搭載する。パッド面のエッジを使ったスクロール操作になじめないという人でも、簡単にスクロール操作を行うことが可能だ。

 電源ボタンをはじめ、Webブラウザとメールソフトの起動ボタンなどのワンタッチボタンが、キーボードの右側に移されたのも本機からの特徴の1つだ。キーボードの上部にワンタッチボタンを配した従来型のレイアウトに比べ、ボタンが目に付きにくいところにあるため、キーボード面がすっきりと見えるようになった。また、ワンタッチボタンを誤って押さないように周囲にガードをもうけているのも好感が持てた。

 なお、5つのワンタッチボタンのうち、メールとインターネット、ソフトウェアナビゲータの3つはユーザーによるカスタマイズが可能だ。ボタン1つでパワープロファイルを変更する「ECOボタン」と、DVD-Video鑑賞時の妨げになるLEDランプをすべて消灯する「LED消灯ボタン」は固定で、オーディオ操作用のボタンは持たない。

Enterキーの右側に電源ボタンと5つのワンタッチボタンを並べている(写真=左)。3つのワンタッチボタンがカスタマイズ可能だ(写真=中央)。ワンタッチで省電力設定を切り替えられるECOボタンの設定画面(写真=右)。3つのプロファイルを保存でき、それぞれ詳細に設定が行える

タッチパッドにはALPS製の多機能ドライバが導入ずみだ

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