1月24日、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が個人向けPCブランド「HP Pavilion」シリーズのラインアップを一新し、全11モデルを投入した。一部のモデルを除き、即日販売が開始されている。
発表会では、日本HP パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 本部長 山下淳一氏がHPの財務状況と販売戦略を解説した。ワールドワイドでは、「絶好調という言葉を使っても差し支えない」というように対前年同期比(2007年度第4四半期)で増収増益(売り上げ高15%増、純利益28%増)を記録した。そのエンジンとなっているのが、ワールドワイドで20%のシェアを獲得しているコンシューマーPCだ。「コンシューマーPCが非常に速いスピードで成長しており、今や全世界のコンシューマーPCのうち、5台に1台がHP製だ」と述べた。
一方、日本国内では「2006年6月からコンシューマー向けPCの販売を再開し、順調にラインアップを強化してきた。当初から掲げた、継続的にビジネスをしていくという目標については、まずまずの成果を上げることができた」とし、「次のステップではHP Pavilionの認知度を向上させることで、事業規模を拡大していきたい」と抱負を語った。
具体的には、「圧倒的なシェアを背景にしたスケールメリット、それを“速さ”という形で日本の皆さんに還元していきたい。これまでHPが注力してきたデザインについては、“美しさ”を掲げ、2008年を通して訴えていくつもり」と述べ、2008年の製品メッセージ「速さは美しさの中に。」を紹介した。
もう1つのテーマとして挙げられたのは、2007年9月に投入した「HP TouchSmart PC」に採用されたタッチインタフェースだ。「日本国内のPC普及率が70%を超える一方、50歳代のPC普及率が低いことを考えると、若い人の間ではPCが生活の一部としてかなり溶け込んでいる。ここにタッチ機能を提供すれば、新たなエクスペリエンスを届けることができる」と主張。「Windowsの標準的な入力デバイスは、これまでずっとキーボードとマウスだった。しかし、現状を取り巻く環境では、ゲーム機やMP3プレーヤー、携帯デバイス、家電の世界、銀行の端末や駅の券売機では“タッチ”が確実に普及している」とし、「これまで“タッチ”が普及しなかった理由は価格が高く、テクノロジーが追いついていなかった。ところが、今ではWindows Vista Home Premium以上は標準でタブレット機能を備えていてソフトウェア面での敷居が下がっており、価格面では前述のスケールメリットを生かして、求めやすい価格でタッチ機能を提供できる」と自信を示した。
新たに投入される春モデルの発売時期と価格は下記の通り。
製品名 | 販売日 | 最小構成価格 |
---|---|---|
HP Pavilion Notebook PC dv9700/CT | 1月24日 | 13万9860円〜 |
HP Pavilion Notebook PC dv6700/CT | 1月24日 | 7万9800円〜 |
HP Pavilion Notebook PC dv2705/CT | 1月24日 | 6万9930円〜 |
HP Pavilion Notebook PC tx2005/CT | 1月24日 | 9万9960円〜 |
HP Pavilion Desktop PC s3340jp/CT | 1月24日 | 5万9850円〜 |
HP Pavilion Desktop PC v7380jp/CT | 1月24日 | 7万9800円〜 |
HP Pavilion Desktop PC s3320jp/CT | 1月24日 | 4万9980円〜 |
HP Pavilion Desktop PC v7360jp/CT | 1月24日 | 6万9930円〜 |
HP TouchSmart PC IQ796jp | 2月上旬 | 21万9870円〜 |
HP TouchSmart PC IQ794jp | 2月上旬 | 18万9840円〜 |
HP TouchSmart PC IQ792jp | 2月上旬 | 15万9600円〜 |
デスクトップPCでは、コンパクトなs3xxxシリーズとスリムなv7xxxシリーズのそれぞれにインテル/AMDプラットフォームを用意する従来モデルの特徴を引き継ぎつつ、CPUや光学ドライブで差別化し各モデルのポジショニングを明確にした。基本スペックの強化も図られ、インテルモデルでは45ナノメートルで製造されるPenryn(開発コード名)の導入、AMDモデルではクアッドコアのPhenom 9500(3.6GHz)の採用、Blu-ray Disc/HD DVD-ROMの読み出しをサポートしたDVDスーパーマルチドライブや、Windows Vista Ultimateが選択可能になったのが目立つ。HP TouchSmart PCは、地上デジタル放送対応モデルが2モデルに増加し、価格が引き下げられた。
同社パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 プロダクトマーケティング マネージャ 中原和洋氏は、「春モデルでは最新テクノロジーを導入しつつ、プライスパフォーマンスも追求している。また、日本ではタワー型のデスクトップPCを提供していないが、スリムタイプで高性能を訴求していく。液晶一体型のTouchSmart PCはAV機能を強化し、それを求めやすい価格にすることで競争力を高めていく」と新モデルの傾向を説明した。これまでのモデルでアンケートを行ったところ、「約7割がデザインに満足という結果が出ており、“速さは美しさの中に”を体現している春モデルを推進していきたい」とまとめた。
次のページでは、HP Pavilion Notebook PCの春モデルを見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.