17インチワイドとサイズの大きいディスプレイを採用しているおかげで、かなりゆったりとしたキーボードが採用されている。キーボードは7段配列になっており、通常であれば「Fn」キーとの組み合わせで省略されがちな「PrintScreen」や「Pause」といったキーもきちんと用意されており、デスクトップPCとほとんど同じ感覚で入力できる。カーソルキーも大きく操作感は良好だ。
ポインティングデバイスはパッド方式で、上下左右のスクロール領域が設けられるなど、マウスがなくとも良好な操作感を実現している。このほか、前面にはマルチメディア関連の操作ボタンも用意されており、リモコンの代わりとして手軽に利用できる。
本体の左右側面や背面にあるポートのレイアウトにも余裕がある。本体側面にはUSB 2.0×2と光学ドライブ、本体右側面にはスマートカードリーダー、ExpressCardスロット(34/54対応)、IEEE1394(4ピン)、オーディオ入出力端子、メモリカードリーダー(メモリースティック(PRO含む)/SDメモリーカード/MMC/xDピクチャーカード)などが用意され、本体の背面にはS-Video出力、ギガビットイーサ(1000BASE-T対応)、モデム、USB 2.0×4、DVI-D端子、アナログRGB、ACアダプタの各端子が用意される。
最後にベンチマークプログラムを利用して、Precision M6300の性能を測定する。テストに利用したのはFutureMarkのPCMark05 v1.2.0、3DMark06 v1.1.0、FinalFantasy XI Official Benchmark 3だ。
なお、すでに述べたように本製品はBTOによる注文方式であるため固定スペックはないが、今回のレビューに利用した製品のスペックはCPUがCore 2 Extreme X7900(2.8GHz)、2Gバイトメモリ(1Gバイト×2)、HDDはHitachi HTS722080K9A300(7200rpm)、OSはWindows Vista Businessという構成になっている。
比較対象は、以前にレビューしたThinkPad T61pで、Core 2 Duo T7700(2.4GHz)、メモリ1Gバイト(1Gバイト×1)、GPUはQuadro FX 570M、HDDはST910824AS(5400rpm)というスペックになっている。
ベンチマーク | テスト項目 | Precision M6300 | ThinkPad T61p |
---|---|---|---|
PCMark05 | PCMark | 6768 | 4457 |
HDD - XP Startup | 8.62 | 4.77 | |
Video Encoding | 497.45 | 334.19 | |
Image Decompression | 39.18 | 14.7 | |
File Compression | 6.65 | 4.87 | |
HDD - General Usage | 6.05 | 3.64 | |
HDD - Virus Scan | 79.54 | 30.38 | |
3DMark06 | 3DMark Score | 4786 | 3806 |
FinalFantasy XI Official Benchmark 3 | Low | 9093 | 8122 |
High | 6411 | 5720 | |
Precision M640が、CPUに最高峰のCore 2 Extremeを採用していること、メモリがデュアルチャネル構成であること、さらにはHDDが7200rpmのドライブであることなどから、そのベンチマークの結果はThinkPad T61pを完全に上回っている。ノートPCとしては“比類なき性能”を実現しているといっていいだろう
Precision M6300はCore 2 Extreme X7900や7200rpmのHDDを選択可能であること、さらには、ノートPC向けGPUとしては最高峰と言ってよいDirectX 10対応のQuadro FX 1600Mを標準で採用するなど、そのパーツ構成は強力で、ベンチマークの結果からもわかるように、デスクトップPCも軽く上回る性能を実現する。
もちろん、強力な構成を選べば価格も高くなるが、ローエンド構成なら20万円弱から購入できるわけで、コストパフォーマンスが悪い製品とはいえないだろう。17インチワイドサイズのディスプレイとQuadro FX 1600Mの強力なパワーを利用してPCにハードな処理をさせたいプロユーザーにとって、非常に有力なノートPCといえるだろう。
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