BDもHD DVDもこれ1台の“次世代マルチドライブ”――「BRD-UXH6」実力判定困った時の全部入り(2/3 ページ)

» 2007年10月24日 15時00分 公開
[都築航一,ITmedia]

Windows XP/Vista用の付属ソフトは盛りだくさん

 続いて付属ソフトウェアの内容を見ていこう。前述の通りすべてWindows用で、一部はWindows 2000にも対応しているが、原則としてWindows XP(SP2)もしくはVista(32ビット)での利用が前提になっている。特にBDやHD DVDといったビデオディスクの再生は、Windows XP SP2もしくはVistaでの利用に限られる。

 最初にCD、DVD、BDに対応した総合ライティングソフトだが、ビー・エイチ・エーの「B's Recorder GOLD9 BASIC」がバンドルされており、通常のデータディスクの作成やディスクコピーに加え、音楽CDのリッピングや作成、音楽再生といった機能を備える。もちろん、BD-RとBD-REの両メディアの書き込みにも対応している。

 また、CPRM対応のDVD-R/RWメディアを使えば、ディスクに書き込んだデータをパスワードで保護したり、外部メディアへのコピーを禁止したりできる「シンプルセキュリティプラス」機能も利用可能だ。ちなみに、この機能で書き込んだディスクには復号専用のプログラムもコピーされるため、別のPCでもパスワードの解除が行える。

 一方、パケットライティングを行なう場合はビー・エイチ・エーの別ソフト「B's CLIP7」が利用可能だ。さらに、B's CLIP7で書き込んだデータにもパスワード保護がかけられるように、アイ・オー・データ機器オリジナルのソフト「QuickSecure for DVD/CD」が付属している。ただし、こちらの復号にはQuickSecureがインストールされたPCが必要だ。

B's Recorder GOLD9 BASICでは、データディスクの作成や音楽CD/DVDの作成、再生といった機能が利用できる(写真=左)。データ保存の際、CPRM対応のDVD-R/RWを使うと、ファイル単位もしくはディスク単位で、パスワードによるデータの暗号化が行なえる(写真=中央)。ディスクから別のドライブへのコピーを禁止する設定も可能だ。アイ・オー・データ機器製のUSBメモリに付属する暗号化ソフト「QuickSecure」のCD/DVD/BD対応版がバンドルされ、B's CLIP7との組み合わせでパケットライティングを行なう際にパスワードによる暗号化ができる(写真=右)

 B's Recorder GOLD9 BASICでは、フルバージョンに含まれるDVD-Videoの作成機能などが省略されているが、DVD-Videoをオーサリングしたい場合は、同梱されるコーレルの「Ulead DVD MovieWriter 5 BD Edition」を利用するといいだろう。これは市販パッケージの旧バージョン「DVD MovieWriter 5」をベースにいくつかの機能を追加したオリジナルバージョンで、DVD-Videoのオーサリングに加え、BDAV形式でのBD保存も行なえる。しかし、市販のDVD MovieWriter 5に実装されたHD DVDのオーサリング機能は省かれているほか、BDMVのオーサリングやAVCHD形式のディスク作成には対応していない。

 BDAVの作成時は別ソフトの「Ulead BD DiscRecorder 2.5」が自動で起動する。メニュー画面の作成こそできないものの、8センチDVDに収録したAVCHDビデオカメラの映像を、より大容量のBDメディアにまとめたり、HDVカメラの映像を直接BDメディアに記録するといった使い方が可能だ(2層BD-R/REへの書き込みにも対応)。ただし、MPEG-2以外のコーデックでの出力には対応していないため、MPEG-4 AVC/H.264を採用したAVCHD形式の映像を保存する際にはエンコードに相当の時間がかかる。

 DVD-Videoの作成時は、静止画データをスライドショーとして保存できるほか、最終的には解像度が落ちてしまうものの、HDVおよびAVCHD形式の映像も素材として読み込める。なお、基本的にはディスクへ保存するためのソフトだが、ファイル単位でならAVI、MPEG-2、WMV、MOVの各形式でも出力でき、いずれも1920×1080ドットでの保存が可能だ。オマケとして、ディスクのレーベル印刷を行うソフト「Ulead Label@Once」も同梱される。

Ulead DVD MovieWriter 5 BD Editionでは、通常のDVD-Video作成に加え、BDAV形式でのBD保存が行なえる(写真=左)。BDAV形式での記録時にはUlead BD DiscRecorder 2.5が起動する(写真=中央)。PC上のファイルを読み込んでディスクに保存できるほか、HDVカメラからのキャプチャや、HDVカメラの映像を直接ディスクに記録するといった機能も備える。Ulead DVD MovieWriter 5 BD Editionでは、モーションメニュー付きのDVD-Videoを手軽に作成できる(写真=右)。静止画をスライドショーとして保存する機能も持つ

DVD、HD DVD、BD、AVCHDの再生に対応したInterVideo WinDVD for I/O DATA。画面下には再生フォーマットが表示され、AVCHDも正しく認識される

 作成したディスクを含む映像を再生するには、同じくコーレルの「InterVideo WinDVD for I/O DATA」を利用できる。音声の再生こそステレオまでに限定されるものの、HD DVD、BDMV、BDAVに加え、AVCHD形式のDVDメディアにも対応と、ディスクメディアに保存された映像の大半を再生できるため重宝するに違いない。HD DVDとDVD-Videoのツインフォーマットディスクの場合は、どちらの形式を再生するかを選ぶこともできる。

 もっとも、BDやHD DVDをスムーズに再生するにはPCのスペックにも注意が必要だ。市販のBD/HD DVDタイトルを再生するのに必要なPCのスペックは、OSがWindows XP(SP2)/Vista、CPUがPentium D 935(3.2GHz)/Core 2 Duo E6400(2.16GHz)以上、メインメモリが1Gバイト以上、チップセットがIntel 945/955/965/975/G33/P35、グラフィックスカードがPCI Express接続でメモリ256Mバイト以上(GeForce 8400GS以上またはRadeon HD 2400以上を推奨)となっている。また、ディスプレイとデジタル接続する場合は、HDCP対応DVIかHDMIを搭載したグラフィックスカードとディスプレイが必須だ。

 このほか、BDの大容量を生かすべく、ディスクへのバックアップを行なう「EasySaver LE」や、PCに装着された光学ドライブの状態を監視するユーティリティソフト「QuickDrive for DVD/CD」も同梱されるが、これらはともにアイ・オー・データ機器のオリジナルツールだ。

 以上に見てきたように、BRD-UXH6の付属ソフトは、ハードウェアの機能を一通り、しかもすぐに使いこなせるよう配慮された構成が好印象だ。個々の機能を見れば、市販のパッケージと比べて物足りなく感じる点が確かにあるものの、フルバージョンにアップグレードする必要性を感じないユーザーも少なくないと思われる。

 次はいよいよ書き込み速度の検証だ。

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