「GIGABYTE EAGLES」は、マザーボードのメジャーブランドとして有名なGIGABYTEが送り出すハイエンドデスクトップPCシリーズだ。同社はPCパーツをはじめ、ベアボーンキットや周辺機器だけでなく、PCシステムも多数手がけている。
実際、GIGABYTE EAGLESの国内独占販売を行う九十九電機は、2006年からGIGABYTE製ノートPCの販売を始めており、いわば気心が知れた仲だ。この詳細な事情は、こちらのインタビュー記事(“最高のデスクトップPC”を実現する鍵――「GIGABYTE EAGLES」製品担当者インタビュー)を参照してほしい。
GIGABYTE EAGLESシリーズのラインアップ | |||
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製品名 | G-E900J | G-E700J | G-E500J |
CPU | Core 2 Extreme QX9650 | Core 2 Duo E6850 | Core 2 Quad Q6600 |
動作クロック | 3.6GHz(3.0GHz) | 3.6GHz(3.0GHz) | 2.88GHz(2.4GHz) |
メモリ | 4Gバイト(PC2-8500) | 2Gバイト(PC2-8500) | 2Gバイト(PC2-6400) |
マザーボード | GIGABYTE GA-TX38DUXH-GB1(Intel X38 Express) | ||
HDD | 150GB(1万rpm)×2(RAID 0) | 150GB(1万rpm) | 500GB(7200rpm) |
グラフィックスカード | Radeon HD2900 XT(512MB)×2 | GeForce 8800 GTX(768MB) | GeForce 8800 GTS(640MB) |
光学ドライブ | DVD±R DL対応DVDスーパーマルチ | ||
OS | Windows XP Professional(SP2) | ||
価格 | 59万8000円 | 34万8000円 | 24万8000円 |
「GIGABYTE最高峰PC」とうたうように、本機はハイエンドなパーツをふんだんに使って構成されているだけでなく、液冷システムによる静音化、さらに独自の技術でオーバークロックされた状態で出荷されるというユニークな特徴を持っている。その実力はいかなるものか、3モデルのラインアップのうち、中堅モデルの「G-E700J」を中心に見ていこう。
このG-E700Jは、前述のうたい文句通り、かなりハイエンドなパーツで構成されている。CPUは、Core 2 Duo Eシリーズの最上位モデルであるCore 2 Duo E6850を採用する。定格の動作クロックはデュアルコアCPUとしては最速の3.0GHzで、エンコードやCGレンダリングなど最適化されたアプリケーションといった特定な処理で爆発的な威力を発揮するクアッドコアCPUに対して、オフィス/クリエイティブアプリケーションからエンコード、ゲームなど、どんな作業もそつなく高速にこなすのが特徴だ。
しかも本機では、Core 2 Duo E6850をオーバークロックして3.6GHzで動作させており、このオーバークロック状態でメーカー保証がつくというのが見どころだ。オーバークロックはBIOSセットアップやWindows上のユーティリティでの設定変更ではなく、「TURBO KEY」と呼ばれるモジュールをマザーボードの専用コネクタに差し込むことによって行なわれる。このTURBO KEYにCPU、メモリ、チップセットのクロック/電圧などの設定情報が格納されており、「TURBO KEY」を抜いて立ち上げると定格で動作する。
その一方、マザーボードのBIOSセットアップでの設定項目は必要最小限にとどめられており、動作クロックなどの設定をユーザーが変えることはできなくなっている。BIOSセットアップでユーザーが変更できる項目を増やすとかえってトラブルに発展する可能性があり、オーバークロック状態でメーカー保証をつけていることを考えると、うまい方法だといえるだろう。
ちなみに、下位モデルの「G-E500J」はCore 2 Duo Q6600(2.4GHz)、上位モデルの「G-E900J」はCore 2 Extreme QX9650(3.0GHz)を採用しており、これらもTURBO KEYによって、それぞれ2.88GHz、3.6GHzにオーバークロックして出荷される。
Core 2 Duoを3.6GHzの状態で常用し、動作保証までする安定性を得るには相当に強力な冷却性能が必要になる。本製品では、独自に長期間メンテナンスフリーの液冷システムを導入し、CPUとチップセットの放熱を効率化し、高度な冷却能力と静音性を両立している。
自動車にも使われているという高耐久性かつ液体保持力の強いEPDMチューブ、ショーワ製の冷却液を導入しており、液損率は「3年間で40cc以下」に対し、搭載量は「循環必要量よりも75cc多い」という。液冷を採用したことでCPUを直接冷却するファンが不要になっており、ラジエータ冷却用の12センチ角ファンがケースファンを兼ねる構造のため、静音性の面でも優秀だ。ただ、特にアイドル時はファンの音が耳につかないだけに、静かな部屋ではHDDのアクセス音やポンプの小さな音が少し気になるかもしれない。
これまでは本機ならではのトピックを中心に見てきたが、次のページでは肝心のPC性能を見ていこう。
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