イベント後半では、「Spider」に関連する最新ロードマップや進化点について、“兄貴”こと日本AMDの土居憲太郎氏と、“竜英”こと同社 森本竜英氏が言及した。
ちなみに「Spider(蜘蛛)」の名称は、米国本社が「なんとなくつけた」(兄貴)らしく、「左右4本の足がCPUとGPUの各コアを表し、AMD 7シリーズという本体がそれらを結ぶ」という意図は、兄貴が後から提案したものだという。
同社イベント初登場の竜英氏は、GPUとチップセットについて解説を担当。RADEON HDシリーズのロードマップに言及し、来年の初頭に2基のGPUを搭載した「RADEON HD 3870 X2」というハイエンド向けのグラフィックスカードを投入すると語った。「1基のPCI Express x16スロットでCrossFireが楽しめます」(同氏)。また、AMD 7シリーズについて、「エントリー向けのAMD 770チップセットでもPCI Express 2.0に対応しており、あらゆるユーザーが最新テクノロジーを利用できます」とアピールした。
そして、最後のセッションで土居氏が登場。これまでのイベントで紹介したCPUのロードマップを一通り説明したのち、今年中にチューニング性を高めた「Phenom 9600 Black Edition」を発売するといった新情報を明かした。続いて、来年3月までにPhenom 9900/9700、来年6月までにトリプルコアのPhenom 8000シリーズやPhenom FXシリーズを発表するという。
また、Phenom 9500が発売解禁となった前日に“神様”ことインテルの天野伸彦氏がアキバに現れ、「Core 2 Extreme QX9650」のオーバークロックデモを敢行したことにも言及。司会の佐藤氏が「直線番長なら他社の製品を買ってください」と言い、土居氏も「トータルバランスでいくならAMD製品です」とアピール。そのままPhenom 9500とAthlon X2 6000+マシンのベンチマークデモに移行した。
ベンチマークでは「CINEBENCH 9.5」で、3.0GHz動作のAthlon X2 6000+マシンが27秒かかったのに対し、2.2GHz動作のPhenom 9500マシンが20秒で完了した。ほかのベンチマークでも、マルチコア対応のソフトにおいてはPhenom 9500マシンの優位性が目立つ結果となり、クアッドコアの性能が発揮しにくい「3DMark06」でも拮抗したスコアになることも示した。
土居氏は「ネイティブクアッドコアの性能をフルに堪能するには、対応アプリケーションが必要です。ただ、従来のAthlon X2シリーズに比べ、Phenomはコア自体が改良されており、パフォーマンスが底上げされています」と、クロック数だけで計れない性能の高さを強調した。
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