マイクロソフトが、来春発売予定のMac版Microsoft Officeについて製品説明会を行なった。すでに同社のWebサイト「MacTopia」を通して情報公開が始まっている「Microsoft Office 2008 for Mac」だが、製品説明会では発売日の発表とともに製品の詳細なデモンストレーションが行なわれた。
「Microsoft Office 2008 for Mac」は、2008年1月16日(日本時間)から日米同時発売となる。これは米国サンフランシスコで行なわれる毎年恒例イベント「Macworld Expo/SF」の会期中にあたる。
製品パッケージのラインアップは「Microsoft Office 2008 for Mac」、「Microsoft Office 2008 for Mac Special Media Edition」、「Microsoft Office 2008 for Mac ファミリー&アカデミック」の3種類で構成される。「Microsoft Office 2008 for Mac」が標準パッケージで、ボリュームライセンスなどの対象になるのもこれだ。一方、Special Media Editionは、標準パッケージよりわずか3000円だけ高い価格で、単体発売時の価格が2〜3万円になると見られているメディア管理ソフト「Microsoft Expression Media」が付属する。
だが、今回の3種類のパッケージの中で一番の目玉となるのは「ファミリー&アカデミック」パックで、これは価格的にWindows版OfficeのOEM版と比べても遜色のない価格設定になっている。おまけにWindows用のOEM版OfficeではPowerPointが付属しないことが多いが、「ファミリー&アカデミック」パックはPowerPoint 2008 for Macも標準で付属し、さらに同じ家庭内のMacなら3台まで同時利用できる3ライセンスが同梱されている。
ただし、「ファミリー&アカデミック」パックは、Microsoft Exchange Serverサポート及び定形作業を自動化するAutomatorツールは付属しない。また利用条件も非商用利用に限定される。なお、標準パッケージと「Special Media Edition」については、旧バージョンからのアップグレード版も用意されており、価格はそれぞれ2万8000円、3万2800円。Microsoft Office 98以降のMac版Officeがアップグレード対象となっている。
Microsoft Office 2008 for Macは5つのアプリケーションからなる。ワープロソフトの「Word 2008 for Mac」、表計算ソフトの「Excel 2008 for Mac」、プレゼンテーションソフトの「PowerPoint 2008 for Mac」、そしてメールや連絡先、スケジュール管理を行なう「Entourage 2008 for Mac」と、インスタントメッセンジャーの「Microsoft Messenger 2008 for Mac」だ(これに加えて、Entourageに登録した予定のうち一日分の情報だけを表示するアプリケーション「My Day」も追加されている)。
これらのアプリケーションのうち「Microsoft Word 2008 for Mac」及び「Microsoft Excel 2008 for Mac」のみ単体パッケージでも発売される。価格は2万7800円(アップグレード1万2800円)で、2月8日より発売される。
このほかマイクロソフトは、新Officeの発売にあわせて、2月1日に「Microsoft Office 2008 for Mac Launch Celebration」を開催予定。イベントの詳細については、同社Mac BU(Macintosh Business Unit)の公式ホームページ、「MacTopia」にて後日案内予定だ。
発表会では、同社ホーム&エンターテイメント事業本部リテールビジネス事業部長の五十嵐章氏が、製品の概略を説明。新しいPowerPointでは、スライドをiPod touch用に書き出す機能が追加され「プレゼン前に移動中の新幹線で予行演習ができる」など、Mac版Office特有の特徴を紹介した。
続いて登壇したリテールビジネス事業本部コンシューマー製品部エグゼキュティブプロダクトマネージャーの仲尾毅氏は、アップルとマイクロソフトの関係には30年近くの歴史があること、MicrosoftのMac BUは約200名からなるMac市場最大のソフトウェア開発チームであることや、本社にMac miniがズラっと並ぶMac Labがあることをなどから話を切り出した。
Office 2008 for Macは、同部門が出す3年半ぶりの新製品で、4つのキーとなるポイントがある。
1つめは、ついにIntel CPU搭載MacとPowerPC搭載Macのどちらにも最適化したUniversalアプリケーションになったことだ。
2つめは、Windows用Office最新版でも採用している2007 Office Systemとの共有技術を搭載したこと。
3つめは、Mac BUが常に重視しているMacならではのイノベーション、「Mac First、Mac Only(Mac版で先に提供する新機能、Mac版のみの新機能)」を今回も実現したこと。
そして4つめは「最新の互換性」、つまりWindows版の最新Officeとの互換性を実現していることで、Open Office XMLという、「Ofiice System 2007」でも採用されている最新の書類フォーマットにも正式に対応したことだ(なお、現行のOffice 2004 for Macでも「Microsoft Office Open XML File Format Converter for Mac」を使って変換すれば利用できる)。
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