1920×1200解像度の広色域パネル(NTSC比92%)を搭載したナナオの新型液晶テレビ「FORIS.HD」が登場。そのこだわりや根底に流れる思想は、やはりFORISシリーズと呼ぶにふさわしいものとなっている。
ナナオの液晶テレビ“FORIS”シリーズに、フルHDモデルが追加された。その名もずばり、「FORIS.HD」である。24V型(DT24ZD1)と27V型(DT27ZD1)の2製品がラインアップされ、いずれも1920×1200解像度のパネルを採用。当然ながら、地上/BS/CSデジタル放送チューナーを搭載するとともに、内蔵スピーカーへのこだわりに関しても、まさしくFORISシリーズならではのものとなっている。
映像をより精細に描写できるフルHDは、特に37V型超あたりの大画面テレビでは必要不可欠な要素といえるが、「FORIS.HD」での意味合いは少し違う。つまり、ハイビジョン映像の精細さを、近接視聴でしっかりと堪能するためのフルHD対応というわけだ。
今回の製品では、主なターゲットをデスクトップユースとしている。24V型は書斎の机の上などに置いて、PCでの作業に加え、デジタル放送の視聴、あるいは、ハイビジョンビデオカメラや高精細映像出力対応ゲーム機を接続して楽しむのに最適だろう。また、27V型ならリビングでの利用も大いにありえるが、その場合でも、視聴位置からあまり離れていないソファテーブルやテレビボードへの設置が想定される。
いずれの利用シーンにも共通しているのは、“映像を眺める”というよりは、むしろ“映像に見入る”という感覚だろう。一般的なテレビでは、少し距離をとって鑑賞する分には問題ないが、近寄って細部まで見つめようとすると粗が目立ってしまうというケースも多い。しかし、この「FORIS.HD」では、1メートル以下、数十センチレベルでの近接視聴でも映像が破綻して見えることはほぼなく、まさしく“デスクトップ・ハイビジョン”の世界に誘ってくれる。
「FORIS.TV」では、全体にバランスのとれた映像品質もさることながら、本体の存在感も主たる要素であり、リビングという空間とともにトータルで、高品質なエンターテイメント体験(あるいは、レクリエーションとでもいうべきか)を提供してくれるという印象があった。一方、この「FORIS.HD」では、まるで理詰めで追求するかのように、ずばずばと映像品質の高さを見せつけてくる感じだ。
パネルの解像度が上がったことで、当然ながら見た目にもより緻密な映像となっているのだが、実際の視聴においては、それにもまして映像の立体感や、暗部までしっかりと描写される階調表現こそが、誰もが没頭しうる映像を作り上げているように思える。
また、「FORIS.HD」の映像を見ていると改めて、FORISシリーズが当初から目指していた“ナチュラルコンフォート”という方向性の正しさや、それを具現化した「FORIS.TV」の素性のよさを再認識してしまうのもたしかだ。
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提供:株式会社ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年3月31日