SuiteNaviで連携もスムーズ――ジャストシステム2008年向け新製品今度のATOKは体感がキーワード(1/2 ページ)

» 2007年12月11日 21時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

年1回のワクワク感を楽しみにしてほしい

 ジャストシステムが、「一太郎」やオフィススイート「Just Suite」をはじめとする主力ソフトウェアの新バージョンを発表した。発売予定日は2月8日で、詳細記事はこちら(ジャストシステム、2008年度版「ATOK」「一太郎」を発表ジャストシステム、一太郎/ATOK 2008と連携できるオプション製品を同時発売)を参照してほしい。

 発表会では、ジャストシステム代表取締役社長の浮川和宣氏が「一太郎2008をはじめとした新製品は2008年2月に出荷されます。一太郎の長い歴史の中で、2月の出荷は今回で9回目を数えます」とし、一太郎を雑誌に例えて「一太郎は、年刊誌のように1年間に1回みなさんのお手元に届けることができるようになれればと思っています」と述べた。また、「毎年毎年、新製品にワクワク感を感じてもらえるとうれしい。今後も、着実に製品作りを行っていくので期待してください」とあいさつした。

浮川和宣ジャストシステム代表取締役社長(写真=左)。今回投入される新パッケージ(写真=右)

新開発のSuiteNaviでつながるオフィススイートを目指す

 続いてJust Suite ビジネスオーナー 大野統巳氏が登壇し、新製品の概要を説明した。

 大野氏は22年間進歩を続けてきた一太郎の歩みを振り返りつつ、「2007年リリースしたオフィススイートのJust Suite 2007は、ユーザーの反応も好評だった」と総括し、「Just Suite 2008のテーマは“つながるSuite”で、その中核をしめるのがSuiteNaviだ」と新ツール「SuiteNavi」を紹介。

 このSuiteNaviは、1つの画面で“探す、見る、共有する”ことができるツールで、Just Suite 2008に搭載されている。ビューワーやテキストエディタ、Web検索、RSSリーダーなどの各機能を備えており、必要なデータにすぐアクセスできるだけでなく、情報の収集も同一画面で行える。加えて、画面の左下にある「起動プログラム」から一太郎や三四郎、Agree、Wordなどが呼び出せるほか、関連付けされた別のソフトウェアでも起動でき、文書形式を気にせず編集・作成作業が可能だ。

 また、SuiteNaviでは通常7ステップかかるPDFファイルの作成からメールへの添付作業が、わずか2ステップで行えるなど、使いやすさにもこだわっている。このように、「これまでのオフィススイートはアプリケーション主導であったが、これからはファイルを中心につながるオフィススイートを目指す」と、Just Suite 2008のコンセプトを語った。

新オフィススイート「Just Suite 2008」の開発コンセプト(写真=左/中央)と、新ツール「SuiteNavi」の概要(写真=右)

SuiteNaviの画面で、アプリケーションを起動せずにファイルの中身を確認できたり(写真=左)、起動するアプリケーションを選ぶことができる(写真=中央)。SuiteNaviではファイルの加工やメール添付がワンタッチで簡単に行える(写真=右)

 なお、Just Suite 2008はSuiteNavi、一太郎2008、三四郎2008、花子2008、Agree 2008、Shuriken 2008、JUST PDF[作成・編集]、ATOK 2008 for Windowsで構成されている。

 動作環境はOSがWindows Vista/Windows XP(SP2以上)/Windows 2000 Professional(SP4以上)、CPUとメモリは使用するOSが推奨する環境以上で、必要HDD容量は2Gバイト以上だ。

170以上の開発項目を盛り込んだ一太郎2008

各ファイルフォーマットの対応状況

 続いては、各ソフトウェア別に強化ポイントを見ていこう。

 日本語ワードプロセッサソフトウェアの「一太郎2008」では、新バージョンでフェーズと添削機能の強化が行われた。前バージョンの一太郎2007で搭載したフェーズについては改良が加えられ、特にビューアフェーズでは、文書の複数画面表示に対応したり、他人が作った文書は自動的にビューアフェーズで開いて誤編集を防ぐようになったのが目新しい。

 Webとの連係機能では、従来からあるGoogleとの連携に加え、Yahoo! JAPANやgooといった検索エンジンにも対応。Internet Explorerで選択した範囲を、コンテキストメニューから一太郎2008に簡単に取り込むことができるようになった。

 添削機能では新たに「添削ナレッジウィンドウ」を搭載し、添削内容や反映情報などの一覧性が向上。また、「Just Right!3」相当の最新校正エンジンの採用や、削除・追加画面の吹き出しの中にコメントが記入できるようになっている。

一太郎2008での強化点(写真=左)新たにOpenTypeフォントで定義されている異体字をサポートし、より正確な表現が可能になった(写真=右)

新搭載の添削ナレッジウィンドウでは、吹き出しにコメントが書き込めるようになった(写真=左)。縦書きでも吹き出しは表示される(写真=中央)。そのほかの強化点(写真=右)

使い勝手を高めるバージョンアップ

 表計算ソフトウェアの「三四郎2008」では、ワークシート上にデータベースを作る際にカード型画面を表示させるカード型編集機能の搭載がポイントだ。

 プレゼンテーションソフトウェアの「Agree 2008」では、従来以上のPowerPointとの互換性強化とスライドエフェクトの追加などを行った。また、PowerPointユーザーでも迷わずに操作できるようにユーザーインタフェースを改良したり、約1万5000点のイラスト(前バージョンは約1000点)を盛り込んでいる。

 そして統合グラフィックスソフトウェアの「花子2008」では、オートレイアウト機能の搭載など文字入力ウィンドウの機能強化と、ドロップシャドウや反射といった新しい図形効果の追加が目玉だ。

表計算ソフト「三四郎2008」の強化ポイント(写真=左と中央)。新バージョンでは、表の1行1行をレコードとして認識し、カード型画面で内容の編集が可能になった(写真=右)

プレゼンテーションソフト「Agree 2008」の強化ポイント

Agree 2008ではスライドの一部(あるいは全部)を隠しておける「めくり機能」やスポットライト機能(写真=左)を搭載したり、マウスポインタの種類やサイズを変更できるようになった(写真=右)

統合グラフィックスソフト「花子2008」の強化ポイント(写真=左と中央)。図版の任意の場所にテキストを書き込んでも、自動的に表やグラフなどをレイアウトし直してくれる(写真=右)

 次のページでは、ATOKの新バージョンについて見ていこう。

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