かつては高根の花だったフラッシュメモリも、ここ数年で急激に値段が下がり、HDDに代わるストレージデバイスとして注目を集めている。2006年になってSSD(Solid State Drive)という形で商品化され、PCメーカーからも搭載モデルが相次いで登場した(関連記事:VAIO type Gゼロスピンドルモデルで“もっさりVista”に喝を入れた、「ZERO」がもたらす幸せってなに?──ソニー「VAIO type U <ゼロスピンドル>モデル」など)。そして秋葉原などでSSDのバルク品が扱われはじめ、ユーザーがSSD単品を入手できる環境がようやく実現した。まだまだ容量が少なく高価なSSDだがジリジリと価格は下がっており、より大容量のモデルも現れている。時間が経過すれば、さらに値段が下がるのも間違いないところだろう。
徐々にではあるが敷居が下がりつつあるSSD。そこで今回は実売4万円前後で入手できるSSDを使って、オールドPCの復活にチャレンジした。夏休み最後の週末を粋にすごそうというわけだ。
ここでは秋葉原のフェイスで販売されているトランセンドの2.5インチSSDをピックアップした。型番は「TS16GSSD25-S」で、容量は16Gバイト、インタフェースはUltra ATA/66、動作電圧は5ボルトだ。ボディ全体をメタルケースでカバーした精悍(せいかん)さが魅力的で、厚さが7.4ミリとスリムなのも特徴である。そして何よりうれしいのが、容量16Gバイトのモデルで実売4万円前後、32Gバイトでも6万円前後と“SSDとしては比較的”手ごろな価格で入手できることだ。
現在、SSDの最新モデルはより高速なメモリスピードを誇るタイプも出ているが、何より価格が高く、インタフェースもSerial ATAとなる場合が多いため、本企画の趣旨にはそぐわない。ちなみに、現時点のトランセンド製SSDは読み出し/書き込み速度が公開されていないものの、次ページのテスト結果を見る限り、オールドPCでは満足のいく速度を発揮してくれるようだ。
続いて、SSDを使って復活を図るPCには、手持ちの中からThinkPad X23(2662-ESJ)を選んだ。子供用のWeb閲覧/メール端末機として余生を送っていたのだが、HDDのトラブルでお蔵入りしていた。
2002年に発売されたThinkPad X23(2662-ESJ)の主なスペックは下の表にまとめた。発売当時の価格は26万4000円で、プリインストールOSはWindows 2000 Professionalだ。これに256Mバイトのメモリ(PC133)を増設していたので、SSDに換装する際もOSをWindows XP Professional(SP2)に変更した以外はそのまま流用している。また、比較用のHDDには初代Mac miniに入っていた容量40GバイトのSeagate ST940110Aを使った。
2.5インチHDDを内蔵した1スピンドルモデルとして、“王道”を歩んでいたThinkPad X23だが、SSDによるゼロスピンドル化は果たして成功するのだろうか。
ThinkPad X23(2662-ESJ)の主なスペック(発売時) | |
---|---|
CPU | LV Mobile Pentium III 866MHz-M |
チップセット | Intel 830MP |
メモリ | 128Mバイト(PC133) |
HDD | 30Gバイト(2.5インチ/4200rpm) |
液晶ディスプレイ | 12.1インチ |
画面解像度 | 1024×768ドット |
グラフィックス | ATI Mobility Radeon(8Mバイト) |
本体サイズ | 279.4(幅)×226.8(奥行き)×24.9〜30.2(高さ)ミリ |
重量 | 約1.68キロ |
OS | Windows 2000 Professional |
製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは編集部が使用した製品のものであり、すべての個体にあてはまるものではありません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.