WiMAXとMoorestownで広がるモバイルデバイスの行動圏Intel Developer Forum 2007(1/3 ページ)

» 2007年09月21日 04時30分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]

性能アップで消費電力ダウンがモバイル永遠の目標

 すでに、ポール・オッテリーニ氏の基調講演の中で紹介されているが、2008年にはSanta Rosaに続くモバイル・プラットフォーム「Montevina」(開発コード名)が登場する。MontevinaとSanta Rosaの典型的な相違は主に、

  • WiMAXの標準サポート
  • HD動画の再生支援
  • 消費電力目標を25ワットまで抑える

の3点が挙げられる。

Intel モビリティ部門シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのダディ・パルムッター氏

 ここで注目しておきたいのが、通信機能やメディア再生機能をより強力にしながらも、バッテリー駆動時間を延ばす工夫も施されるといった“両面作戦”を展開している点だ。Santa Rosa世代のプラットフォームで消費電力が35ワットだったことがノートPCの開発者を悩ませていただけに、今回明らかにされたMantevinaの特徴はモバイルノートPCのユーザーにとって朗報となるだろう。

 消費電力削減の試みは、まずCPUに見られる。Penryn(開発コード名)世代のCPUでは、例えば、アイドル時にキャッシュへ流れる電力をカットしてしまうなどの、システムブロックごとの電力制御をより強化することで、従来比最大40%の消費電力削減に成功しているという。こうしたピーク動作時以外の電力消費を極限まで抑え込むことで、バッテリー駆動時間を少しずつ延ばすように工夫されている。

2008年に登場する予定のノートPC向けプラットフォーム「Montevina」はPenryn世代にあたる
Montevinaは、2005年に登場したNapa世代と比較するとパフォーマンスの上昇カーブがやや上向いてるとIntelは説明している
Intelは、グラフィックス処理性能を2010年までに現在の10倍に引き上げることを目標としている

製造プロセスの微細化でCPUや周辺チップの小型化を目指し、ノートPCへの実装を容易にする
Montevinaでの消費電力上限目標は25ワット。現行のSanta Rosaを下回る水準を目指す
Montevinaを搭載したノートPCのプロトタイプモデル。その後ろには、オッテリーニ氏の基調講演でも登場したWiMAX搭載のテストモジュールが見える

新プラットフォームではパフォーマンスの向上とともにバッテリー駆動時間も延ばし、2005〜2007年の水準から最大40%アップを目指す
Penrynで採用された電力管理状態「Deep Power-Down State」は、アイドル時にL2キャッシュへの供給を停止するなど、CPU上に流れる電力を極限まで削減する
無線通信規格ごとのスループット比較。IEEE 802.11gのWi-Fi通信には及ばないものの、モバイルWiMAXの高いパフォーマンスが分かる

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