今回のチップスが使えるエディションは? | ||||
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エディション | Home Basic | Home Premium | Business | Ultimate |
対応状況 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Windows Vistaの動作が遅くなる原因はいくつかあるが、ハードウェアの性能に対してリッチすぎるGUIがネックになっている場合が多い。根本的には、CPU、メモリ、HDD、グラフィックスカードといったハードウェアを強化すれば、レスポンスは確実に向上するし、VistaではUSBメモリなどのフラッシュメモリを使った高速化機能「ReadyBoost」も用意されている。ハードウェアの強化は最も有効な手段に違いない。
とはいえ、コストをかけなくてもVistaの設定を変更することで、動作速度の遅さをある程度は改善できる可能性がある。今回はその一例として、視覚効果のカスタマイズ方法を紹介しよう。特にメインメモリの容量は十分にあるのにVistaの動作が遅くてイライラしているという人は、試してみてはどうだろうか。
Vistaの視覚効果は、システムのプロパティにある「パフォーマンスオプション」の「視覚効果」タブからまとめて指定できる。視覚効果のタブには4つの選択肢が用意されており、デフォルトでは「コンピュータに応じて最適なものを自動的に選択する」の設定になっているが、PCの性能にかかわらず全視覚効果を有効にする「デザインを優先する」、全視覚効果を無効にする「パフォーマンスを優先する」、そして視覚効果を個別に有効または無効にできる「カスタム」の設定も可能だ。
「パフォーマンスオプション」の「視覚効果」タブに用意されたメニュー | |
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メニュー項目 | 内容 |
コンピュータに応じて最適なものを自動的に選択する | PCの性能に応じて視覚効果を自動適用する(デフォルト) |
デザインを優先する | 視覚効果の全項目をオンにする |
パフォーマンスを優先する | 視覚効果の全項目をオフにする |
カスタム | 視覚効果の各項目をオン/オフできる |
「パフォーマンスを優先する」の設定は面倒が少なく、高速化に最も有効だと考えがちだが、見た目がWindows 2000のようなクラシックスタイルになり、これではVistaをせっかく使っている意味があまりなくなってしまう。見た目と性能を両立したいならば、「カスタム」の設定にして、個別に必要な視覚効果を取捨選択したほうがよいだろう。
視覚効果の「カスタム」では、チェックボックスがオンになっている項目が多いほど、デザイン重視のユーザーインタフェースとなり、基本的にCPUやグラフィックスチップにかかる負荷が大きくなる。多くの項目はWindows 2000/XPでもおなじみのものだ。「カスタム」の視覚効果は、Aeroが有効になっていないシステムの場合で18項目、有効になっている場合で20項目の設定が行える。Aeroが有効になっている場合は、「デスクトップコンポジションを有効にする」と「透明感を有効にする」の2つが設定可能だ。
Windows内のアニメーションコントロールと要素、アイコンのかわりに縮小版を表示する、ウィンドウとボタンに視覚スタイルを使用する、ウィンドウを最大化や最小化するときにアニメーションで表示する、コンボボックスをスライドして開く、スクリーンフォントの縁を滑らかにする、タスクバーボタンをスライドする、デスクトップコンポジションを有効にする、デスクトップのアイコンに影を付ける、ドラッグ中にウィンドウの内容を表示する、ヒントをフェードまたはスライドで表示する、フォルダでプレビューとフィルタを表示する、マウスポインタの下に影を表示する、メニューの下に影を表示する、メニューをフェードまたはスライドして表示する、メニュー項目をクリック後にフェードアウトする、リストボックスを滑らかにスクロールする、各フォルダの種類に背景画を使用する、透明感を有効にする、半透明の「選択」ツールを表示する
次のページでは、Aeroが有効な場合に選択可能になる項目について、もう少し詳しく見ていこう。
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