富士通が「FOMAハイスピード対応LOOX T/U」を公開無線WAN搭載LOOX再び!(1/2 ページ)

» 2007年09月18日 21時50分 公開
[前橋豪,ITmedia]

 富士通は9月18日、NTTドコモの「FOMAハイスピード」サービスに対応する「FMV-BIBLO LOOX T」と「FMV-BIBLO LOOX U」のカスタムメイドモデルを報道陣に公開した。既報の通り、これらは同社直販サイトのWEB MARTにて10月22日より発売される。現状で店頭販売の予定はない。

FMV-BIBLO LOOX TのFOMAハイスピード対応モデル「FMV-BIBLO LOOX T70XNX」は、既存モデルと同じ外観だ(写真=左)。FMV-BIBLO LOOX UのFOMAハイスピード対応モデル「FMV-BIBLO LOOX U50XNX」は、液晶ディスプレイ部の両側にアンテナの膨らみがあり、既存モデルと外観が異なる(写真=中央、右)

 FOMAハイスピード対応モデルとなる「FMV-BIBLO LOOX T70XNX」と「FMV-BIBLO LOOX U50XNX」は、いずれもバッテリーパックを外したところに小型通信カードの「FOMAカード」用スロットを装備。NTTドコモとの契約後に送付されるFOMAカードを同スロットに装着することで、FOMAハイスピードによる受信時最大3.6Mbpsのデータ通信が可能となる。FOMAハイスピードを利用するには、NTTドコモとの契約に加えて、対応プロバイダとの契約も必要だ。

 これら2モデルの標準仕様は下表の通りで、FOMAカードスロットを搭載した一方、ワンセグチューナーが省かれている。使用時の重量やサービスへの具体的なサインイン手順など、詳細仕様については現時点で明らかにされていない。

FOMAハイスピード対応LOOX T/Uの主な仕様
製品名 FMV-BIBLO LOOX T70XNX FMV-BIBLO LOOX U50XNX
OS Windows Vista Home Premium
CPU Core 2 Duo U7600(1.2GHz) A110(800MHz)
メモリ 1GB/2GB(選択可) 1GB
HDD 約60GB/80GB/100GB(選択可) 約40GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチ コンボ/DVDスーパーマルチ/なし(選択可)
液晶 10.6インチワイド 5.6インチワイド
無線 IEEE802.11a/g/b
バッテリー 内蔵バッテリパック/内蔵バッテリパックL(選択可)
Office 2007 Officeなしスタンダードセット/Office Personal 2007セット(選択可)
そのほか 増設用バッテリユニット/なし、天板カラー6種類(選択可) ポートリプリケータ/なし(選択可)
通常WEB価格 27万4800円〜 17万4800円〜
出荷予定 10月26日以降 11月下旬以降

FMV-BIBLO LOOX T70XNX内蔵のFOMAカードを利用し、インターネットに接続した様子(写真=左)。FMV-BIBLO LOOX T70XNXのFOMAカードスロット(写真=中央)とFMV-BIBLO LOOX U50XNXのFOMAカードスロット(写真=右)。いずれも背面のバッテリーを外した場所にスロットがある。展示されたLOOX U50XNXはカードスロット用の穴があるだけで、スロットは搭載されていなかった

HSDPA対応LOOXで“ワイヤレスブロードバンド時代”が到来

同社パーソナルビジネス本部PC事業部長の長原明氏

 富士通は新モデルの公開に先立ち、FMVシリーズにおける取り組みの一部を解説した。まずは同社パーソナルビジネス本部PC事業部長の長原明氏が登壇し、FMVシリーズのこだわりを紹介。FMVシリーズの製品コンセプトは「ユビキタス社会のさらなる実現に向けて、すべてのお客様に価値を認めていただくこと、すべてのお客様に使いやすい製品を提供すること」であり、具体的には「AV機能の充実、携帯性の追求、求めやすい価格帯の実現」などに注力しているという。また、開発から製造まで一貫した国内生産体制を確立しており、「メイドインジャパン」の製品であることをアピールした。

 続いて、同社パーソナルビジネス本部ソリューション開発統括部長の磯部祐司氏が、無線WAN搭載PCの事業について説明した。富士通の無線WAN搭載PCの歴史は、7年前の2000年にFMV-BIBLO LOOXシリーズを初めて投入したときまでさかのぼる。当時の無線WANはPHSによる64kbpsのデータ通信で、富士通はDDIポケットと協力してH"IN搭載のFMV-BIBLO LOOXを提供していた。

 それからしばらく動きがなかったが、2006年6月にはHSDPA方式による最大1.8Mbpsのデータ通信が可能なLIFEBOOK Qシリーズを欧州向けに発売し、同年7月にはアジアでも同様の製品を投入した。2007年9月現在、ワールドワイドで無線WAN対応のLIFELOOKシリーズは5機種あり、対応通信キャリアは14社、サービス提供地域は18カ国にのぼるという。

 そして、日本ではNTTドコモのFOMAハイスピードに対応したモデルを9月13日に発表した。FOMAハイスピードでは、受信時に最大3.6Mbpsのデータ通信速度を実現する。磯部氏は「PHSの64kbpsと比較して約56倍の高速化を実現しており、以前は単にワイヤレスインターネットと呼んでいたが、これによりワイヤレスブロードバンド時代が到来する」と述べ、「屋内外の垣根を越えたブロードバンドインターネットが可能になるため、コンシューマー、ビジネスを問わず、PCの活用シーンが広がるだろう」と新製品に対する期待を語った。

同社パーソナルビジネス本部ソリューション開発統括部長の磯部祐司氏(写真=左)。無線WAN搭載PCへの取り組み(写真=中央)。FOMAハイスピード対応モデルの特徴(写真=右)

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