10月29日、デル会長兼最高経営責任者(CEO)のマイケル・デルが来日し、アジア地域における同社の基本戦略「ITのシンプル化(Simplify IT)」について語った。
冒頭、マイケル氏は創業以来23年間の歩みを振り返り、「2007年現在、成長が続いているビジネス市場で31%の市場シェアを獲得し、米国ではNo.1、ワールドワイドではNo.2の位置にいる」と同社の実績を述べ、「インドとブラジルに続き、ポーランドでも工場を新設する予定である」と今後の投資についても順調であることを示唆した。
アジア太平洋地域では「ノートPCの出荷台数は前年比で17%増、エンタープライズ事業の売り上げは前年比で20%も増加し、特に日本では上陸以来15年で30億ドルのビジネス規模に成長し、外資系PCベンダーとしては最大のシェアを獲得している」とした。
「最近では、これまでインターネットに接したことのない人にもデル製品が届くよう販路の拡大に力を入れてきた。日本ではビックカメラやソフマップで店頭販売を行い、全世界で1万カ所以上の店舗で展開できている」とし、今後も販路の拡大を続けていくと語った。
続いて、「オンライン上のデータ量は増え続けており、4年後には現在の6倍に増え、今後5年間に接続される機器は過去15年分よりも増えるといわれている」と調査会社のデータに触れつつ、「このような状況の中で、これ以上ITの複雑化を招くわけにはいかない」と主張した。そして「アジアは地球上の60%近い人口がおり、潜在的なインターネット利用者が非常に多く、世界で最も急速に成長するPC市場である」と考えを述べた。
ただ、「実際のところIT投資の75%近くが古いシステムのメンテナンスに費やされているのが現状であり、ITの複雑化を解消し、時間、お金、人材の有効活用を進めるためにも、ITのシンプル化は不可欠。競合他社は複雑化に突き進んでいるが、我が社はシンプル化を進めることで効率的に業務を推進していきたい」とした。
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