“親指タイピング専用”キーボードが登場──Logitech新製品発表会2008 International CES

» 2008年01月06日 16時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 Logitech(日本ではロジクール)が1月5日(日本時間の1月6日)に新製品発表会を米国ラスベガスで行った。2008 International CESの会場があるホテルのレストランで行われたそのイベントでは、実際に製品を手にしてその使い勝手を試すことができた。ここでは速報として、それらの製品の姿と概要を紹介する。

このキーボードならリビングでも使える

 そのスタイルで最も注目を集めたのが「diNovo mini」(型番 DN-500)だ。クラムシェルタイプのその姿に「おお、ついにLogitechもUMPCに進出か?」と思わず勘違いしてしまいそうになるが、その正体は「リモコン感覚で使える超小型ワイヤレスキーボード」といった、まったく新しいカテゴリーといえる製品だ。

 Logitechは(そして日本のロジクールも)、リビングに設置したPCの10フィートUIを想定したキーボードとして、ワイヤレスの「diNovo Cordless Desktop」「diNovo Edge」といった“diNovoシリーズ”をリリースしている。diNovo miniは、これら「デザイン重視のワイヤレスキーボード」の系列に属する新製品で、150×90×27.5ミリ(カバーを閉じた状態。カバーを開くと152×152.8×65ミリ)、175グラムという両手で持って親指タイピングを無理なくできるサイズと重さを実現したのが最大の特徴だ。

 Logitechスタッフによると、10フィートUIでキーボードをPCのリモコン代わりに使うとき、従来のフルサイズキーボードは大きすぎるが通常のリモコンではPCの検索機能を十分利用できないため、親指タイピングができるサイズのキーボードユニットを企画したという。「フルサイズのキーボードがリビングのテーブルにあったら、やっぱり邪魔ですよね」(Logitechスタッフ)

diNovo miniは、リビングのテープルにおいても邪魔にならない超小型サイズが最大の特徴。そのサイズを可能にしたのが「親指タイピング専用」という思い切ったデザインだ。ポインティングデバイスにはタッチパッドのようにも十字カーソルキーのようにも使える「ClickPad」が新たに開発された

 diNovo miniの接続にはdiNovo Edgeと同じBluetooth 2.0を利用する。Logitechの資料では、対応するOSとして「Windows XP」「Windows Vista」が記載されているのほかに、対応プラットフォームとして「PLAYSTATION 3」も挙がっていた。

 キーピッチは10ミリ、ストロークは明らかにされていないが、実際に打鍵してみると、押し込んだ感じが十分認識できて打ちやすい。ポインティングデバイスには、diNovo Edgeで搭載されていた「TouchDisc」のような円いデバイスが用意されているが、こちらは「Click Pad」と呼ばれる新たに開発されたものだ。指先をスライドさせてタッチパッドのように使えるほか、ゲームコントローラの十字カーソルキーのように上下左右に押し込める。これは、縦横のカーソル移動を多用するメディアセンターの操作を考慮したもので、diNovo mini本体にあるスイッチで、両方の使い方「タッチパットモード」「メディア操作モード」の切り替えを行う。

 内蔵されているイルミネーションで、ClickPadの周囲がタッチパッドモードのときはオレンジに、メディア操作モードのときはグリーンにそれぞれ光る工夫も施されている。なお、キーボード部分にもイルミネーションが組み込まれていて、キートップの文字が輝く。

 日本では3月に出荷される予定でロジクール ストアの価格は1万8800円となる見込みだ。

ClickPadは、指をスライドさせて使う「タッチパッドモード」と、十字カーソルキーのように上下左右を押して使う「メディア操作モード」に切り替えられる。モードを替えるとClickPadの周囲がオレンジ(タッチパッドモード)、グリーン(メディア操作モード)に輝く

ゲームユーザーには悔しい「あの」マウスのBluetoothモデル

 今回発表されたUSBスピーカーユニット「Z Cinema」も3月に日本で出荷される予定だ。ロジクール ストア価格は3万6800円になる見込み。1インチツィーターと3インチミッドウーファーを組み込んだスピーカーユニット2つと、8インチ径のサブウーファー1つで構成される2.1チャネルのUSB接続スピーカーで、各ユニットにアンプを搭載している。2.1チャネルスピーカーであるが、SRSのTruSurrond HDを採用して、リアスピーカーなしでも360度サラウンドサウンドが実現される。

大柄のUSB接続スピーカーセット「Z Cinema」と、それに同梱されるメディアセンター対応のリモコンユニット。こちらも3月に日本で出荷される予定だ

 会場では、日本市場への投入が予定されていない新製品も展示されていた。「Cordless Desktop MX 5500 Revolution」は、日本でも出荷されている「Cordless Desktop MX 3200 Laser」のマウスに、新しく登場した「MX Revolution」のBluetooth版がセットになる。この新しいマウスだけでも欲しくなるユーザーも多いのではないだろうか。米国におけるオンラインストア価格は169.99ドル。

 有線/無線LANインタフェースと音声出力を備えた「Squeezebox Duet」は、単体でネットワークに接続することで同じLANに存在するPCに保存された音楽データやインターネットラジオを“PCから離れたところでも”再生できるようにする機器だ。日本では扱われていないが、米国などでは従来モデルとなる「Squeezebox」をはじめとする複数の製品が販売されている。

 Squeezebox Duetでは、無線LANインタフェースが従来のIEEE 802.11 g/bに加えてIEEE 802.11n(ドラフト版)にも対応したほか、リモコンコントローラには2.4インチの液晶カラーディスプレイとスクロールホイールが搭載されて操作性が向上した。米国のオンラインストア価格は399.99ドル。

日本でも“ゲーミングマウス”として人気の高い「MX Revolution」にBluetoothを組み込んだ新モデルをキーボードとセットにした「Cordless Desktop MX 5500 Revolution」は、ゲームユーザーから熱烈に支持されそうなカップリングだが、残念ながら日本市場の出荷は予定されていない

ネットワークを介してPCに保存されている音楽データやインターネットラジオを再生する「Squeezebox Duet」と、同梱される液晶ディスプレイ搭載のリモコンユニット。リモコンのディスプレイには操作メニューや再生している音楽のデータが表示される

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