10月6日に、AMDがTSUKUMO eX.前で「“黒箱”の選択肢と兄貴のPhenomアップデート」を開催。“黒箱”とはAthlon 64 X2 6400+ Black Editionと同5000+ Black Editionのことで、イベントではRADEON HD 2000シリーズと組み合わせたマシンを使い、限定版CPUの魅力を伝えるデモを披露した(関連記事:倍率変更がフリーになった“黒箱”で遊ぶ──Athlon 64 X2 5000+ Black Edition)。
当日は13時から計3回イベントを開いたが、最終回だけは“兄貴”こと土居憲太郎氏が登場し、次世代CPUブランド「Phenom」について語る特別コーナーが追加されていた。13時の回から人だかりができていたが、最終回はさらに輪をかけて人が集まり、約120人が集結。イベントを見学していた九十九電機社長の鈴木淳一氏は「予想以上の人ですね。これ以上集まると収拾が付かなくなるくらい」と、うれしそうに話した。
イベントの主役は、9月25日に登場したばかりの5000+ Black Edition。通常版の5000+と動作クロックや2次キャッシュ、発熱量などは同じだが、BIOS画面で動作クロックの倍率を上方へ自由に変更できる特徴を持つ。
通常、CPUをクロックアップするには、FSBなどのベースクロックを引き上げる方法をとるが、この場合は、ベースクロックにつられてメモリやPCIバスのクロックも引き上げられるため、クロックアップを求めない部位を低く修正する微調整が必要になる。5000+ Black Editionなら、CPU単独でのクロックアップが簡単にできるため、「BIOS画面で誰でも性能向上を試せる“ファインチューニング”を実現します」(佐藤氏)という。
冒頭で6400+ Black Editionとともに特徴を説明したあと、早速CPUクロックの倍率変更によるファインチューニングデモを行った。5000+の標準仕様は、ベースクロック200MHzを13倍した2.6GHz動作となる。デモではこれを15.5倍に引き上げ、3.1GHzでの動作にチャレンジ。電圧も標準から100ミリワット引き上げて、Windows Vistaを起動したところ、問題なく動作した。
佐藤氏は「同様のクロックで24時間稼働させたところ、高負荷をかけても常に安定していました。実用的なレベルで標準仕様よりもはるかに高い性能を狙えるのが、ファインチューニングの魅力です」と語る。
5000+マシンのクロックアップが確認できたところで、6400+マシンとのベンチマーク対決を実行。「CineBench 9.5」による3Dレンダリングにかかる時間で性能を計った。6400+マシンは25秒で処理を終えたが、5000+マシンも26秒と肉薄。ちなみに、標準クロックの5000+マシンで同様の処理を行った場合は、31秒かかるという。
佐藤氏は「AMDはPC DIYをより楽しくしていこうと思います。青より深い黒の世界をのぞいてみませんか」と、しっかり“I社”への挑発を織り交ぜて、魅力をアピールした。
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