FMV春モデルの目玉「LOOX R」を速攻でチェックしたLOOX Tと並べて比較(1/2 ページ)

» 2007年12月19日 16時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

低電圧版Core 2 Duo採用の新型モバイルノート

「FMV-BIBLO LOOX R」

 街がクリスマスムードでにぎわう12月18日、富士通は早くも個人向けPCの2008年春モデルを発表した。2007年1月15日に春モデルを発表した昨年と比べて、1カ月近く早い立ち上がりだ。他社に先駆けて売れ筋のノートPCなどを年内にモデルチェンジすることで、春商戦に向けてのスタートダッシュを図っている。東芝についても同様の戦略だ。

 さて、富士通の春モデルで目玉となるのが、新しくラインアップに追加された「FMV-BIBLO LOOX R」シリーズだ。2000年の誕生以来、多くのユーザーに支持されてきた「FMV-BIBLO LOOX T」シリーズから“光学ドライブ搭載の小型軽量ノート”というコンセプトを受け継ぎつつ、液晶ディスプレイの大型化やボディの軽量化、バッテリー駆動時間の延長に注力した意欲的な新モデルとなっている。

ビジネスシーンでの利用イメージ

 既存のFMV-BIBLO LOOX Tよりもビジネス用途を強く意識しており、プリインストールOSにWindows Vista Businessを採用したほか、Office Personal 2007 with PowerPoint 2007搭載モデルを用意しているのも特徴だ。

 FMV-BIBLO LOOX Rの発売日や価格は未定だが、今回は店頭向けモデル「FMV-BIBLO LOOX R70Y」の試作機を入手できたので、まずは秋冬モデルの「FMV-BIBLO LOOX T70X」とどのように変わったのか、写真を見比べながら紹介しよう。

 ただし、FMV-BIBLO LOOX RのCPUは現時点で動作クロック1.2GHz、システムバス800MHz、2次キャッシュ4Mバイトの低電圧版Core 2 Duoであることが判明しているものの、プロセッサー・ナンバーや詳細仕様は発表されていない。そのため、今回はパフォーマンスを含めた製品評価は控えることとする。また、試作機での紹介となるため、実際の製品と仕様が異なる場合がある点もあらかじめお断りしておく。

12.1インチワイド液晶と光学ドライブ搭載で重量は約1.27キロ

 ボディは黒と濃いシルバーが中心の落ち着いた配色で、光沢がある液晶ディスプレイのヒンジがデザインのアクセントになっている。天板のカラーは光沢仕様のグロスブラックだ。天板からの全面加圧試験は約200kgf、一点加圧は35kgfをクリアし、転落試験も実施するなど、堅牢性にこだわっている。

 液晶ディスプレイのサイズは12.1インチワイドで、解像度は1280×800ドットと、このクラスのモバイルノートPCとしては標準的な仕様だ。キーボードは、キーピッチ約18ミリ/キーストローク約2ミリを確保しており、十分なサイズといえる。また、タッチパッドをLOOX T70Xより約160%大きくすることで、扱いやすくしているのも見逃せない。液晶ディスプレイ、キーボードともに本体の幅ギリギリのサイズに収めることで、操作性と設置性の両面に配慮しているのが好印象だ。

天板のカラーは光沢があるグロスブラックを採用(写真=左)。12.1インチワイド液晶ディスプレイは1280×800ドット表示で、LEDバックライトを採用する(写真=中央)。キーボードのレイアウトには無理がなく、カーソルキーが一段下がっているのは使いやすい(写真=右)。キーボードユニットは水滴が浸入しにくいようにバスタブ構造を採用している。キーボード上のLEDとLOOXロゴは使用時に光る仕組みだ

 本体サイズは、LOOX R70Yが274〜280(幅)×207(奥行き)×27.3〜37.4(高さ)ミリ、LOOX T70Xが272.9(幅)×200.9(奥行き)×27.1〜29.9(高さ)ミリだ。液晶ディスプレイのサイズを10.6インチワイド(1280×768ドット表示)から12.1インチワイド(1280×800ドット)に大型化したにもかかわらず、液晶ディスプレイ左右のフレーム幅を約5.4ミリと狭くすることで、横幅は274〜280ミリに抑えている。

 液晶ディスプレイ部のフレーム幅を狭くすることで、設置面積を肥大化させずに大きめの液晶パネルを搭載して差異化する手法は、「FMV-BIBLO MG」シリーズの14.1インチワイド液晶ディスプレイにも見られる特徴だ。

左にLOOX R70Y、右に従来のLOOX T70Xを並べて撮影。LOOX R70Yは液晶ディスプレイを大型化しながら、横幅はさほど変わらないサイズとした(写真=左)。キーボートのレイアウト、キーピッチ、キーストロークはLOOX T70Xとほぼ同様だが、タッチパッドは大型化されている(写真=右)。本体の奥行きが長くなったことで、パームレストのサイズも伸びている

 ボディの幅はさほど変わらないが、奥行きは6.1ミリ、高さは最厚部で7.5ミリ増加しており、見た目にも厚みが増して少し大きくなった印象を受ける。スペックの向上にともなうボディの大型化は好みが分かれるところだろう。

 とはいえ、ガラス厚を薄型化したLEDバックライト液晶パネルを採用するなどの工夫により、重量はLOOX T70Xの約1.31キロから約1.27キロへと軽くなっている点は高く評価したい(いずれも光学ドライブ装着時)。数値的にはわずかな違いだが、実際に持ち比べてみると、LOOX R70Yは本体サイズからイメージする重量より軽いことに驚かされた。

 ただし、ユーザーが光学ドライブを自由に取り外して軽量化できるモバイルマルチベイ構造は省かれており、光学ドライブは固定されている(直販モデルで購入時に光学ドライブを非搭載にすることは可能)。

 さらに、バッテリー駆動時間がLOOX T70Xより強化されている点にも要注目だ。付属の内蔵バッテリーパックL装着時で、駆動時間は約10.3時間から約11.7時間に延びている。ちなみにオプションの軽量バッテリーを装着した場合は、駆動時間が約7.5時間に短くなる代わりに、重量を約1.18キロまで軽量化できる。

LOOX R70Yの上にLOOX T70Xを重ねて撮影。横幅はほとんど変わらないが(写真=左)、LOOX R70Yのほうが奥行きが6.1ミリ、高さが最厚部で7.5ミリ長い(写真=右)。手前から奥に向かってボディは厚くなるため、使用時はキーボードに緩やかな傾斜ができる

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