Windows XPの標準メールソフトは「Outlook Express」、Mac OS Xの標準メールソフトは「Mail」だ。この両者のメールボックスの保存形式には互換性がなく、前者から後者に直接メールボックスを引き継ぐことはできない。
オープンソースのメーラー「Thunderbird」を間に入れて、Outlook Express(Windows)→Thunderbird(Windows)→Thunderbird(Mac)→Mail(Mac)と変換していけば移行は可能だが、これはちょっと面倒だ。
さて困った。困ったときは”Google先生”だ。またGoogle頼りかよ、と思われるかもしれないが、実際便利なのだからしかたない。
今回利用するのは、もちろん「Gmail」だ。Gmailについて改めて詳しく説明する必要はないだろう。現時点で約5Gバイトという膨大な容量、そして通常のメールソフトと同等以上の機能や使い勝手を持つ、“ド定番”のオンラインメーラーだ。そしてGmailは、当然Mac(のブラウザのSafari)にも対応している。
そこでこういう対策案はどうだろう。Macを購入する前に、あらかじめ一足先にOutlook ExpressからGmailに乗り換えておくのだ。そうしておけば、Macを購入したときにはそのままGmailでメールを始められる。そして何も変わらず使い続けられる。
WindowsからMacへのスイッチを考えているのなら、当面はGmailということで問題はないだろう。だが、Macの最新OS「Mac OS X 10.5 “Leopard”」に搭載されているMailの最新バージョンが実はかなり強力なのだ。どうせMacに乗り換えるなら、いずれはこちらへの移行をおすすめしたい。Thunderbird経由の移行は面倒だけど、その価値はある。
Leopard版Mailの新機能は多岐にわたるが、最も印象的で、実際に使っていても便利だと思ったのがメモ機能。これは送受信メールとは別に自分でメモを作成でき、それらをMailで管理するというものだ。
それの何が便利なのさ? と疑問に思うかもしれないが、Mail、というか一般のメールソフトには、時系列での並び替えや、さまざまな検索条件からの抽出など、メモを管理するために便利な機能がすでに用意されている。つまり、多くのメーラーはメモソフトとしてあらかじめ高い可能性を秘めており、これをうまく利用したのが新Mailというわけだ。
MailにはiCal(スケジュールソフト)と連携する「To Do」機能も用意されていて、アドレスブックとの連携も従来以上に強化されており、使いこなしの幅は広い。あとはこのメモ機能が公式にiPod touchと同期するようになってくれれば言うことはないのだけど……アップルさん、お願いします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.