ソフマップ秋葉原本館は、白物家電や理美容品なども扱う総合家電ショップとして、9月6日にオープンした。メインターゲットを一般層に向けた明確なコンセプトを打ち出しているが、それを可能にしたのは、従来の店舗を改変して構成した「PCタウン」「ソフトタウン」により、従来のアキバコア層の心をつかむ品ぞろえとサービスが可能だからだ。
家電やPCブームが落ち着き、ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaが登場したことも重なり、古参ショップの多くは淘汰の時代を迎えている。そのなかで、ソフマップは従来のユーザーに目を向けつつ、駅前再開発で劇的に増えた女性や家族連れ、ビジネスマンなどの新たな客層もフォローする戦略をとった。
その一方で、ラオックスは企業戦略の一環で、ザ・コンピュータ館を9月20日に閉店。17年間、電気街の顔として君臨してきた歴史に幕を下ろした。ランドマークの閉店に、周囲のショップは残念がりながらも、「これも、時代の流れ」(ドスパラアキバ店)と語る。
ソフマップタウンの始動と、ラオックス ザ・コンピュータ館閉店のタイミングが重なったのは偶然だが、街の流れが変わる象徴的な出来事であったことは間違いない。
ブームが落ち着いたといわれる自作PC市場だが、新たなニーズを生み出すようなアイテムが複数登場している。
9月29日0時から、家庭用のサーバOS「Windows Home Server 英語版」の発売が解禁となった。前日の深夜から、TSUKUMO eX.やドスパラ秋葉原本店など4店舗が深夜販売イベントを決行。約100人の熱心なユーザーが詰めかけた。
Windows Home Serverは、Windows Server 2003 R2をベースにUIを改良し、サーバ管理機能などを一部省略したOSだ。これまでのサーバOSよりも使いやすく、「玄人志向のNASキット“玄箱”が使いこなせる程度のスキルがあれば楽しめるOS」(クレバリー インターネット館)といわれている。
とはいえ、コンシューマー市場では関心を集めにくいサーバOSで、深夜発売イベントを行った例は過去にない。当日も、各ショップが用意した特価品やプレゼントの数と見合わせても、予想より少ない出足だった。
不本意とも思える結果だが、関係者の間では今回のイベントを(強がりでなく)肯定的に捉える意見が多い。
ツートップ秋葉原本店は「家庭用サーバという、新しいジャンルを世間に認知してもらえたのは大きいです。これをきっかけに、少し上を行くリビングPCを作ったり、押し入れに入れた古いPCを再活用してホームネットワークを構築するニーズが高まれば成功ですね」と語った。
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