iPodは国内でも携帯オーディオ分野で販売シェア50%程度を持つ一大勢力だが、それでもすべての物事がiPodを中心に動いているわけではない。世に出回っているビデオファイルの大半は、iPodで再生できるMPEG-4 AVC/H.264ファイル“以外の形式”なのが現実だ(関連記事:Macで“アレな動画”はちゃんと再生できるのかな?)。
このため、それらの動画をiPodに入れて視聴するには“変換”というステップが必要になる。もっとも、ここまではWindowsでもMacでも問題は同じ。しかしここで気になるのが「Macってその手の動画変換フリーツールが少なそう……」というイメージだ。今回はその点について「現実はどうなのよ」というところをチェックする。
いきなりだが、その手のツールは確かにWindowsより少ないかもしれない。この点は潔く認めよう。しかし、数が多ければいいのですか、という話なのである。必要以上に高機能で使いにくかったり、逆にあまりにも低機能で使い物にならなかったり、そんなツールが何本あってもどうにもならない。重要なのは“使えるツール”があるかどうか。そしてもちろん、Macにはそれがある。
それら“使えるツール”の中から、今回は「MPEG Exporter TNG」を紹介しておこう。MPEG Exporter TNGは、最新iPodへの対応などアップデート頻度が高いのが特徴だ(もちろんiPod touchにあわせた変換仕様もすでに実装されている)。また、国産ツールであるため、日本語の配布ページや作者のブログなど充実した情報を得やすいのもうれしい。
MPEG Exporter TNGには、変換エンジン「ffmpeg」は内蔵されておらず、これはほかのツールから取り出して利用する必要がある(このあたりの手順は配布ページで解説されているので熟読)。そのため、使い始めだけはほんの少しハードルが高いかもしれない。しかし、この部分さえクリアすれば、それ以降はウィザード形式で順に選択肢(変換設定)を選んでいくだけで、各種ビデオファイルを.mp4に変換できるようになる。
MPEG Exporter TNGに読み込んで変換できる形式は、MPEG-1/2やDivX、FLVなど。以前に紹介した「Flip4Mac」プラグインをQuickTimeに追加してあれば、WMV(Windows Media Video)形式からの変換も可能だ。ある程度普及しているビデオ形式の大半に対応できるようになる。
ちなみにMPEG Exporter TNG以外のツールでは、「iSquint」や「MPEG Stream Clip」といったツールが定番どころだ。機能も操作性も異なるので一通り試してみるとよいだろう。
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