本体にバンドルされているゲームは、本体内蔵が5種類、CDに収録されているものが19種類とかなり充実した。ただし、これらはF100でも動作するものであり、タッチパネルを活用したものではないことに注意してほしい。例えばEnigmaのメニュー画面はマウスカーソルを方向キーで操作して選択するようになっているが、タッチパネルで操作できるようにはなっていない。
互換性については残念ながら微妙なところだ。そもそも動作しないものもあれば、サムスティック押し込みを決定ボタンとして使用しているために、途中で操作不能になるものもある。とはいうものの、「そのまま動かないものは多数ある」が、「修正は容易」というのが現状のようだ。
事実、動作しないソフトの筆頭に挙げられていたマルチアーケードゲームエミュレータMAMEは11月3日リリースの4.9でF200に対応した。このあたりの対応の早さはオープンソース系の強みだ。また、これらの情報はgp2x File Archiveや、GP32.COMなどに寄せられているのでこまめにチェックしておこう。また、重要な情報については、F200の国内最速発売をうたうMELONCOKEに日本語訳が掲載されている。
F100とF200は少なくとも日本では並行して販売されることになりそうだ。国内で正規に取り扱いを行うテルテンの予告によると、F200はF100の+2000円、2万9800円ということなので、購入に踏み切るかどうかはタッチパネルに対応したメリットと、過去のソフト資産に対する(一時的な?)非互換性をどう見るか、だろう。
残念ながら現時点ではタッチパネルを利用したアプリケーションが皆無であるため、非互換性のデメリットのほうが大きい。しかし、今後を考えるとタッチパネルの採用によってマウスが必要なソフトなどもF200専用として登場してくる可能性は高い。
例えば、ペイントツールはその典型であるし、ゲームにしても麻雀やソリティアなどは操作性の大幅な向上が期待できる。すぐに手書き文字入力ライブラリが登場することは期待できないにしても、ソフトウェアキーボードは可能だろうから、stermなど文字入力を必要とするアプリケーションにも期待が高まる。
ただし、すみからすみまでいじり倒せる、というハッキングの魅力に関しては、F100に軍配が上がる。クレードルが必要で、なおかつシリアル接続のみ、というF200の現状は、一般常識に照らし合わせてみればいたって普通のことではある。だが、F100のUSB Networkによる異常な快適さ、あけっぴろげさを知ってしまうとやはり不満に感じるのも事実だ。
今後F200用のRNDIS/Ethernet Gadgetドライバが出てくれば話は変わるが、メニューからExplorerを廃止したことを見てもちょっと期待できないのではないかと思われる。不用意にシステムを破壊することを回避するため、ユーザーに開放するのはSDメモリーカードのみ、という方針に転換したのかもしれない。
プログラムを作ったり、ハックしたりするつもりがなく、今回初めて購入するのであれば、将来性に期待してF200を選ぶのもよいだろう。しかし、ハックの魅力に引かれて真っ先にF100を購入したユーザーは、もうしばらく様子を見てもいいかもしれない。F200が劇的に変わるかどうかはF200でしか動作しないソフトが登場するかどうかにかかっている。その結果が出るのはもう少し先になりそうだ。
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