それでは実際のベンチマークを利用してそのパフォーマンスをチェックしていこう。今回測定に使っているのはPhenom 9900のエンジニアリングサンプルで、ステッピングも現行のPhenomと同じB2となっている。実際に2008年第1四半期にリリースされる予定の製品とは異なっているため、この記事で紹介するテスト結果と実際に出荷される製品で行った場合のテスト結果に違いがある可能性があるのはこれまでのレビュー記事でも述べてきたとおりだが、先ほども説明しているように、甚だしく変わってしまう可能性は低いと思われる。
テストシステムにはASUSの「M3A32-MVP」というAMD 790FXチップセットを搭載したマザーボードを組み込んでいる。なお、今回メモリとして利用したのは、いわゆるオーバークロック用メモリと呼ばれるCorsiarの「TWIN2X2048-9136C5D」だ。NVIDIAの“SLI Memory”(EPP)に対応してDDR2-1142(5-5-5-15、2.1ボルト)で動作する。AMD 790FXはEPPに対応していないが、標準でDDR2-1066に対応しているため、JEDEC仕様に限りなく近いDDR2-1066(6-6-6-15、2.1ボルト)という設定にしている。TWIN2X2048-9136C5DはJEDECのDDR2-1066仕様に準拠しているわけではないし、設定した電圧も2.1ボルトと定格の1.8ボルトより高めだが、それでもDDR2-1066を設定した状態で動作してくれた。なお、「JEDEC準拠」した設定としてDDR2-800に設定した状態の性能も計測している。
AMD 790FXにはオーバークロックツールの「AMD OverDrive」が用意されており、ベースクロックや倍率、HyperTransport 3.0の動作クロック、メモリタイミング、駆動電圧など多様な設定が可能になっている。今回は、AMD OverDriveを利用してPhenom 9900の動作クロックを2.6GHzから2.4GHzに下げた「Phenom 9700 相当」とした状態でもベンチマークテストを行った。Phenom 9700を検討しているユーザーであれば、こちらも参考にしてほしい。
CPU | Phenom 9900(ES) | Phenom 9600 | Athlon 64 X2 | Core 2 Extreme | Core 2 Duo/Core2 Extreme |
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チップセット | AMD790FX | AMD790FX | nForce 590 SLI | Intel X48 Express | Intel X38 Express |
マザーボード | ASUS M3A32-MVP | MSI K9A2 Platinum | FOXCONN C51XEM2AA | Intel DX48BT2 | ASUS P5E3 |
メモリ | DDR2-1066/DDR2-800 | DDR2-800 | DDR2-800 | DDR3-1600 | DDR3-1333 |
メモリモジュール | PC2-8400(6-6-6)/PC2-6400(5-5-5) | PC2-6400(5-5-5) | PC2-6400(5-5-5) | PC3-1066(7-7-7) | PC3-1066(7-7-7) |
容量 | 2Gバイト | ||||
GPU | NVIDIA GeForce 8800 GTX | ||||
グラフィックスメモリ | 768Mバイト | ||||
グラフィックスドライバ | ForceWare 163.69 | ||||
標準解像度 | 1280×1024ドット/32ビットカラー | ||||
HDD | HGST HDT725050VLA | ||||
フォーマット | NTFS | ||||
OS | Windows Vista Ultimate RTM(32ビット)版 | ||||
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