ソニーがHIGH-SPEED対応PCとして用意したモバイルノートは直販のVAIOオーナーメートモデルで、11.1インチワイド液晶搭載の「VAIO type T」と、13.3インチワイド液晶搭載の「VAIO type S プレミアムバージョン」だ。VAIO type S プレミアムバージョンには、液晶ディスプレイのヒンジ部に専用のアンテナが追加される。それ以外の外観や基本スペックは既存のモデルと同じなので、詳しくは下記の関連記事を参照してほしい。
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これらは同社直販のソニースタイルから購入でき、HSDPA対応通信モジュールはBTOで選択可能なメニューの「ワイヤレスWAN」として追加されている。HSDPA対応通信モジュールを選択した場合の価格増は2万円だ。
BTOでの制限事項は、VAIO type TでHSDPA対応通信モジュール選択時に、CPUのCeleron Mやワンセグチューナーを選べなくなることくらいだ。富士通の対応機種と比較するとBTOの自由度は高く、CPU、メモリ、HDD(VAIO type SはハイブリッドHDD、VAIO type TはSSDも選択可)、無線LAN、バッテリーなどに加えて、ボディカラーも自由に選択できる。
今回は、VAIO type TをHSDPA通信サービスの検証用に入手した。「VAIO 10周年記念モデル」として2007年夏モデルでリニューアルされ、デザインモチーフに初代VAIOノート「PCG-505」のテイストを取り入れたことで、注目を集めた製品だ。また、PCG-505発売10周年記念モデルとして、バイオレットカラーの505台限定モデルが発売されたことも記憶に新しい。
評価機は、CPUがCore 2 Duo U7500(1.06GHz)、チップセットがグラフィックスコア統合型のIntel 945GMS Express、メインメモリが1Gバイト、HDDが80GバイトSerial ATA、光学ドライブが2層対応DVDスーパーマルチ、プリインストールOSがWindows Vista Home Premiumといった標準的なスペックだ。ボディカラーはブラックを採用している。この構成で直販価格は23万4800円だ(2007年12月14日現在)。
VAIO type Tに内蔵されているHSDPA対応通信モジュールは、イギリスに本拠を置くOptionのGlobeTrotterブランドに属する製品だった。内部的には、USB 2.0 High-Speedで接続されている。SIMカードは、背面のバッテリーパックを取り外すと露出する専用スロットに挿入する仕組みだ。
デバイスマネージャなどでは、モジュールの詳細な型番などは判別できなかったが、Optionの現行製品はすべて受信最大7.2Mbps、送信最大2Mbpsまでハードウェアスペックとしては対応しており、HSUPAに対応することも可能だ。ただし、本機では当然のことながら、FOMAによる受信最大3.6Mbps、送信最大384kbpsでの利用に制限される。
HSDPA通信用のユーティリティは、独自のネットワーク接続管理ソフト「VAIO Smart Network」に「WWAN」(Wireless WAN)として統合されている。有線/無線LANやBluetoothなど既存の通信デバイスと同等の扱いとなっており、ほかのネットワーク機能も含めて、デスクトップに常駐可能なコンパクトなウインドウからオン/オフを切り替えることが可能だ。
VAIO Smart Networkに搭載されたHSDPA関連の機能は、電波状態の確認やPINコードの設定などシンプルにまとまっている。ちなみにVAIO Smart Networkでは、接続ユーティリティをプリインストールのNTTドコモ提供のものだけでなく、ほかのソフトも指定が可能だ。例えば、MVNOでISPなどがFOMAネットワークでのインターネット接続サービスを開始した場合などにも対応できる。ユーティリティのウインドウからは、ダイヤルアップ接続を直接実行するように設定が行える。
定額利用でのインターネット接続ユーティリティには、NTTドコモの「DoCoMo 定額データプラン接続ソフト」がプリインストールされている。定額データプランHIGH-SPEEDは段階性の定額料金になっているので、これに合わせて使用料金の目安も表示可能だ。
事前にNTTドコモやISPとの契約が済んでいれば、設定ウィザードを実行するだけでインターネット接続サービスの利用をすぐに開始できる。この点はVAIO固有の機能ではなく、富士通の対応機種や別途通信カードなどを用いた場合も共通だ。
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