Vista、というより、クアッドコア元年だった2007年2007年アキバ総括 PCパーツ編(4/4 ページ)

» 2007年12月31日 17時17分 公開
[古田雄介,ITmedia]
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「ゲームはNVIDIA、AV表示はAMD」――グラフィックスカードにすみ分けが生まれる?

7月に登場したPowerColorのRADEON HD 2600 XT搭載カード。価格は2万円台前半だった

 グラフィックスカードは、2007年後半からにわかにシェア争いが白熱した。

 NVIDIAが優位な情勢の中、AMDは新世代の「RADEON HD 2000」シリーズを発表。5月に最上位の「RADEON HD 2900 XT」搭載カードが登場した。ハイエンドクラスで大ブレイクとはいかなかったが、6月から7月にかけて出回り始めたミドルレンジ以下の「RADEON HD 2600/2400」シリーズが、PCでAVコンテンツを親しむ層に受けてロングヒットモデルに。

 RADEON HD 2400/2600はGPUのみでHDコンテンツを処理できるUVD機能を搭載しており、「ゲームならNVIDIAがお勧めですが、AV用途に使うならRADEONですね」(クレバリー1号店)といった評価を定着させた。

 その流れは、11月に投入されたPCI Express 2.0対応の「RADEON HD 3800」シリーズにも受け継がれている。一方で、ハイエンドクラスの不在を嘆く声も複数のショップで聞かれた。「RADEONユーザーは忍耐強いですから、いまでもハイエンドを待っている人がいると思います。GeForce 8800 GTXに対抗できるGPUが早く登場するといいんですが…」(某店員さん)という。

 NVIDIAは、10月に発表したG92世代の新GPU「GeForce 8800 GT」が大ヒットを記録。1カ月以上も「仕入れれば、即売り切れるような状態」(高速電脳)が続いた。リファレンスデザインは1スロット占有の薄型クーラーを搭載しており、排熱に不安を覚えるユーザーが多かったが、11月には各メーカー独自の大型クーラーが搭載されるようになり、再び人気を集めた。

 また、12月中旬にはG92世代の新しい「GeForce 8800 GTS」搭載カードが登場。PCI Express 2.0に対応したほか、製造プロセスも62ナノメートルに縮小されている。8800 GTの上位モデルにあたり、搭載カードの価格は5万円前後。「ハイエンドモデルとしては安いですが、GeForce 8800 GTXに匹敵する性能を持っています」(T-ZONE.PC DIY SHOP)とのことで、ゲーマーを中心にこちらもヒットを飛ばしている。

RADEON HD 3870を搭載するSapphireの「HD 3870 512M GDDR4」。3万6000円前後で出回っている(写真=左)。各メーカーからいっせいに登場したGeForce 8800 GT搭載カード。価格は3万5000円前後(写真=中央)。GeForce 8800 GTS搭載のGALAXY「GF P88GTS/512D3」(写真=右)


 Core 2 QuadやGeForce 8800 GTS、RADEON HD 3870など、2007年は年末まで人気が継続する主要パーツが多かった。

 あるショップは「年末は特価キャンペーンで盛り上がるのが恒例でしたが、今年はそんな必要もないほど魅力的なアイテムがそろっています。この流れが来年に続けば最高ですね」と語り、一年を締めくくった。

著者:古田雄介

毎週2〜3日は必ず電気街か家電量販店に姿を現すライター。職歴とアキバ取材歴はぴったり同じ。プライベートでは「古田雄介のブログ」を運営している。


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