Vistaの「Windows転送ツール」を活用するサクッとおいしいVistaチップス 21枚め

» 2007年09月06日 15時00分 公開
[織田薫,ITmedia]
今回のチップスが使えるエディションは?
エディション Home Basic Home Premium Business Ultimate
対応状況

 Windows Vistaをインストールする場合には、新規インストール(クリーンインストール)するか、アップグレードインストールするかを選択できる。後者の場合は、上書きインストールの形になり、それまでWindows XP/2000で使用していたファイルや個人設定を保持しながらOSをVistaに置き換えることが可能だ。

 ただし、Windows XPの各エディション(Home Edition/Professional/Media Center Edition)から、Vistaの各エディション(Home Basic/Home Premium/Business/Ultimate)へのアップグレードインストールは自由に行えるわけではない。アップグレードインストールが可能なエディションの組み合わせは下表の通りだ。

Windows 2000/XPからVistaへのアップグレードインストール対応表
使用中のWindows 2000/XP アップグレード対象のVistaエディション
Home Basic Home Premium Business Ultimate
XP Home Edition(SP2)
XP Professional(SP2) × ×
XP Media Center Edition(SP2) × ×
XP Professional x64 Edition × × × ×
2000 Professional(SP4) × × × ×
※「○」はアップグレード/新規インストールの両方が可能、「×」は新規インストールのみ可能

 ちなみにVistaは異なるエディションへのアップグレードインストールもサポートしている。たとえば、Vista Home Basicのユーザーはほかの3つのエディションへのアップグレードインストールが可能だ。また、Vista上からオンラインでアップグレードライセンスを購入できる「Windows Anytime Upgrade」機能も用意されている。対応状況は下表の通りだ。

Vista別エディションへのアップグレードインストール対応表
使用中のWindows Vista アップグレード対象のVistaエディション
Home Basic Home Premium Business Ultimate
Vista Home Basic
Vista Home Premium × ×
Vista Business × ×
Vista Ultimate × × ×
※「○」はアップグレード/Windows Anytime Upgradeの両方に対応、「△」はアップグレードのみ可能、「×」は新規インストールのみ可能

 さて、アップグレードイントールはユーザー環境を保持できるので便利だが、クリーンな環境でVistaを使いたいので、アップグレードインストールに対応したWindows XPのエディションを使っていても、あえて新規インストールを選択したいという人は少なくないだろう。この場合に面倒なのはユーザー情報の移行だが、Vistaには「Windows転送ツール」が用意されているので、従来の環境からユーザー情報を手軽に移行できる。

 Windows転送ツールは、Vistaにインストールされるほか、Vistaのインストールメディアに含まれている。これを使うことにより、Windows 2000/XP/Vistaから、ユーザーアカウント、ファイル/フォルダ、インターネットの設定とお気に入り(ブックマーク)、電子メールのメッセージ/設定/連絡先、Windowsやプログラムの設定などを移行することが可能だ(Windows 2000ではファイル転送のみ対応)。転送方法は、専用のUSBケーブルを使う方法、ネットワーク経由で行う方法、HDDやCD/DVDメディアを利用する方法が用意されている。

 Windows転送ツールを利用するには、転送元となるPCのWindowsを起動してVistaのインストールメディアを挿入する。インストールメディアからインストールメニューが起動したら、「別のコンピュータからファイルと設定を転送する」をクリックし、ウィザードにしたがってデータのバックアップを作成すればよい。

Windows 2000/XPが転送元の場合、Vistaのインストールメディアからセットアップを起動し、「別のコンピュータからファイルと設定を転送する」をクリックすると、Windows転送ツールが起動する(写真=左)。転送方法は、専用のUSBケーブルを使う方法、ネットワーク経由で行う方法、HDDやCD/DVDメディアを利用する方法が用意されている(写真=中央)。「CD、DVD、または他のリムーバブルメディアを使用する」を選択した場合、さらに転送するメディアとしてCD-R/RW、USBフラッシュドライブ、外付けHDDなどが選べる(写真=右)。

転送するメディアとして、USBフラッシュドライブを選んだところ(写真=左)。バックアップするデータには、パスワードを設定可能だ。Vistaに転送するデータを選ぶ(写真=中央)。ファイルと設定をすべて移行するには「すべてのユーザーアカウント、ファイル、および設定」をクリック、移行するファイルや設定を個別に指定するには「自分のユーザーアカウント、ファイル、および設定のみ」もしくは「詳細オプション」をクリックする。「選択されたファイルと設定の確認」画面で転送するデータに問題がなければ「転送」を押す(写真=右)

 データ転送先のVistaでは、スタートメニューから「すべてのプログラム」を選択して、「アクセサリ」「システムツール」「Windows転送ツール」の順に選択してWindows転送ツールを起動しよう。ツールが起動したら「実行中の転送を続行する」を選択し、ウィザードにしたがって作業をすればよい。なお、プログラムのデータは移行できるが、プログラム自体は移行しないので別途インストールする必要がある。

転送元のWindows環境でバックアップが済んだら、次は転送先のVista環境で設定を行う。データ転送のメディアとしてUSBフラッシュメモリを使用した場合は、転送元で作成したファイルをダブルクリックしてWindows転送ツールを起動すればよい(写真=左)。バックアップしたデータが入ったデバイスを選択し、バックアップ時にパスワードを指定した場合はパスワードを入力する(写真=中央)。転送元のユーザーアカウントを選択する(写真=右)。ユーザーアカウントは新たに設定してもいいが、その場合は古いユーザーアカウントのパスワードが転送されず、初回のログオン時に新しいパスワードを設定する必要がある

.「選択されたファイルと設定の確認」画面が表示されたら、転送されるデータを確認して「転送」をクリック(写真=左)。転送の完了画面では、転送したファイルを確認できる(写真=右)。転送後は再起動が求められる

過去に紹介したVistaチップスと各エディションの対応状況
内容 Home Basic Home Premium Business Ultimate
20枚め:VistaでHDDのパーティションを結合/分割する
19枚め:Vistaで接続できないNASに対処する
18枚め:VistaのWindows Updateを使いこなす
17枚め:VistaとWindows XP間の文字化けを解消する
16枚め:Internet Explorer 7のタブ機能をカスタマイズする
15枚め:Internet Explorer 7のユーザーインタフェースを改造する
14枚め:Vistaのジャンクションを理解する
13枚め:Vistaでユーザー用フォルダの参照先を変更する
12枚め:Vistaでファイルやプリンタを共有する
11枚め:Vistaの詳細ブートオプションを利用する
10枚め:Vistaの便利な機能を有効に、不要な機能を無効にする
9枚め:VistaにXP用ドライバを手動でインストールする
8枚め:ファイルとレジストリの仮想化を理解する
7枚め:「システムの復元」と「以前のバージョン」で使う領域を変更する
6枚め:WindowsメールにOutlook Expressの環境を取り込む
5枚め:非対応のWindowsヘルプを利用可能にする
4枚め:間違って削除したファイルを復元する
3枚め:「ファイル名を指定して実行」をスタートメニューに加える
2枚め:アプリケーションを管理者として実行する
1枚め:ユーザーアカウント制御を使いこなす

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