イーフロンティアは1月18日、3DCG作成ソフト「Shade 10」シリーズを3月7日に発売すると発表した。製品ラインアップは、業務向けの「Shade 10 Professional」(最大レンダリング解像度22528×22528ドット)、ハイアマチュア向けの「Shade 10 Standard」(同4000×4000ドット)、エントリー向けの「Shade 10 Basic」(同1600×1200ドット)が用意されている。対応OSは、64ビット版を含むWindows XP/VistaとMac OS X 10.4.11/10.5以降だ。
各バージョンの価格、および同社直販でのアップグレード価格は下表の通り。そのほか、1月18日以降にShade 9 Professional、Shade 9 Standard、Shade 9 Basic(バージョンアップ/グレードアップを除く)を販売店で購入した場合、Shade 10を無償で入手できるバージョンアップキャンペーンも実施中だ。同キャンペーンの受け付け期間は3月31日までとなっている。
なお、同社は発売が延期されていた3D住宅デザイン用ソフト「Shade Home Design」を3月上旬から中旬にかけて発売する予定も明らかにした。
Shade 10シリーズのラインアップと価格 | |||
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製品名 | 通常版 | アカデミック版 | アップグレード |
Shade 10 Professional for Windows | 10万5000円 | 4万9800円 | 2万5000円/5万円 |
Shade 10 Professional for Mac OS X | 10万5000円 | 4万9800円 | 2万5000円/5万円 |
Shade 10 Standard for Windows | 4万5000円 | 2万4800円 | 1万5000円/2万5000円 |
Shade 10 Standard for Mac OS X | 4万5000円 | 2万4800円 | 1万5000円/2万5000円 |
Shade 10 Basic for Windows | 1万2800円 | 1万円 | 6000円 |
Shade 10 Basic for Mac OS X | 1万2800円 | 1万円 | 6000円 |
Shade 10シリーズのアップグレード/バージョンアップ対応状況 | |||
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バージョンアップ元製品 | バージョンアップ先製品 | ||
Professional | Standard | Basic | |
Professionalグレード | 2万5000円 | − | − |
Personal/Advance/Standardグレード | 5万円 | 1万5000円 | − |
Debut/Spirit/Basicグレード | − | 2万5000円 | 6000円 |
Shadeシリーズは、モデリングからレンダリング、アニメーション作成、さまざまな形式での出力に対応した統合3DCG作成ソフト。業務用途だけでなく安価なアマチュア向けバージョンを用意していることや、ドローソフトのようなシンプルな操作系でモデリングが行えること、日本で開発されている背景から国内でのユーザー数が多いことなどで知られる。誕生から22年でバージョン10となり、同社によれば、出荷本数は累計50万本を超えたという。
今回登場したShade 10では、初心者に配慮したユーザーインタフェースの刷新をはじめ、従来版の機能を大幅に変更している。また、全バージョンにSecond Life用の形状出力機能を搭載した。
ユーザーインタフェースについては、固定されていた4面図の表示レイアウトが個別に指定可能になり、4面図のそれぞれに「ビュー切り替えメニュー」と「表示オプションメニュー」を備えたメニューバーが追加され、アクティブなビューを明示的に表示するように改良された。
モデリング機能では、「マニピュレータ」を搭載。3D空間に配置された各種のハンドルを操作することにより、従来はツールボックス内のメニューから利用していた移動、回転、拡大縮小といった機能を実行できるようになった。
髪の毛作成用の「ヘアーサロン」機能は、配置した髪を一定方向に整える「くし」ツールや、頭の片面に配置した髪型を左右対称にコピーできる「左右対称スタイリング」がProfessional/Standard版に追加された。また、新機能の「ファーレンダリング」により、髪の毛を一本一本正確に描画することが可能だ。
トゥーンレンダリング関連の機能では、Professional/Standard版において、線や塗りの設定が強化され、従来版のセルアニメ風イメージに加えて、テクニカルイラストレーション用、マンガ原稿用、鉛筆画といった設定を選べるようになった。また、従来から搭載されていた輪郭と特徴線に加えて、形状同士が交差した部分に線を書くことができる。
製品発表会では、同社代表取締役の安藤健一氏が登壇。「Shadeシリーズは、“派手な3DCGをパーソナルな環境でも作れること”を目指して、強い信念を持って国内で長年開発してきた。いろいろなユーザーの作りたい映像に常に向き合い、我が子を育てるように開発している」とShadeシリーズに対する思い入れを語り、「今回のバージョン10は特に完成度が高く、自分でも感動したほど」と新製品をアピールした。
今後の展望については、米Avatar Realityとの業務提携(後述)や3D住宅デザイン用ソフトであるShade Home Designの展開などを背景に、「Shadeと関連したさまざまなサービスにより、3DCGを生かせる場所を積極的に提供しつつ、クリエイターが活躍できるシーンをさらに広げていきたい」と抱負を述べた。
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