エプソンは、プロフェッショナルやハイアマチュア層に向けた「プロセレクション」シリーズのA3対応インクジェットプリンタ「PX-G5300」も発表した。2006年2月に発売された「PX-G5100」の後継機で、2007年末ごろの発売を予定している。PX-P/K3インクを採用した上位モデルの「PX-5800」および「PX-5500」、PX-G5300と同系統のPX-Gインクを採用したA4モデルの「PX-G930」は併売だ。
PX-G5300はPX-G5100と同様、顔料8色構成のPX-Gインクを搭載するが、従来のブルーインクを省いて、新たにオレンジインクを用いた第2世代のPX-Gインクとなっている。これにより、赤から黄色にかけての色再現域を拡大した。紙の表面に光沢感を与える透明樹脂のグロスオプティマイザも改良され、光沢性と耐擦性が向上している。そのほかのインク構成は、シアン、レッド、イエロー、マゼンタ、フォトブラック、マットブラックと変わらないが、オレンジインクの採用にともない、各インクの色調が最適化された。
印刷時にどの色のインクをどのくらい使うかを決めるルックアップテーブル(LUT)については、エプソンと米ロチェスター工科大学のマンセル研究所が共同で基礎開発した「LCCS」(Logial Color Conversion System)を採用。LCCSでは、粒状性、光源による反射特性、色再現域といった項目を理論的に予測して指数化し、計算によって最適なインクの組み合わせを導き出す。この手法により、階調性を大幅に改善できたという。
そのほか、PX-G5100と比較して、L判(1440×720dpi)の印刷速度が42秒から39秒へ、A3(5760×1440)の印刷速度が450秒から266秒へ高速化されたほか、PictBridgeの機能が加わった。
PX-G5300とPX-G5100(旧モデル)の比較 | ||
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モデル名 | PX-G5300 | PX-G5100 |
インク | 顔料8色 | 顔料8色 |
PX-Gインク | 第2世代 | 第1世代 |
特徴インク | オレンジ、レッド | ブルー、レッド |
ノズル数 | 180本×8色 | 180本×8色 |
最高解像度 | 5760×1440dpi | 5760×1440dpi |
最小インク滴 | 1.5ピコ | 1.5ピコ |
LCCS | ○ | − |
L判最速印刷 | 39秒 | 42秒 |
A3印刷(5760×1440) | 266秒 | 450秒 |
PictBridge | ○ | − |
ファインアート紙 | ○ | ○ |
ロール紙 | ○ | ○ |
CD/DVDレーベル印刷 | ○ | ○ |
Epson Color | ○ | ○ |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 616×322×214ミリ | 615×314×219ミリ |
重量 | 約12.2キロ | 約11.7キロ |
予想実売価格 | 6万円台後半 | − |
発売予定日 | 2007年末ごろ | − |
一部の基本スペックについて内容を追記しました(2007年9月21日)。
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