Vistaの電源ボタンを交換するサクッとおいしいVistaチップス 25枚め

» 2007年10月31日 11時00分 公開
[織田薫,ITmedia]
今回のチップスが使えるエディションは?
エディション Home Basic Home Premium Business Ultimate
対応状況
Windows Vistaのスタートメニューにある電源ボタンを押すとスリープになる。シャットダウンや再起動を行うには、スタートメニュー右下の矢印ボタンをクリックして選択する

 Windows Vistaのスタートメニューは、検索窓の右側に電源ボタンが用意されている。このボタンを押すと、即座にスリープ状態に入る仕組みだ。Windows XPの場合、スタートメニューにあるシャットボタンを押すと、終了の動作(ログオフ、再起動、シャットダウン、スタンバイ、休止状態)を選択するダイアログが表示されていたため、初めてVistaに触れると戸惑うことが多い。

 Vistaで再起動やシャットダウンを行うには、スタートメニュー右下の矢印ボタンをクリックして表示されるメニューから選択すればよいのだが、この操作を少し面倒に感じる人もいるだろう(デスクトップをアクティブな状態にして、Alt+F4キーでシャットダウンメニューを表示することも可能)。そもそも、電源ボタンに「スリープ」などの文字が併記されているわけではないので、シャットダウンしたつもりでスリープを利用している人もいるかもしれない。

 スタートメニューの電源ボタンがスリープに割り当てられているのは、マイクロソフトが「Vistaの終了時はスリープを利用すること」を推奨しているためだ。スリープとはVistaで新しく追加された電源状態で、高速な復帰というスタンバイの利点に、データ保護という休止状態の利点を組み合わせたもの。スリープを利用することで、消費電力を抑えられるだけでなく、Vistaの終了と起動の待ち時間を大幅に短縮できる。

 確かにVistaでスリープを常用する環境では、ダイアログを表示させずに即座にスリープ状態に移行できる電源ボタンは使い勝手がよい。特にモバイルノートPCなど頻繁に終了と復帰を繰り返すような利用シーンでは、スリープが大いに役立つ。

 とはいえ、PCを据え置きで利用している場合は、スリープではなくシャットダウンをしたいことも多いだろう。デスクトップPC向けのスリープ(ハイブリッドスリープ)では、PCの状態をメインメモリとHDDの両方に書き込むため、誤って電源ケーブルを抜いたり停電してしまった場合でも、休止状態と同じようにHDDに書き込まれたデータから復帰できるが、節電のために待機電力を極力抑えたいという要求はあるはずだ。

 PCの終了時にスリープではなくシャットダウンをメインで使いたい場合は、電源ボタンの役割を変更すればよい。スタートメニューに表示する電源ボタンの役割を変更するには、コントロールパネルの電源オプションを利用する。コントロールパネルの「システムとメンテナンス」で「電源オプション」を選び、電源プランのメニューで現在選択されているプランの「プラン設定の変更」をクリックし、「詳細な電源設定の変更」から設定を行う。

コントロールパネルの「システムとメンテナンス」で「電源オプション」を選択。電源プランのメニューでは、現在選択されているプランの「プラン設定の変更」をクリックする(写真=左)。電源プランの「詳細な電源設定の変更」をクリック(写真=中央)し、「電源ボタンとLID」の「[スタート]メニューの電源ボタンの操作」で「シャットダウン」を選択する(写真=右)。電源ボタンの操作は、休止状態を選ぶことも可能だ。ノートPCの場合は、バッテリー駆動と電源に接続の2パターンで電源ボタンの動作を指定できる

スリープとシャットダウンでは、スリープボタンの形状が変わる。左がスリープで、右がシャットダウンだ

 ちなみにノートPCではバッテリーが用意されており、不意に電源が落ちるケースは少ない。そのため、ノートPCのスリープでは最初にメモリメモリのみにデータを待避しておき、バッテリー容量が少なくなった段階(デフォルトでは18時間)でHDDにデータを書き込んで休止状態に入る仕様となっている。

 この設定については、前述した「詳細な電源設定の変更」を開き、「スリープ」の項目にある「ハイブリッドスリープを許可する」の項目をオンにすれば、デスクトップPCと同じように、電源ボタン押下時にPCの状態をメインメモリとHDDの両方に書き込むハイブリッドスリープとなる。

過去に紹介したVistaチップスと各エディションの対応状況
内容 Home Basic Home Premium Business Ultimate
24枚め:Windows Media Player 11の共有機能を利用する
23枚め:Vistaの「プログラムと機能」をカスタマイズする
22枚め:VistaでDHCPサーバからIPアドレスを取得できない場合に対処する
21枚め:Vistaの「Windows転送ツール」を活用する
20枚め:VistaでHDDのパーティションを結合/分割する
19枚め:Vistaで接続できないNASに対処する
18枚め:VistaのWindows Updateを使いこなす
17枚め:VistaとWindows XP間の文字化けを解消する
16枚め:Internet Explorer 7のタブ機能をカスタマイズする
15枚め:Internet Explorer 7のユーザーインタフェースを改造する
14枚め:Vistaのジャンクションを理解する
13枚め:Vistaでユーザー用フォルダの参照先を変更する
12枚め:Vistaでファイルやプリンタを共有する
11枚め:Vistaの詳細ブートオプションを利用する
10枚め:Vistaの便利な機能を有効に、不要な機能を無効にする
9枚め:VistaにXP用ドライバを手動でインストールする
8枚め:ファイルとレジストリの仮想化を理解する
7枚め:「システムの復元」と「以前のバージョン」で使う領域を変更する
6枚め:WindowsメールにOutlook Expressの環境を取り込む
5枚め:非対応のWindowsヘルプを利用可能にする
4枚め:間違って削除したファイルを復元する
3枚め:「ファイル名を指定して実行」をスタートメニューに加える
2枚め:アプリケーションを管理者として実行する
1枚め:ユーザーアカウント制御を使いこなす

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