日本でも欲しいっ! 革をまとったThinkPad X61が国内で初披露

» 2007年08月24日 21時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 レノボ・ジャパンは8月24日、大和研究所のエンジニアによるラウンドテーブルを行った。スピーカーとして登場したのは、ThinkPadの意匠デザインを長年にわたって行ってきた嶋久志ノートブックビジネスユニット スタップデザイナーと、筐体の構造設計に携わってきた大谷哲也ノートブック開発研究所サブシステム技術プラットフォーム機構設計担当の2名だ。

 嶋氏は、ThinkPadのブランドデザインにおける「哲学」について解説し、大谷氏はThinkPadのプラットフォーム機構設計における「筐体設計」「材料(液晶パネルやシステム基板などの部材)開発や改善における協業」などについて、実際の業務における資料を提示しながら説明した。それぞれの内容は別記事にて後日紹介する予定だが、ここでは、ラウンドテーブルで披露された特別バージョンのThinkPadを紹介しよう。

 このThinkPad X61をベースにしたモデル「ThinkPad Reserved Editon」(ThinkPad RE)は、著名なデザイナーであって、ThinkPadのデザインに大きな影響を与えてきたリチャード・サッパー氏が、意匠デザインの1つの可能性として作り上げたもので、筐体に本革を組み込んでいるのが特徴だ。革を筐体に固定するネジなど多くのパーツをこのために新たに起こしたという。

ワールドワイドで出荷(除く日本)されている「ThinkPad Reserved Editon」はデザインだけでなくユーザー専用のサポートメニューも用意された特別なユーザーのための特別なThinkPadとして企画された
日本のカバンメーカーが加工した革をThinkPad X61に組み込んだThinkPad REの天板には「ThinkPad」「Lenovo」のエンボス加工が施されている

 ThinkPadと革の組み合わせというとオールドユーザーには、「サブノート」といわれていた時代のThinkPad 220やThinkPad 230c用にサードパーティーや個人のユーザーが作成した「のり巻き」ケースを思い出すかもしれない。のり巻きケースの基本構造は1枚モノの革をノートPCの筐体に“くるリ”と巻いてしまうものだったが、嶋氏が「現行製品に革でカバーした“だけ”でない」と語るThinkPad REは、液晶天板部分の側面に革がしっかりと組み込まれていたり、筐体がスムーズに開閉できるように液晶パネルヒンジ部分の革が柔軟に成型されているなど、随所に工夫が施されている。嶋氏の説明によると、デザイン的な差別化のほかにも、ThinkPad REユーザーだけが利用できる専用のサポートメニュー(いつでも使える専用コールセンターなど)も用意されているという。

 ThinkPad REの革加工は、 北海道砂川市にあるカバンメーカー「ソメスサドル」が手がけている。このように日本で作られている「特別なThinkPad」であるが、現在ワールドワイドで出荷中ながら日本における販売は「未定」となっている。その大きな理由がThinkPad REの価格だ。日本円にして50〜70万円以上という、イマドキのノートPCとしては飛びぬけた価格が設定されているため、日本で受け入れられるかどうか検討中とのことだ。

懐かしい「のり巻き」革ケースとの違いがよく分かるのが側面部分の加工だ。筐体と革の固定は新規に起こしたパーツを使ったネジ止めで行っている
本体側面はインタフェースや排気口があるため革で覆われていない。液晶パネルのヒンジ部分は筐体と固定されていないので、開け閉めもスムーズに行える

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