3つめの発表は「iTunes Movie Rental」だ。大成功を収めているiTunes Storeは、アメリカでは1億2500万本のTV番組を売るなど成功しているが、唯一成功していないのが映画コンテンツの販売だ。
ジョブズCEOは、映画についてはレンタルモデルにしたほうが、価格も安く、HDDスペースも取られないとして、「iTunes Movie Rental」サービスを発表した。米国では即日開始し、米国外では今年後半までの実現をめざす。
iTunes Movie Rentalには、主要映画会社11社が参加し、まずは1000タイトルからスタート。Macでも、PCでも、iPodやiPhoneでも視聴できるようにする。レンタル開始から30日以内に視聴を開始し、そこから24時間以内であれば何度でも再生できる。Macで見ていた映画をiPodに転送して続きを見るといったことも可能だ。価格は旧作が2.99ドル、新作が3.99ドルで、HD版はこの価格に1ドル上乗せされる。
この発表のさなか、アップルはこれらのコンテンツをリビングでどう見るべきかについて話を広げた。「これまでいくつもの会社が、それに挑戦したが、失敗した」――ジョブズ氏は、Apple TVも成功していない、と失敗を認める。
これまでのApple TVはPC依存型であり、PCと連携してしか利用できなかったが、これは間違いだったと語り、新しいApple TVでは単独でコンテンツを購入したりレンタルしたりできるようにすると発表した。
新Apple TVの機能は次の通りだ。
アップルは、Apple TVの価格を299ドルから229ドルに下げ、これまでのApple TVユーザーには無償アップデートを提供する。
さて、話が前後してしまうが、Macworld Expo 2008の基調講演の冒頭は、昨年リリースされたMac OS X “Leopard”の好調ぶりを報告するところから始まった。
この最新Mac OSは、出荷開始から最初の3カ月で500万本を出荷したアップル史上最も売れたソフトである。そして、Mac OS Xユーザーの19%が、この新OSへの移行を果たしたことになるという。
※記事初出時、Mac OS Xユーザーの81%がLeopardに移行した、という記述がありましたが、正しくは19%です。お詫びして訂正いたします。
ジョブズ氏は、同OSの人気機能の1つである「Time Machine」を取り上げ、ノート型のMacではバックアップが取りにくいと説明。ノート型Macでも無線LAN経由で簡単にバックアップができるように、HDDを内蔵した無線LANアクセスポイント「Time Capsule」を発表した。
このTime Capsuleは、IEEE802.11n(ドラフト 2.0準拠)に対応したネットワークストレージ(HDDの回転数は7200rpm)で、容量に応じて2モデルが用意される。価格は500Gバイトモデルが299ドル、1Tバイトは499ドルだ。
なお、スティーブ・ジョブズ氏の講演で恒例の、大物アーティストによる演奏では、大御所ランディー・ニューマン氏が登場し、映画「トイ・ストーリー」のために作った曲「You Got a Friend in me」などを演奏した。
基調講演の詳報は追って掲載する予定だ。
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