大量の写真を効率よくレタッチするために――コーレル「Corel Paint Shop Pro Photo X2」発表定番レタッチソフトの進化形(1/2 ページ)

» 2007年09月07日 01時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]
Corel Paint Shop Pro Photo X2のパッケージ

 コーレルは9月6日、フォトレタッチソフト「Paint Shop Pro」シリーズの最新版となる「Corel Paint Shop Pro Photo X2」を発表した。「X2」と表記して「バージョン12」と読ませる。Paint Shop Pro Photo X2は、同社のデジタルイメージング関連ソフトで主力となる製品。ターゲットは、アマチュアおよびプロフェッショナルのフォトグラファー、デジタル写真編集の初心者、オフィスユーザーと多岐に渡る。

 ラインアップは下表の通りで、発売日は10月12日だ。PCの動作環境は、CPUの動作クロックが1.0GHz(2.0GHz以上を推奨)、OSがWindows XP/Vista、メインメモリがWindows XPの場合で256Mバイト(768Mバイト以上を推奨)、Vistaの場合で768Mバイト、HDDが500Mバイト以上となっている。

Corel Paint Shop Pro Photo X2の製品ラインアップ
バリエーション 価格
通常版 1万5540円
アップグレード版 7329円
特別優待版 1万290円
アカデミック版 8379円

複数枚の写真を連続で補正するのに便利な「エクスプレスラボ」

 今回のバージョンアップでは、ユーザーインタフェースを濃いグレーを基調としたカラーに変更。Windows Vistaとのマッチングを考慮し、洗練したデザインのインタフェースを目指したという。前バージョンと同様、画面の左側には操作ガイド機能の「ラーニングセンター」が表示され、ここから「写真を取り込む」や「レタッチ/復元する」などのメニューを選択することで、自動的にツールが切り替わり、作業方法の説明を見ながら操作が行える。また、独自のキャッシュ機能により多数の写真データを拡大/縮小しながら高速にプレビューできる画面下の「オーガナイザパレット」も引き続き搭載する。

 新機能としては、複数枚の写真を効率的にレタッチできる「エクスプレスラボ」を搭載した。この機能は、任意のフォルダ内に保存された写真データをサムネイルで画面下に一覧表示したうえで、高速な表示切り替え機能と画像処理機能を生かし、大量の写真データを次々と選別してレタッチできるというもの。傾き補正、トリミング、スマート修正(明るさ、カラーバランス補正)、メークオーバーツール(人物用の自動補正)、クローンブラシ、赤目補正、回転、削除、レート(評価)の設定が行える。

新デザインの操作画面(写真=左)。エクスプレスラボでは、表示する写真を次々に切り替えながら基本的なレタッチ作業が手軽に行える(写真=右)

 オートブラケット撮影した複数枚の写真を合成し、階調性に優れた1枚の写真を作成する「HDR(ハイダイナミックレンジ)写真結合」機能も追加された。露出レベルの異なる複数枚の写真から、黒つぶれや白飛びが最も少ない部分を抽出して1枚の合成写真を作成できる。写真によって被写体の位置が多少ずれている場合でも、ずれを自動検知して合成可能だ。

 オフィスユース向けには、「Office用に保存」と「特殊コピー」の機能が加わっている。Office用に保存コマンドを選択すると、ドキュメント、プレゼンテーション、Webページといった用途に応じて画像サイズを最適化する仕組みだ。また、高品質印刷用コピー、デスクトップ印刷用コピー、スクリーン/電子メール用コピーといった特殊コピー機能を使えば、画像を各用途に適したサイズに変更しながらコピーできる。

 また、「レイヤーのプロパティ」ダイアログボックスからフィルタ効果(ドロップシャドウ、エンボス、反射など)をテキストレイヤーなどに適用できる「レイヤースタイル」機能、撮影者を判別できるように半透明のマークを写真に追加する「透かし」機能も新たに搭載された。

露出の違う2枚の写真から、HDR写真結合機能で1枚の写真を作成できる(写真=左)。テキストレイヤーにフィルタ効果が簡単に付加できるレイヤースタイル(写真=右)

人物補正や白黒フィルム効果の機能を強化

 強化された機能については、人物補正用の「メークオーバー」ツールに2つの新しいモードを追加。被写体がやせて見えるように補正する「スリム」モードと、目の充血を低減させる「目ぐすり」モードを搭載している。また、カメラにカラーフィルタを装着して白黒フィルムで撮影したような効果を再現する「白黒フィルム効果」では、カラーホイールから任意の点を選ぶことで、フィルタのカラーバランスを微調整できるようになった。

 そのほか、画像データがあるフォルダの1つ下の階層に自動的にバックアップを作成する「元画像の自動保存」機能や、トリミングした領域から新しいファイルを自動作成できる「トリミングツール」などを備えている。トリミングツールは、元の画像を開いたまま使用できるため、1枚のスキャン画像を手軽に複数の画像ファイルに分離できる。

左からスリムモードの適用前/適用後

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