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キヤノン、ウォームアップレスのフラットベッドスキャナを発表白色LEDで高速起動と省電力を実現

» 2007年08月23日 14時00分 公開
[ITmedia]
CanoScan 8800F

 キヤノンは8月23日、フラットベッドスキャナ「CanoScan 8800F」と「CanoScan LiDE 90」を発表した。いずれも8月30日より発売する予定だ。価格はオープン、予想実売価格はCanoScan 8800Fが2万6000円前後、CanoScan LiDE 90が1万円前後。

 CanoScan 8800Fは、6ラインカラーCCDセンサーを搭載し、フィルムスキャンにも対応したハイスペックモデル。光源に従来の冷陰極蛍光ランプではなく、新たに高輝度の白色LEDを採用したことが最大の特徴だ。今回搭載した白色LEDは、同社のCanoScan LiDEシリーズ(CISユニット開発)で培った独自の導光体開発技術を応用したもの。点光源を均一な光量の線光源に変換することで、冷陰極蛍光ランプの代替としている。

 白色LEDの採用により、従来はウォームアップに約30秒必要だったのが、ウォームアップ時間なしでスキャン可能となった。また、従来はスキャン後に約10分間ランプを点灯していたところ、白色LEDはスキャン後すぐに待機モードに移行するため、ランプ点灯時間が短くなり、低消費電力を実現している。また、前モデルの「CanoScan 8600F」は、待機時消費電力が5ワットあったのに対し、CanoScan 8800Fは低消費電力型のACアダプタで約1.5ワットまで消費電力を削減した。欧州のRoHS指令に適合し、水銀レスを達成するなど、環境にやさしい設計も特徴だ。

 光学解像度は4800×9600dpi、階調は48ビット入出力(RGB各色16ビット)。300/600dpi設定時におけるセンサー内のデータ処理方法を改良し、A4カラーの反射原稿を約7秒(300dpi設定時)でスキャン可能とした。フィルムスキャン機能は、35ミリスリーブ12コマ、35ミリマウント4コマの連続読み取りに対応し、最大6×22センチのブローニーフィルムも読み取れる。独自の画像処理技術「FARE Level3」の搭載により、「ごみ傷除去」「退色補正」「粒状感低減」「逆光補正」などの画像処理補正が利用可能だ。

 本体サイズについては、新設計キャリッジ(スーパートーリックレンズ採用)と、FAUの光源に白色LEDを用いたことで、CanoScan 8600Fから約17%(20ミリ)の薄型化を実現し、設置面積も減少。外形寸法は272(幅)×479(奥行き)×100(高さ)ミリ、重量は約4.2キロだ。インタフェースはUSB 2.0を採用する。

CanoScan LiDE 90

 CanoScan LiDE 90は、独自の「LIDE(ライド)」技術を用いたCISセンサー搭載の薄型フラットベッドスキャナ。光源は従来通り、RGB 3色のLEDを採用している。ACアダプターを必要としないUSBバスパワー駆動が可能で、縦置きでのスキャンも可能だ。

 光学解像度は2400×4800dpi、階調は48ビット入出力(RGB各色16ビット)。CanoScan 8800Fと同様、300/600dpi設定時におけるセンサー内のデータ処理方法を改良することでスキャン速度を向上し、A4カラーの反射原稿を約14秒(300dpi設定時)で読み取り可能とした。

 本体サイズは、駆動部の変更および新設計のCISセンサーにより、静音化と小型化を実現した。外形寸法は250(幅)×364(奥行き)×40(高さ)ミリ、重量は約1.6キロだ。インタフェースはUSB 2.0。

 両製品とも、原稿とスキャン画像の色調をより正確に一致させる画像処理フローに変更。デュアルガマット色変換処理技術により、広色域の原稿をスキャン画像の狭い色域に合わせて変換する場合の色再現性が向上した。入力時のダイナミックレンジを拡張し、階調性も強化している。

 スキャンドライバは引き続きScanGearを採用。プレビュー画像に対して、カラーバランスを変えたシミュレーションパターンを自動生成し、画面上で色を確認しながら好みのカラーバランスが選べるようになった。

 また、スキャンの実行、読み取ったファイルの一括管理、PDFファイルの編集、画像補正/加工などが可能な入力統合ソフトウエア「MP Navigator EX」も付属する。写真画像の顔検出、シーン解析を行い、その結果に応じて自動的に適正な補正を行う「自動写真補正」機能も搭載する。

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