デル初のHDMI搭載液晶ディスプレイ――「SP2208WFP」の出来栄えは?200万画素Webカメラも装備(1/3 ページ)

» 2007年11月22日 11時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

急速に増えつつあるHDMI搭載の液晶ディスプレイ

デル「SP2208WFP」

 デルから、同社初のHDMI搭載液晶ディスプレイ「SP2208WFP」が発売された。多数の液晶ディスプレイを矢継ぎ早に国内市場へ投入し、その高いコストパフォーマンスで人気を博しているデルだが、意外なことにこれまでHDMI入力端子を採用したモデルはなかった。現在、特に国内市場ではHDMI入力端子を備えた大画面液晶ディスプレイが1つのトレンドになっており、国内外のメーカーがしのぎを削っている。遅ればせながら、デルもその流れに乗った格好だ。

 SP2208WFPは22インチワイド液晶パネルを採用する。解像度は1680×1050ドット(WSXGA+)となっており、1080i/p(1920×1080ドット)のドットバイドット表示には対応しないが、720p(1280×720ドット)を大きく上回る。HDMIで1080i/pや720pの映像信号を入力した場合、どのように表示されるのか気になるところだ。今回は、HDMI入力回りも含めて、SP2208WFPの表示性能に迫ってみた。

ハイパフォーマンスモデルにおなじみのボディを採用

 デルが展開する液晶ディスプレイのラインアップにおいて、SP2208WFPは20インチワイドモデル「SP2008WFP」(2007年9月発売)の上位機に位置付けられる。Webカメラを装備したボディのデザインはそのままに、HDMI入力端子を追加しつつ、画面を20インチワイドから22インチワイドへ大型化している。

 ボディは、デルがハイパフォーマンスモデルに積極的に採用しているブラックとシルバーによるツートーンの配色だ。ブラックのスタンドに光沢感のあるガラスコートをあしらい、高級感に配慮している。液晶パネル周辺のフレームは光の反射が少ないブラックではなく、明るいシルバーだが、マットな塗装なので外光が映り込むことはない。背面の通風口をパンチング加工したブラックのパーツでうまくデザインして隠すなど、個人向けモデルらしく見ためにこだわった作りだ。

 本体サイズは512.8(幅)×146.9(奥行き)×415.2(高さ)ミリ。22インチワイド液晶パネルを搭載するため、横幅はそれなりにあるが、奥行きは短めなので、机上で余計なスペースは取らない。画面下辺の高さは設置面から約9.5センチの位置にあり、画面を自然に見下ろす角度で使用できる。

 スタンドの角度調整は上21度/下4度のチルトに対応。ヒンジはしっかりした作りで、液晶パネルの角度を少しだけ変えるような場合にもピタリと止まる。左右のスイベルは行えないが、本体が約6.75キロと軽いので取り回しはよい。また、背面にVESAのアームマウント規格に準拠した100ミリピッチのネジ穴も用意しており、市販のフレキシブルアームや壁掛けアームを装着することも可能だ。標準装備のスタンドはボタン1つで着脱できるので、アームの装着に手間取ることはないだろう。

チルトに対応した1軸式のスタンドを採用(写真=左、中央)。背面のデザインにも手抜きがない(写真=右)。スタンドにはケーブルを通すための穴が設けられている。

3系統の映像入力と有効200万画素Webカメラを搭載

 映像入力はアナログRGB(D-Sub)、DVI-D(HDCP対応)、HDMI(バージョンなどの情報は非公開)の3系統を装備。HDMIから入力した音声を出力するステレオミニの端子も持つ。いずれの端子も液晶パネル部の背面に下向きで並ぶ。一方で、音声入力の端子やスピーカーは搭載されていない。欲をいえば、液晶パネル部の前面にヘッドフォン出力端子を用意してほしかった。

 このほか、4ポートのUSB 2.0ハブ機能も備えており、背面と左側面に2ポートずつUSBダウンストリームポートを配置している。USBメモリなどを一時的に装着したい場合に、左側面のUSBポートは重宝するだろう。ちなみに、液晶ディスプレイ内蔵のWebカメラを使うには、PCとのUSB接続が必須となる。

主要なインタフェースは背面に下向きで並ぶ(写真=左)。背面には電源ユニットも内蔵している。左側面にUSB 2.0ポートを2つ配置している(写真=中央)。Webカメラは左右にマイクを搭載(写真=右)。カメラがオンになると、カメラの左にある青いランプが光る仕組みだ

 Webカメラは有効画素数200万画素で、カメラの左右にステレオマイクを内蔵している。同梱のソフトウェア「Dell Webcam Software」(Creative製)を利用することで、動画や静止画のキャプチャが可能だ。動画は最大1600×1200ドット/10fps(640×480ドット/30fps)、静止画は最大3200×2400ドットの解像度でキャプチャできる。記録時のフォーマットは、動画がAVI/WMV、静止画がJPEG/BMPを選べる。

 Dell Webcam Softwareは、被写体の動きを検知した場合に動画をキャプチャし、動画の先頭を静止画に変換してEメールで送信する防犯用の「モーションディテクションモード」や、一定間隔で静止画をキャプチャする定点観測用の「インターバル撮影モード」といった機能も持つ。ビデオチャットに利用するアバター作成用ソフト「Live! Cam Avatar Creator」も付属する。

 総じて液晶ディスプレイに標準搭載されるWebカメラとしては高性能で、フェイストラッキングやパン/ズーム、ビデオ/オーディオエフェクトといった便利な機能にも対応している。ただし、本体にカメラの角度を調整するチルト機構がないため、常に少し上から見下ろす映像になりがちな点には注意が必要だ。

Dell Webcam Softwareをインストールすると通知領域にアプリケーションが常駐し、これをクリックするとランチャーが立ち上がる(写真=左)。メインとなるソフトの「Webcam Center」では、動画や静止画をさまざまな方法でキャプチャできる(写真=中央)。顔の移動に応じたカメラの自動追従や、背景画像との合成といった機能を持つ。ビデオチャット用のアバター作成ソフトには、サンプルとして人物や動物の顔データが用意されており、顔の各部をカスタマイズできる(写真=右)。

 次のページからは液晶パネルのスペックや画質を見ていこう。

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